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【Side】一条 家嗣《いえつぐ》
くそ、くそ、くそっ……!
ふざけやがって!
なんで、どうして……どうして俺が、悟なんかに負ける!?
あの結界師に、守美の息子に……この俺が、負けるだと!?
ありえねえ……結界を素通りできる、この俺が、どうして敗けるってんだよ!?
俺は奴らの弱点を知っている。
結界師ってのは、結界を張ることに全力を割く。つまり、直接の戦闘能力はゼロ。
それなら、体を鍛えている分、俺の方が――絶対に有利なはずだったんだ!
……誤算だった。まさかあいつらが、こんなに強くなっていやがるなんて。
ここで悟を殺すつもりだった。
あの忌々しい一条家に、俺の復讐を叩きつけるはずだったんだ!
悟を殺し、レイを生け捕りにし、守美に絶望を味わわせる。
それが――俺の復讐計画だったのに!
ちくしょう……!
霊亀を奪ったあの女も、その息子も、この手で滅ぼしてやりたかったのに!
くそっ……くそっ……ちくしょおおおおおお!!!
だがな……一条家、聞いていろ。俺はまだ、終わっちゃいねえ。
悟が強くなってるっていうなら……俺だって、強くなればいいだけの話だ!
絶対に、見てろよ。
一条家……俺が這い上がって、お前らを地の底に叩き落としてやる!




