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桜色の盾  作者: 白兎 龍
第一章 魔境
26/59

第25話 太古の迷宮《一層:森》

 




「グギャ!?」


 振り抜いた剣がハグトスリーダーの足を切り裂いた。


 ジタバタと暴れ逃げ出そうとするハグトスリーダー。

 しかし、執行者は俺じゃない。


 そいつは、のたうち回るリーダーに容赦無く牙を突き立てーー



 ーー噛みちぎった。



「ギャガッ」



 良く見ると、その鋭い牙は血の赤色に混じって仄かに黄緑色の光を放っている。


 そいつは此方に顔を向けると声を上げて飛び掛かってきた。



「キュー!」

「危ない」



 俺は半身を逸らす事でそれの突撃を回避した。


 地面に激突し、さめざめと泣きだすそれ。というかリリ。


 時刻は太陽が真上で燦々と輝く時間。


 そろそろ……リリの腹が鳴るかな?


 ーーきゅるる〜〜



「昼休憩だな」

「キュ!」



 用意していたリンゴもどきをリリに投げ渡した。





 朝目が覚めるとリリが少しだけが変わっていた。


 少しだけ牙と爪が鋭くなり、少しだけ鱗が硬くなり、少しだけ体色が鮮やかになり、少しだけ眼の色が黄色から黄緑色に変わっていた。


 鑑定して見ると、種族がリトルハイハグトスになっている。

 中身は変わらずのリリだったので、何の問題も無くリンゴもどきを3つ平らげた。


 それから、地図に従い森を進み、今は小規模なハグトスの群れを潰して回っている途中だ。



 リリは一昨日までは通常のハグトスにさえ牙を突き立てるのに難儀していたが、今ではリーダーの首を易々と食いちぎれる様になった。

 凄まじい成長スピードだ。


 魔力の使い方を覚えたのか、身軽に俺の周囲を動き回り非常に鬱陶しい。

 そのくせ直ぐにガス欠になり、サプスの実の消費量がマッハである。

 腹を下しても知らない。


 相変わらず小さくてバカではあるが、既に複数のハグトスを相手取って勝てる程度には強い。

 そしてサプスの実の消費量がマッハである。


 一向に腹を下したような様子は見せていない、こいつの胃袋はどうなっているのか。





 次の群れは移動中で、一番規模が小さい。

 ハグトス7匹とリーダー1匹の群れだ。


 これをリリと戦わせてみようと思う、リリはバカだが賢いからどうにか出来るだろう。



「リリ、あれ全部お前1人でやってみろ」

「キュア!?」



 しばらくキューキュー言っていたが期待しているぞ、と言うと渋々といった体で群れへと向かって行った。



 リリは先ず最初に木の上へと登った。

 奇襲を掛けるつもりだろう。


 木の上のリリは保護色となり、一目見ただけでは生き物がいるようには見えない。


 ハグトスリーダーがリリの真下まで来た所で、飛び掛かった。


 リリの奇襲は成功した。


 リーダーの頭に魔力が込められた爪が突き立てられ一撃で絶命。


 その後、襲撃に反応出来ていないハグトスを体当たりで吹き飛ばし、ついでと言わんばかりに近場のハグトスの首を噛みちぎる。

 吹き飛ばされたハグトスは仲間を2匹巻き込んで倒れ、事態にようやく気づいたハグトス達が警戒の声を上げた。


 その時点でリリは次の行動に移っていた。


 持ち前の素早さと小ささを利用し3匹の足元を潜り抜け、辻斬りの様に脚を斬り裂いて行く。

 そのままの流れで倒れている3匹に近付くと、1匹は頭を踏み抜き、残る2匹には爪を突き立てた。



 リリがゆっくり振り返ると其処には脚を斬り裂かれ逃げられない獲物が3匹、俎上の鯉とはこの事か。




 リリはもう単独で狩が出来る程には強くなった様だ。

 ただ、現状魔力量が少ないのがネックか。


 消耗も激しい様で、ぐったりしたまま眠りそうだ。


 癒しの手を発動してリリの頭を撫でる。



「良く頑張ったな、凄いぞ」

「キュ〜」



 ゆっくりとトドメを刺していたから余力があった様に見えたが、魔力を消耗し過ぎて意識が朦朧としていたのかもしれない。


 偶には昼寝も良いだろう。


 眼を閉じて寝息を立て始めたリリをそっと人撫でし木陰においておく。





 収納からサプスの実と幼魔の実を取り出し、良く見る。

 やはりサプスの実より幼魔の実の方が魔力が多いようだ。


 ボーナス武器の鋼の剣を出し、即席のまな板にして幼魔の実をすり潰す。

 続いて手套を外してすり潰した幼魔の実を入れる。手套は指ぬきなので縛っておく。


 中身の無いサプスの実を容器代わりに幼魔の実の汁を絞り出した。


 それらを良く見てみると、何故か果汁には魔力が殆ど入っておらず、絞りかすに多くの魔力が入っていた。


 失敗である。

 原因は直ぐに分かった、手套は桜色の魔力を濃く纏っていて、それがフィルターになって魔力を逃がさなかったのだろう。


 絞りかすは纏めてリリの口に入れて置いた。



 清浄化のお陰で手套も剣も直ぐに綺麗になったので、剣は返還し手套も装備し直す。



 この手の実験は器具が揃えばやって行きたいと思う。

 今後必要になる事もあるだろうからな。



 その後はリリが起きるまでずっとリリを撫でていた。



 

リトルハイハグトス リリ LV7

US

『■■の■■』

HS

『精神拡張』『吸収』

S

『能力強化』『魔力限界拡張』『体術』

LS

『治癒力向上』『魔力調節』『直感』


リリ〈魔物LV17〉♀0

2ジョブ〈蜥蜴LV17〉


変更可能ジョブ


BP2

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