【Side】蛟《みずち》
……おらは夢でも見てるんだろうか。
レイちゃんが、神域を、完成させた。まあ、これはいい。
彼女が稀代の超天才異能者であることは、わかっていただに。
守美に匹敵するほどの、逸材だから。
……けれど、彼女は他人の神域を構築して見せた。
わけが、わからない。
彼女は、もう天才なんてレベルをとうに越えてる。
規格外。異常。異端。そんな言葉でしか、彼女を表現できない。
一体どこのだれが、他人の心の中を、完璧に再現できるのだというのか。
彼女のやったことは、初めて会った、話したこともない相手の思い出の場所を、スケッチブックに書き出すような所業だに。
……何者なんだに、彼女は。
あんな可愛い顔をした少女が、おらには正体不明な、巨大な化け物にみえてしまった。
本来なら怯えてしまうだろう。
けれど、そうさせないのは、彼女の人となりのなせるわざだに。
普通、あれだけ桁外れの力を持っていたら、どこか心がいびつになってしまう。
増長したり、あるいは、自分の力に怯えてしまったりするだろう。
けれど、彼女は違う。
その大きすぎる力を持ちながら、力を困っている人のために使っていた。
何の見返りも無く、である。それどころか、他人の面倒まで見る。
なんて女性だ。
いや、人じゃあないのかもしれない。
おらたち、神霊に近い……いや、天界にすむという天つ神なのかもしれない。
いずれにせよ、人間の世界にいていい存在じゃあない……。
白面が狙うのもうなずける。彼女を手に入れるということはつまり、天つ神の御力を身につけるのと同義。
おらとしては……可愛いいレイを、白面に取られるのは嫌だに。
確かにレイはヤバい存在。けれど、おらはレイのことが大好きだに。
強くて、優しいあの子を、おらは守りたい。どうしたら、守れるだろうか……。
うぅん、おらはここから離れるわけにはいかないし……。
あ、そうだに。
良いこと考えた。小毬カッパを、彼女についていかせよう。
それがいい。そうすれば、遠く離れてても、レイの動向を知ることができる。
何かあれば、小毬カッパを経由して守ることができる!
おらは……天才かもしれない。
よし、さっそく小毬カッパに話を通しておこう。




