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桜色の盾  作者: 白兎 龍
第一章 魔境
22/59

第21話 太古の迷宮

第四位階上位

 



 迷宮へ入る。


 長く暗い通路の先には、入り口と同じ形の出口の光が見える。




 出口を越えた先にはーー




 ーー草原が広がっていた。



 草原を照らすのは、曇一つない空に煌々と輝く大きな月。


 背後を振り替えれば、絶壁と大きな亀裂。



 地図をみると、そこは円形の世界。



 どうやらここが迷宮らしい。



 地図を詳しく見ると、【太古の迷宮:一層】とでた。

 今いる場所は迷宮の真南。


 適当に赤や青の光点を見て調べると、複数種の魔物がいることがわかった。

 しかし、LVは1~6くらいまでがほとんどで、一番LVの高い個体がハグトスリーダーの17、あとは殆どがLV10前後だ。


 地形は、南に草原、北に森、西に荒野、東に沼地、中央には岩場がある。

 色々と種類が多く、二層への入り口は中央の岩場にあるようだ。



 眠気はなく、疲れもない、自分の体が不思議で仕方がないが、今はそれがありがたい。



「急ぐに越したことは無いからな……」



 そう呟くと、獲物を目指して走り出した。





 最初の獲物は当然ハグトス。

 と言いたいところだが、この草原にはハグトスがまったくいないらしい。

 どうやら地上にいたハグトスは北の森から荒野か岩場か沼地を越えてきた連中のようだ。


 この草原には草食性の小さな哺乳類が多いが、どうやら判定の上では魔物ではないらしい



鼠 LV1

US

『■■の■■』


〈獣LV1〉♂2


変更可能ジョブ


BP0




 経験値がどれだけ入るかはわからないが、わざわざ土を掘り返してまで探す価値は無いだろう。

 尚、彼は子沢山な模様。


 ともあれ、俺は草原にいる数少ないハグトスの一匹へと向かっていた。

 直ぐ近くには鼠が複数いる、食事中だろうか?



 音も無く走る事しばらく。

 この迷宮は思っていた以上に広いらしい。


 恐らくは外の森と同じくらい、休まず走れば端から端まではおよそまる1日と言ったところか。


 最初の獲物まではもう少し。

 草原にいるハグトスは僅か8匹、他の個体は7匹で群を作っているが、この個体だけ単独行動だ。はぐれか?



ハグトス LV3

US

『■■の■■』

HS

『精神拡張』

LS

『治癒力向上』『魔力調節』『直感』


〈魔物LV2〉♀0

2ジョブ〈蜥蜴LV2〉


変更可能ジョブ


BP5




 鑑定で調べてみたんだが、こいつ……強い……のか?


 しばらく進むと、それは見えてきた。


 草原に伏せているから保護色で判りづらいが、周辺に鼠がうろちょろしているから間違い無いだろう。

 そいつは眠っているのか目を瞑っていた。


 ゆっくりと近付く。

 隠密というスキルが追加されているので、気付かれない筈だ。


 音も無く身を屈めて近付いて行くと、ハグトスが突然目を開いた。

 気付かれたかと思ったが、俺がいる方とは反対側をキョロキョロと見渡した後、また同じように地面に伏せた。目は開いている。


 恐らくは直感スキルで気配を察知したのだろうが、何故反対を向いたかはわからない。

 抜けているのか直感が曖昧なスキルなのか。


 どうあれ、もうすぐ近くまで接近している。



 すると、今度こそ正常に働いたらしい直感スキルで、ハグトスと目があった。

 彼我の距離は僅か数メートル。




 一瞬の硬直、そして……




「キュアァァーー!!???」



 ハグトスは物凄いスピードで跳ね起きると、足に魔力を込めて逃げ出した。



 面白い反応だったのでついつい眺めてしまっていた。


 数十メートル程逃げると一度此方を振り返り、俺が追いかけて来ない事に気付くと彼女は逃げるのを辞めた。



 此方をじーっと見詰めて来るハグトス。

 その瞳には警戒心、怯えがあるが、しかしどことなく好奇心が混じっている様に見える。


 ……今なら、ハグトスくらい剣が無くても狩れるだろう。

 俺は試しに剣を鞘に納めた。



 ハグトスの瞳から怯えの色が薄まった様な気がする。

 収納から幼魔の実を一つ取りだし、ハグトスと俺の真ん中くらいの場所に投げてみた。


 警戒しながらも、ゆっくりと近付いて来るハグトス。

 落ちている林檎モドキをかじる、いや、貪る。


 また、収納から林檎モドキを取りだし、真ん中に放る。


 心なしか早めに近付いて来て貪る。



 また、放る。



 走ってきて貪る。



 放る。



 貪る。



 足元に落とす。



 貪る。



「……」

「……? ……! ……キュ、キュァ……?」




 次の餌が出てこない事を疑問に思ったのか顔を上げたハグトスは、俺がいつの間にか目の前に居たことに驚いて硬直し、わざとらしく首をかしげて鳴いてみせた。


 取りあえず癒しの手を使って撫でる。

 頭が良いのか悪いのかわからない幼蜥蜴が堕ちるのは時間の問題だろう。





 撫でつつ手ずから幼魔の実を与えた。

 餌付けに成功したようで、すっかり警戒心をなくしてすり寄ってくる。


 撫で始めて僅か数秒後の出来事である。



 ピロリン♪



 何かが起きたらしい、鑑定してみる。



霊人 ミツキ LV4

US

『桜色の瞳』

『樹精霊の加護』

『女帝の親愛』

『ーーの加護』

『■■の■■』

HS

『身体強化』

S

『剣術』『隠密』『癒魔法』

LS

『魔力調節』


ミツキ〈英雄LV53〉男16

2ジョブ〈熟練剣士LV50〉

3ジョブ〈魔導士LV50〉


変更可能ジョブ

〈村人LV5〉

〈見習い剣士LV25MAX〉

〈剣士LV50MAX〉

〈剣聖LV1〉

〈見習い拳士LV1〉

〈見習い戦士LV1〉

〈見習い魔法使いLV25MAX〉

〈魔法使いLV50MAX〉

〈大魔導士LV1〉

〈火魔法使いLV1〉

〈水魔法使いLV1〉

〈風魔法使いLV1〉

〈土魔法使いLV1〉

〈契約魔法使いLV1〉

〈魔法剣士LV1〉

〈狩人LV1〉


称号

〈見習い剣士〉

〈剣士〉

〈見習い魔法使い〉

〈魔法使い〉


BP6




 新しく契約魔法使いが増えている、能力は。




〈契約魔法使い〉

其れは古の力。


魔法


契約刻印

隷属刻印

契約解除

隷属解除




 契約刻印は紙に書いた内容を契約する。

 魔力消費量は罰の大きさ次第。両者の新鮮な血が必要。


 隷属刻印は隷属させる対象の何処かに刻まれる。

 魔力消費量は対象の抵抗力次第。主の新鮮な血が必要。


 解除はそれぞれの新鮮な血と同意が必要、魔力消費量はそれぞれの抵抗力次第。




 早速メインジョブを契約魔法使いに変えた。

 使うのは隷属刻印。


 丁度良く腹を向けて転がっているのでそこに刻印する。


 聖剣で指先を少し切り、ハグトスの腹に血を垂らした。


 目を瞑ってキューキュー唸っていたハグトスは、お腹に奇妙な感覚を感じた様で、目を開くとピキッと固まった。


 そんなことは置いておいて、聖剣を鞘にしまう。



「隷属刻印」



 無詠唱を取得済みだから魔法名を声に出す必要は無いが、一応唱えておく。


 桜色の瞳で見ると、俺の魔力が血の周辺に集まり、渦を巻き、徐々に何かの形を作っていく。

 最終的にそれは、円形の絵になり終息した。


 絵は桜の花弁の様な物で所々隠れている、刀を持った俺の様な少年の絵。

 どのような原理でそうなったのかは分からないが取りあえず良しとする。


 試しに命令をしてみる。



「おて」

「キュア!」


「おかわり」

「キュア!」


「空飛べ」

「キュ!?」



 どうやら上手く行ったらしい。


 ピョンピョンと跳ねて唸っているハグトスを見ながら、俺はそう思った。



 

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