荒れ狂う山の神
サトル様が、私たちを守ってくださった……!
ああ、サトル様……。彼がそばにいるだけで、心の霧が晴れていく。
野槌を前に、どうしたらいいかわからず途方に暮れていた私に、一筋の希望の光が差し込んだ。
「れいたん、待たせたな」
「いえ。家嗣さまは……?」
「追い払ったよ」
「そうですかっ」
サトル様なら、どんな試練もきっと乗り越えられると、私は信じていた。
「うちもおったしな」
「幸子ちゃん!」
「いえーす! この作品のメインヒロイン、ザシキワラシの幸子ちゃんでごわす」
幸子ちゃんが両手でピースサインを作り、ぶいっと決める。
「神作家コミックス6巻、6月25日発売。よろしくな」
誰に向けたんだか、何の話なんだかさっぱりだ。
でも、それでいい。いつもの幸子ちゃんがそこにいる。
そして……いつも隣にいる、あの男性がいる。
なら、もう私たちは大丈夫だ。
「【百目】」
私は百春さまの異能を借りて、野槌の体をさらに詳細に分析する。
「れいたんが分析している間、俺たちは敵の攻撃を防ぐ」
サトル様が見据える先には、野槌がいる。
野槌の体から、ぼっ……! と巨大な肉塊が凄まじい速度で飛んできた。
肉体の一部を飛ばして、こちらを攻撃してくる。
「お任せあれ」
真紅郎さんが血で刃を作り、飛んできた肉塊を細かく切り刻む。
サトル様も結界を砕き、その破片を射出して応戦。
さらに細分化された肉片を、ひのわさんが爆破して木っ端微塵にした。
「よし、いくぞ、おまえら!」
「「おう!」」




