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荒れ狂う山の神


 三人の異能者による、合同作戦が始まった。

 ひのわさんと真紅郎さんが異能を駆使し、野槌と化した山の神をぶつ切りにする。


 そして、その切り刻まれた肉塊を、饕餮タオさんが異空間に吸い込むという作戦だ。


「ぜえ……ぜえ……ぜえ……」

『ひのわ……無茶すんなや!』


 ひのわさんの霊力量が落ち込んでいるのに、私はすぐに気づいた。

 異能の行使には霊力――つまり魂の力を使う。

 それが尽きるほど、精神にも大きな負荷がかかる。


 さっきから何度も、ひのわさんは爆発を起こしている。

 当然、霊力の消費スピードは尋常じゃない。


 でも……大丈夫。


 私は右手をひのわさんに向ける。

 彼女の霊力量が一気に回復していく。


「これは……レイの霊力?」

『あの嬢ちゃん、自分で異能を使いながら、ひのわに霊力を付与しとる……』


 日車さんが、呆れたような口調で言う。


「それってさ……霊力の消費、ヤバくない?」

『せやな。普通なら即ぶっ倒れるで。まして霊源解放れいげんかいほうしとる最中や』


 タオさんを顕現しているだけで、霊力はかなり削られていく。

 けれど、私はまったく疲弊していなかった。精神の摩耗すら感じない。


「ほんと規格外ね……」

『陰陽の力やろうな』


 そう、私はサトル様とたっぷりと――陰陽を行った。

 そのおかげで、いつも以上の霊力が体内を循環し、出力すら向上している。


 バッ……! と、ひのわさんがさらに火薬の触手を増やす。


「ちょ、待って!? こんなに異能って増やせるの!?」

『霊力量を回復させるだけやなくて、出力まで底上げしとるんやろな……』


「そ、そんな芸当が……」

『霊力を他者に付与するだけでも高度やのに、ザシキワラシの異能でパワーアップまで加えとるわ』


「つまり……どういうこと?」

『まとめるとやな――

 1.饕餮タオさんの霊源解放。

 2.霊力を他者に供給。

 3.ザシキワラシの異能で出力強化。

 4.ぬえ模倣コピーで空中移動中。

 3つの異能を同時展開しながら、さらに+αをやっとる』


「……それって、もはやマルチタスクってレベルじゃないわよ!?」

『正直、あれで脳が焼き切れてへんのが不思議や……あんな異能者、見たことない……怖……』


 怖がられてしまった。

 でも、それでいい。


 私がしくじって、この極東の地を失うくらいなら――


 私は、喜んでバケモノになろう。

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