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山の上の戦い


 ひのわさんも、真紅郎さんも、とても強い異能者なのだと、改めて実感した。

 

「れいたん」


 サトル様が少しむくれてるご様子だ。


「どうしたんですか?」

「真紅郎たちをすごいと思ってるんだろ?」

「ええ、それが?」


 サトル様はぎゅ、と私を抱きしめる。


 えっと……?

 つまりどういうことなんだろうか。


「悟のやつ、自分だけレイに褒めてもらってないから、拗ねてんのよ」

「そういうことだ。俺も褒めて欲しいのだ」


 子供か、この人。でも、そんな子供っぽいところも、とても愛おしい。


「山の神を助け出したら、いっぱい褒めてあげますよ」

「ほんとか! よし、すぐいこう、助けに」


 サトル様は、普段とても凛々しい。

 けれど、私にだけ、隙を見せてくださる。


 そんな彼を可愛いと思い、愛おしい気持ちでいっぱいになる。


「レイいいいいいいい!」


 ひのわさんが叫ぶ。え、どうしたんだろう?


「あんた! また霊力が跳ね上がってるわよぉ!」


 そんな、ただサトル様に思いを馳せていただけなのにっ。

 またしても、霊力を暴走させてしまってた!


「タオさん!」


 ぽんっ、と饕餮とうてつのタオさんが私の前に現れる。


「めぇ……」


 タオさんの顔色が、なんだかすぐれないように見えた。

 

「どうしたんですか?」

「めぇー」


 ぷるぷる、とタオさんが首を横にふる。

 なにかが、嫌なのかな?

 もしかして……


「霊力、もう食べれないってことですか?」

「んめぇー」


 こんとうなずく、タオさん。そっか、さっきからいっぱい食べていただいてる。

 お腹いっぱいになったということか。


「ごめんなさいね、タオさん。大事です。無理に食べなくても」

「めぇー……」


 しょぼくれてる。たぶん、申し訳なく思ってるんだろうな。


「謝らなくて大丈夫ですよ。むしろ、こちらが迷惑かけてすみません」

「めぇ」


 またもプルプル首を横に振る。迷惑だなんて思ってなさそうだ。


「レイー! 仲良く妖魔と会話する前に! 霊力どうにかして!」


 そうだったっ!

 でも、どうしよう。タオさんはもういっぱいいっぱいだし……


「おこまりの、よーですな」

「幸子ちゃんっ」

「そう、困った時のお助けマンこと、幸子ちゃんです」

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