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【番外編】

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 ひとしきり泣いて、少し落ち着きを取り戻した頃。

 私は腫れぼったい目をこすりながら、サトル様とすみさんに向き直った。

 どうしても確認しておかなければならないことがあったからだ。


「ねえ、サトルん、すみさん。……あいつは、白面金毛九尾は、本当に消滅したの? また別の誰かに生まれ変わったり、転生したりする可能性は……ないの?」


 私の問いに、すみさんが静かに首を横に振った。


「その心配はありません、レイさん。奴が転生タイプの異能として復活することは、物理的に不可能です」

「どうして? あんなに強大な力を持っていたのに」

「強大すぎるからです」


 すみさんは淡々と、しかし確信を持って説明する。


「あれほどの質量を持った妖魔を受け入れるには、それ相応の『器』が必要です。現代において、白面を受け止めきれるほどの霊的キャパシティを持っているのは、貴女だけです」

「私……だけ?」

「ええ。私やサトル君では、器が小さすぎて耐えきれません。瞬時に精神が崩壊するか、肉体が弾け飛ぶでしょう。……貴女が拒絶した今、奴が宿るべき場所は、この地上には存在しないのです」


 行き場を失った強大なエネルギーは、霧散するしかない。

 つまり、白面金毛九尾は完全消滅したということだ。

 理屈は分かった。

 頭では理解できた。

 けれど、胸の奥に巣食う黒い不安は、まだ消えてくれない。


「……そっか。よかった……」


 私は安堵の息を吐きつつ、自分の掌を見つめる。

 そこにはまだ、あのドス黒い感覚がこびりついているような気がした。


「でも、怖い……」

「レイ?」


 サトル様が怪訝そうに顔を覗き込んでくる。

 私は震える声で、正直な気持ちを吐露した。


「私、今回のことで『呪力』という概念を覚えてしまった。人の負の感情が、どれほど恐ろしい力になるのかを肌で感じてしまったの」

「……ああ」

「私、心が弱いから……。もしサトルんが死んだりしたら、その悲しみや憎しみで、私自身が悪霊になってしまうんじゃないかって……。白面がいなくなっても、私が第二の怪物になってしまうんじゃないかって……」


 想像するだけで、足がすくむ。

 最愛の人を失った絶望で、世界を呪う怨霊になり果てる未来。

 それが何よりも恐ろしかった。


 ガシッ。


 不意に、サトル様が私の両肩を強く掴んだ。

 顔を上げると、真剣な眼差しが私を射抜いていた。


「大丈夫だ」

「え……?」

「俺は死なない」


 サトル様は、揺るぎない声で断言する。


「お前が死ぬのをこの目で見届けてからじゃないと、俺は死なない。絶対にだ。だから、お前が一人で残されて、悪霊になるなんて未来はありえない」

「サトルん……」


 それは、どんな愛の言葉よりも力強い、魂の契約だった。

 私が迷わないように、私が寂しくないように、最期まで守り抜くという誓い。


「だから、安心しろ。俺がずっとそばにいてやる」

「……うん。……ありがとう、サトルん」


 胸いっぱいに広がる愛おしさが、不安を溶かしていく。

 私は爪先立ちになり、彼の首に腕を回した。


「愛してる……」

「ああ。俺もだ、レイたん」


 互いの唇が重なる。

 硝煙と血の匂いが残る戦場跡で、私たちは確かめ合うように、長く、甘い口付けを交わした。

 そこにはもう、恐怖も呪いも入り込む隙間など、これっぽっちも残されてはいなかった。

【おしらせ】

※2/13(金)


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