表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/265

信濃の国


 濃い陰の気が、信濃のなかで発生してる。


 さらに発生した気が、外に拡散していかない。


「四方を山で囲まれてる関係もあるようですね」


 と、真紅郎さんが、眷属から得た情報を、私たちに共有する。


「山で囲われてると、陰の気は拡散しないんですか?」

「ええ。お盆を想像してみてください。中に水を入れると、底に貯まるでしょう?」


 言われてみると、確かに……。

 陰の気は貯まっていくか……。


 その貯まった陰の気が山の怪に変化しているのか……。


「それにしても、この陰の気は異常だな。常人なら卒倒してるだろう……」


 ちら、とサトル様が私を見やる。


「あたしは女だし、異能者として訓練してるから、ある程度の陰の気への耐性はあるけど……」


 ちら、とひのわさんが私を見やる。


わたくしも常人ではありませぬゆえ……」

 

 ちら、と真紅郎さんも私を見やる。

 ……三人の注目が、私に集まる。えとえと……。


「どうしたんですか……?」

「「「いや、うん……」」」


 なんだか皆さん、私を凝視してるような……。

 何かオカシナものを見る目で見てるような……。


「レイってまじ何者なのかしらね」

「俺も、れいたんが可愛いってことしかわからん」

「お嬢様は特別なのでしょう」


 皆さんが不思議がってる。私も……自分が何者なのだろうって思うときが多々ある。

 でも……私は一つ確かな答えを持っている。

 多くを救うために、この多くの力を持って、生まれてきた女なのだと。


「まあれいたんの正体が何者だろうと関係ない」

 

 サトル様が近づいてきて、チュッ……と頬にキスをする。


「れいたんはれいたん。俺の女だ」

「さとるん……」


 ああ、駄目だ。つい……彼に寄りかかってしまいそうになる。

 でも……今は駄目。


「いきましょう。山の神が、待ってます」

「そうだな」


 私たちがうなずき合う。


「で、山の神ってどこにいるわけ? 信濃にいるって聞いたけども」

「幸子ちゃん、何か知ってる……?」


 ぽんっ、と私の前にザシキワラシの幸子ちゃんが現れる。


「んも~。また幸子さんの出番ですか? うちはお助けあおだぬきじゃあないんですよ?」


 って言いながらも、頼られてまんざらでもない様子の幸子ちゃん。

 お助け青だぬきってなんだろう……。


「信濃の北部、北信って呼ばれる場所に、大きな廃寺ある。そこに山の神住んでるなり!」


 何でも知ってる幸子ちゃん。やっぱり凄いなぁ。


「廃寺なんかに神がどうしてすんでるのよ?」

「なんか、居心地よいとか」

「ふぅん……寺とか神社ってパワースポット……神有地しゆうちが多いものね。だから住んでるのかしら」

「多分ね。うちもレイの側、居心地良いし」


 幸子ちゃんがスリスリと頬ずりしている。可愛い……。

 って? え?


「どういうこと? 居心地良いって」

「れいはほら、歩く神有地しゆうちみちたいなもんだからさ」


「歩く神有地しゆうち!? どういうこと!?」


 幸子ちゃんがにんまりと笑う。

 すぅう……と消えてしまった。


「意味深なことだけ言って消えちゃいました……」

「あのおちびこそ、何者なのよ。レイと同じくらい謎なんですけど」


『ふふふ、しーくれっと、めいくす、あ、うーまんうーまん』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>常人なら即答してるだろう 試験かクイズ大会でもやってるんですか?
>お助けあおだぬき ( ̄▽ ̄;)ドラ○もん?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ