久しぶりのイチャイチャ 6
ややあって。
「「大変ご迷惑をおかけしました……」」
私とサトル様は並んで頭を下げる。
「とんでもない霊力のほとばしりだったわね……」
『もはや兵器レベルや……』
さっきので、周囲一帯の木々が吹っ飛んでしまったのだ。
「それにしても、お嬢様の呪禁は見事でございました。まさか、吹き飛んだ木々を再生してしまうとは」
「なんとなく、できるかなって思ったんです木も生き物ですから」
「その発想力は、お見事ですね。発想力は」
「うう……すみません……」
真紅郎さんが笑顔の裏で、怒ってるのがわかる……。
「真紅郎。れいたんを叱るんじゃあない。悪いのは俺だ。俺の結界が脆弱だったがゆえに……」
「いえ! さとるんのせいじゃあないです! 私が無駄に霊力を出しすぎてしまったから……」
「れいたん……」
「さとるん……」
にっこり、と真紅郎さんが笑う。
「ほんとに反省してるんですか?」
「「はひ……」」
真紅郎さん怖い……。
「二人はこのように反省してるようですが、いかがいたしますか?」
蛟さまと、ひのわさんに、真紅郎さんが尋ねる。
「まあいいんじゃあない? 悪気はなかっただろうし」
「おらも神域治してもらったし、別に気にしてないだに」
小毬カッパたちもこくこくとうなずいてる。皆さん……お優しい……。
「それにしても、これは困りましたね。霊力がダダ漏れだ」
いまだ私の霊力は、私の体から無限に沸いている。
「こんな状態では、敵陣にいってすぐにレイお嬢様の居場所がわかってしまいます」
山の神を救出するのが今回のミッションだ。
でもこの状態の私がいけば、敵から集中砲火を浴びて、ミッションどころではなくなる。
「わ、私がおとりになれば、逆にやりやすいのでは……?」
「「「駄目に決まってるでしょ(だろう)?」」」
サトル様、真紅郎さん、ひのわさんに、否定された。
「レイはだいじな友達なんだし、おとりなんてさせられないわよ」
なんて優しいかただろう。
私がひのわさんに近づいて、感謝のハグをしようとする。
「た、たんま。その霊力出っぱなし状態でくっつかれたら、日車が滅されるからやめてまじで」
しかし、どうしよう。霊力をセーブする方法がわからない。
「おこまりのよーですな」
「幸子ちゃんっ」
いつの間にか姿を消していた、幸子ちゃんが、目の前に現れたのである。
「タオ、かもーん」
ぽんっ、と一匹の羊が現れる。
「めえ……」
私の体内妖魔のひとり、饕餮のタオさんだ。
幸子ちゃんはタオさんの上に乗っかる。
「レイのれーりょく、ぱっくんちょして」
「めえ」
タオさんが鳴くと、あふれ出ていた霊力が徐々に消えていく。
「なるほど……饕餮にレイの霊力を食わせたのね」
タオさんが「けぷ……」と可愛らしいげっぷをする。
「ありがとうございます、タオさん」
「めえ……」
すぅ……とタオさんが消える。
あとには幸子ちゃんだけが残された。
「これにて、しゅぎょーへん終わり。いよいよ、霊道を通って、山の神をきゅーしゅつにむかうのじゃ」
「なんであんたが仕切ってんのよ……」
「前作主人公は強キャラって、そうばがきまってんだなこれが」
「さっぱり理解できないわあんたの言ってること……」
ひのわさんが呆れた様子で、ツッコミを入れるのだった。




