水の神霊 3
蛟さまから、今後どうしたいのか、考えることだと助言を得た。
これからどうしたいんだろう。
この力を持って、わたしは……。
そのときだった。
「ごしゅじんさま~。たいへんたいへーん」
小毬カッパたちが、蛟さまのもとへやってくる。
複数匹のカッパ達が、1匹のカッパを運んできた。
その子は、とても苦しそうにしていた。
蛟さまは起き上がって、その苦しそうなカッパの元へ行く。
「大丈夫かや!? 一体何があったんだに!」
「わかんない」「なんかきゅうにたおれて……」
蛟さまがカッパに手をやる。
「! 呪毒……体の中から、呪いの気配がするだに」
「呪い!? 一体だれが……? なんのために……」
「わからないだに。ただ、一つ言えるのは、このカッパの体の中に流れる水に、呪いの毒が融けてるということだに」
呪いの毒が融けてる……。
つまり、カッパさんは呪毒を飲んでしまったってこと……?
「すぐに毒を取り除かないと!」
わたしは呪禁で、カッパさんから、毒を取り除こうとする。が……。
「れいたん、やめておけ。カッパを滅してしまう」
「どうしてですか……?」
サトル様が説明する。
「呪禁は、陽の気を他者にアウトプットすることで、傷を癒やす。が、陽の気は妖魔にとっては猛毒だ。このか弱い存在達は、陽の気を浴びた瞬間に滅されるだろう」
妖魔の体は、陰の気でできてるとうかがった。
その真逆の力である、陽の気は、彼らを滅する力なのだ。
「そんな……じゃあ、妖魔を呪禁で治すことはできないってことですか?」
「そうだな」
「どうすれば治せるんですか?」
サトル様が首を横に振る。
真紅郎さんが神妙な面持ちで言う。
「妖魔を癒やす術など、ありません。極東の異能者たちにとって、妖魔は敵。滅すべき相手なのです。倒し方は心得ていても、その逆の治し方は知らないのです」
……そんな。
この間にも、小毬カッパは苦しんでいる。
体の色がどんどんと変わっていく。
「なにか……なにか方法はないんですか!?」
サトル様も、真紅郎さんも、何も答えない。
異能者である彼らは、妖魔を治すすべを、本当に知らないんだ。
「蛟さま!」
「……しょうがない。これも自然の摂理だ」
蛟さまは、諦めようとしている。お仲間のカッパ達が、しくしくと涙を流してる。
……そんな。
ずきり、と心が痛んだ。涙を流すカッパ達を見て……。
私は、なんとかしたいと強く思った。
私に美味しいお寿司を作ってくれた、この、可愛い命を。
助けたいって、そう思う。
『本当にお主は慈悲深い娘だな』
そのとき、私の頭の中に、年老いた男性の声が響き渡る。いや、この声は……。
「タオさん!」
私の体内妖魔のひとり、饕餮のタオさんの声だ。
『レイ。この小妖魔を、助けたいのだな?』
「はいっ」
私は、即答した。このカッパを、妖魔を、助けたい。
助ける、という選択を、取った。
『ならば、我が真名を用いて、異能を使うと良い』
饕餮さんの異能は、万物を食らうこと。
異空間に穴を開けて、モノを吸い込むことができた。(異能殺しはその能力の一端)
妖魔には真名が存在する。真名を呼ぶことで、さらに異能は強化される。そうか……!
「【タオ】さん! 力を、貸してください!」
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