204/265
信濃の国
「また虫怪ね。やっかいだわ」
なもなき虫の妖魔の群れが、こちらに押し寄せてくる。
しかも今回厄介なことがある。
「はい、体液に人体に有害な毒を含むようですしね」
「え!? な、なんでそんなのわかるのよ?」
「? 幸子ちゃんが教えてくれましたけど」
ひのわさんの頭の上に、いつのまにか、可愛らしい童女が乗っていた。
「妖魔博士とはわれのことなり」
「それは武良水木のことでしょう?」
「ぬふふふ、うちも彼と同じチーターですゆえな」
ちーたー?
「うちには、わかるんだなこれが。妖魔ですけん」
「な、なるほど。でもじゃあどーすんのよ? 倒すわけにはいかないんでしょ」
倒すと毒液が散布される。
しかも数の多い相手。さっきみたいに、ひのわさんや真紅郎さんが、異能で倒すわけにはいかない。
「タオ、いける」
「わかりました。なら……」
私は手を前に差し出す。
「【タオさん】【つぐみ】さん!」




