第33話 太古の迷宮《三層:沼地》
第四位階上位
早朝、俺はリリに揺り起こされた。
慣れない空の旅と丸一日魔力を捏ね繰り回していたのが思っていた以上の疲労になっていたらしい。
口を開けてこれ見よがしにアピールしてくるリリに、リンゴもどきを与えつつ今日の予定を考える。
今日は昼前までに沼地を制覇、昼までには四層へと進んでしまうのが良いだろう。
目標はリリのジョブLV50と俺のジョブLV60以上だ、獲物はそこそこ数がいるので何とかなるだろう。
考察をしつつもリリを撫でていると、ふとリリに違和感を感じた。
リンゴを支えている片手を拝借し、持ち上げてみると、そこには……飛膜の様な物があった。
リリをよく見てみると、尻尾が少し長くなり、体も全体的にスマートになっている。
頭の上に小さな角が二本生え、体色や目の色が更に一段明るくなっている。
小風飛蜥蜴 リリ LV19
US
『風の小角』
『■■の■■』
HS
『精神拡張』『吸収』
S
『能力強化』『魔力限界拡張』『体術』『風魔法』『気配察知』『魔力操作』
LS
『治癒力向上』『直感』
リリ〈魔物LV41〉♀0
2ジョブ〈蜥蜴LV41〉
変更可能ジョブ
BP2
……そんなに飛びたかったのか。
とはいえ現状この飛膜だと滑空するのが精々だろう。
風魔法と魔力操作をしっかり練習すれば飛べるやもしれないが、俺がやり方を知らないから教える事は出来ない。
新しく増えたUSに風の小角という物があった、瞳に魔力を込めて見てみると、確かにリリの角に高密度の魔力が込められているのが分かる。
急に爆発したりはしなさそうなので取り敢えずは放置しておく。
◇
最初の相手は大きなワニの群れだ。
空から奇襲のリリ爆撃で一瞬で肉片に変わった。
リリの後先考えない高密度魔力の爆弾は、ワニ達の中心に着弾しミキサーの様な高速回転を始めた。
乱れ舞う風の刃は移動中のワニ十数匹を一瞬でミンチに変え泥水とかき混ぜた。
新しい種族の影響か新しいスキルの影響か、あるいはその両方か、リリの魔法の威力が格段に上昇している。
当然、肉や魔石の回収は不可能だ。
次の獲物はカエルの群れ、一抱えもある大きなカエルだ。
数は20から30程で、すぐ横に大きな蛇の死体が転がっている。
やはり格下でも群れれば脅威になり得るのだろう。恐ろしいカエルだ。
誰に言う訳でもなく、『……回収出来なかったら昼飯抜きだな』と呟いたのが功を奏したのか次のリリの攻撃は爆弾ではなかった。
リリの周囲に魔法陣らしき物が複数浮かび上がり、そこからカエル目掛け風の槍が射出された。
それはさながら槍の雨が如く……カエル達は掘り返された泥の底へと沈んで消えた。
「……」
「……キュ」
ともあれ、今までのリリは口からしか魔法を放てなかったが、口以外からも魔法を放てる様になったのは大きい。
魔法の制御や魔力の制御、総合的な魔力量には難ありだが今後狩を続けていけば色々と解決するだろう。
地図を確認するとこれ以外に大きな群れを形成している所は無い。
地道に潰していくのが良いだろう。
◇
時刻は昼前、よりかなり早い時間帯だ。
リリの能力が想像以上に上昇していたのが早まった理由だろう。
その後の狩は順調に進み、リリのLVもグンと上がった。
リリ ♀0 LV21
〈魔物LV66〉
〈偽竜LV14〉
変更可能ジョブ
〈蜥蜴LV50MAX〉
称号
〈蜥蜴〉
BP3
蜥蜴ジョブがMAXになり偽竜ジョブが自動的に2ジョブに入った。
想像通りの結果だ、魔物ジョブがMAXになれば次に出てくるのは魔族だろう。
ミツキ 男16 LV14
〈大英雄LV15〉
〈剣聖LV15〉
〈大魔導士LV15〉
変更可能ジョブ
〈村人LV5〉
〈見習い剣士LV25MAX〉
〈剣士LV50MAX〉
〈熟練剣士LV70MAX〉
〈見習い拳士LV1〉
〈見習い戦士LV1〉
〈見習い魔法使いLV25MAX〉
〈魔法使いLV50MAX〉
〈魔導士LV70MAX〉
〈火魔法使いLV1〉
〈水魔法使いLV1〉
〈風魔法使いLV1〉
〈土魔法使いLV1〉
〈契約魔法使いLV1〉
〈見習い料理人LV1〉
〈狩人LV1〉
〈従魔使いLV1〉
〈従僕LV1〉
〈英雄LV70MAX〉
称号
〈見習い剣士〉
〈剣士〉
〈熟練剣士〉
〈見習い魔法使い〉
〈魔法使い〉
〈魔導士〉
〈英雄〉
BP36
俺の方は、熟練剣士、魔導士、英雄の3つがMAXになった。
それぞれBPが10ずつ貰えたようだ。
新しく増えたジョブは〈見習い料理人〉〈従僕〉〈大英雄〉の3つ。
大英雄の条件は英雄LVMAXだろう。
料理人は剣聖の技術試しにリンゴの皮むきをしたのが理由。
では従僕は? 何故生えてきたのかはヨクワカラナイがリリにはもっと厳しくするべきなのだろうか?
BPの分配も考えておこう。
リリは後1Pで必要経験値8分の1が取得できるので放置。
俺は差し迫った脅威も特に無いので20Pの豪運と16Pの外套にしておく。
……さて、ようやく四層だ。
次こそはもっと効率の良い狩場がある事を願おう。




