【Side】一条 悟 6
……家嗣との戦闘で、失血死しかけている俺の元に現れたのは、愛するれいたんの妖魔・幸子。
「いえーい、いとしのハニーが、あらわれたよーん。もうだいじょうぶだよーん」
……幸運を司る妖魔を、俺の元に残してくれた。多分、レイの計らいだろう。
こいつが居れば、俺が運悪く死ぬということはなくなる。
「まったく……れいたんは本当に、すごい。こうなることを予測し、ザシキワラシをはけんしておくとは……」
「でしょでしょ、ほめてちょ」
「ああ、レイはすごい……」
「もう、うちをほめれ」
ぺんぺんぺん、と幸子が俺の顔を叩いてくる。
「やめろ。けが人だ」
「怪我なんぞ、うちが治してやったわい」
「なんだと……?」
俺は自分の腕を見やる。
家嗣につけられた、ナイフの傷が綺麗に塞がっていた。
「まさか……呪禁?」
「いえーす。幸子ちゃんも、使えちゃうんだなぁ、異能の奥義である呪禁が」
……女が呪禁を使うのは、難しいとされているのに。
レイに続いて、幸子までが、呪禁を使えるとは……。
「いったいどうして……?」
「れいのぜんせ、うちだから」
「は……? 冗談だろう」
「うふふふのふ。こーちゃん→さっちゃん→れいたん……うふふ」
謎の呪文を唱える幸子……。
こんな知性のかけらも感じさせない女が、俺の愛する女の前世……?
ありえん。だが……レイは転生型の異能者だった。
妖魔を前世に持つ異能者ということ。
……まさか。いやいや。
「おまえが仮に、レイの前世だとしたら、どうしておまえは今ここにいるんだ?」
幸子がレイの前世だとしたら、こいつが今ここで実態があること事態おかしいだろう。
「ひみちゅ♡」
「………………」
「どくしゃのごそーぞーにおまかせり」
「……ああ、そう」




