強くなるための訓練 1
幸子ちゃん相手に、異能の訓練をしてるひのわ様……ううん、ひのわさん。
「ちくしょー! 逃げんなー!」
ひのわ様が作り出す、黒色火薬の尻尾を、幸子ちゃんがひょいひょいっと避ける。
……いや、違う。避けていない。
「ぱりぽり……せんべーうまー」
幸子ちゃんは地面に寝転がって、お煎餅を食べてるのだ。
とても余裕そう……。
これだけ余裕ぶっていても、しかし、ひのわさんの攻撃が彼女に当たることはない。
幸子ちゃんの異能……運命操作の能力が発動しているから。
「どーなってんのよあれぇ!」
「幸子ちゃんは、運を操作できるんです。攻撃が当たらないというラッキーを、何度も引き起こしてるんです」
「なにそれズルじゃん!」
ちっちっち、と幸子ちゃんが指を振る。
「ズルじゃない。チート。わいはチートや、チーターや」
ちー……たー……?
「何言ってるのかわっかないし! うざいし!」
「幸子ちゃんたまに変なこと言うんで、あんまり気にしないほうがいいですよ。意味がないことですので」
ふっ、と幸子ちゃんが不敵に笑う。
「こっちでもうちは、言ってること理解されない。孤独。孤高。かっこいい」
はぁ……とひのわさんが大きくため息をつく。
「あたしどうすりゃいいんだろ……」
「体内妖魔と、仲良くなるのはどうでしょう?」
「仲良くって……なんでよ」
「真名を知れば、一段階上の異能が使えるようになりますので」
真名は妖魔にとって大切なもの。
他人には絶対におしえないものなのだ。だから、友達になる必要がある。
「一段階上の異能……使いたいけど、妖魔と仲良くなるって一体どうすれば……」
「おしゃべりするのが一番ですかね」
「しゃべる……どうやって?」
「霊廟のなかで、体内妖魔に会うのがいいかと」
「いやいやいや……」
ひのわさんが首を横に振る。
「レイ、霊廟のなかには簡単には入れないのよ」
「そうなんですか?」
「そーよ……。つーか、どうやってあんたは中に入ったの?」
「なんか、ぬるっと」
「はぁ……これが天才か……」
そんな、天才ではない。本当に気づいたら、霊廟のなかにいたのだ。
意図して入ったわけでもない。
だから説明できない。私にできることといえば……
「多分、幸子ちゃんなら入り方知ってるかもです」
「ほんとに~?」
ひのわさんが疑いのまなざしを、幸子ちゃんに向けている。
フッ……と幸子ちゃんが笑う。
「うち、知ってる」
「じゃあさっさとおしえなさいよ」
ちちちっ、と幸子ちゃんが指を振る。
「それが人にものをたのむたいどかね?」
「むっかつくわこいつぅ~~~~~~~~~~~~~~~~!」
私はひのわさんをなだめる。
「でも幸子ちゃんの言うとおりです。人に物を頼むときは、ちゃんと誠意をもって接しないと」
「誠意って……どうすればいいのよ」
幸子ちゃんが縁側に座る。
「ん~? なんだか肩が、こってきたなぁ~」
「こいつぅ……! 肩揉めっていうの!?」
「いや、うちはただ肩がこったって言っただけ~」
「きー! 揉めば良いんでしょぉ?!」
が、がんばって……ひのわさんっ。
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