久しぶりのイチャイチャ 4
それからしばらくの後。
サトル様は、両手で顔を覆っていた。
「どうさなったのですか?」
「男として情けない……先に気を失ってしまうなんて……」
本気で落ち込んでいるご様子。
確かに、先にサトル様は体力を失って、眠ってしまったけど……。
「それのどこが情けないのですか? さとるんはいつだって、かっこいいですよ?」
「れいたんは優しいな。本当に」
でも……そんな落ち込むようなことなんだろうか。先に眠ってしまうことが。
疲れたら眠る。それは当たり前の反応だと思うのだけど……。
「女のれいたんに、この情けない気持ちはわからない……!」
「そんな……! どうやったらわかるようになりますか? 私……さとるんの全部わかりたいです!」
「ありがとう……でも無理なんだ……男じゃないから」
「そ、そうですか……残念……」
女の私では理解できないと、割り切るしかないか……。残念……。
「それにしても……本当に大丈夫なのかな? 俺たち、こんなとこでイチャイチャしても。正直、かなり長い時間混じり合いをしていたが……」
「大丈夫ですよ。神域の中は、外と流れる時間の速度が異なりますので」
私がこの神域を構築したから、それがよくわかる。
長くイチャイチャしてたけど、でも外じゃそんなに長い時間が経過していないのだ。
「説明を事前に受けてはいたし、君の力を疑っている訳じゃあないが……改めて、神域とは凄いものなんだな」
サトル様には神域のことについて、事前に情報共有してる。
でなければ、非常事態だというのに、イチャイチャなんてしていない。
「なんだったら、もう少しイチャイチャしても……」
「いや、もう十分だろう? うんうん」
「そうですか……」
確かに今は非常事態なんだ。
これ以上の過度ないちゃつきは、全てを終えて、家に帰ってからにしておこう。
サトル様はお着替えなさる。そして、ふと言う。
「なんだか俺、前より強く異能が使えるような気がする」
「それは、神域のバフを受けてるからでしょうね」
「ああ、そうか。ひのわも確か、レイのバフのおかげで、霊源解放ができていたんだっけな」
私の神域効果によって、異能者はより上手に異能が使えるようになるらしい。
「待てよ……ならもしかして……」
サトル様が虚空に向かって手を伸ばす。
そして、何かを引き抜く動作をする。
すると、彼の手の中に、霊剣が握られていた。
私の霊廟を、彼が具現化して見せたのである。
「おお、できた」
「凄いです! キスしなくても、霊剣が取り出せるようになるなんて……」
「れいたんのおかげだな。バフと、それに前に言っていた異能は心の高ぶりによって強くなると言う……って、れいたん? どうした? そんながっかりした顔をして」
か、顔に出ていたようだ……。うう……どうして私って、すぐ顔に出てしまうんだろう。
「れいたん、何を……あ! まさか……もうこれで、霊剣を取り出すときに、キスをしなくてすむようになってしまった……と。がっかりしてるんだな!」
「うう……声に出さないでください……」
キスする機会が減ってしまうと思って、がっかりしてしまったのだ。
「ああ、れいたん! 君はなんて可愛いんだ……!」
サトル様が私をぎゅっと抱きしめる。
またサトル様が私を揶揄ってる。もう……。
「本当に好きなんですね」
「ああ、れいたんのことが宇宙一好きだからな」
「違いますよ……もう……ばか……」
サトル様は微笑むと、私にキスをする。
「さて、れいたん。霊力の補充はOKかな?」
「はいっ。十分です!」
神域を使ったことで、霊力切れを起こしていた。
でもサトル様と陰陽をしたことで、私の体には霊力が満ちている。
「俺も今までに無いくらい、絶好調だ。さぁ……いこうか」
着替えたサトル様が、同じく、着替えた私の手を取る。
私たちは部屋の外へと出るのだった。




