二人の女子 1
迷い家のなかを、進んでいく私と幸子ちゃん。
幸子ちゃんは私が抱きかかえている。
羽のように軽いので、特に負担は感じない。
「れい。あっち」
幸子ちゃんが右の通路を指さす。
「つぎ、こっち」
今度は左の通路。
「このかけじくのうら」
「かけじくの裏……わ、ほんとうに通路があった」
こんな感じで、私は幸子ちゃんの指示された方向へと進んでいく。
……進んでいった先に何があるのかわからない。
でも、幸子ちゃんが悪いことするような子じゃあないことは、私が一番分かってる。
だから、素直に従う。
「れい。すなおすぎひん?」
「ですかね」
「だが、そこがいい……ちゅき」
幸子ちゃんがぴたり、と足を止める。
「れい。うえ」
「うえ……? きゃあっ! ひのわ様!」
天井が開くと、頭上から突如として、ひのわ様が現れたのである。
天井の向こうには、何処までも続く暗黒が広がっている。
かなり高い位置から、ひのわ様が落ちてくるのだ。
「レイ! 逃げて!」
「大丈夫です! 【霊亀】!」
ひのわ様を中心として、球体状の結界が展開する。
そのまま床に、結界がぶつかる。
ぽよよんっ、と結界はボールのようにはねる。
何度もバウンドして、ひのわ様を包む球体結界が床を転がる。
中のひのわ様は無傷だ。ほぉ……良かった……。
「れ、レイ……あんた器用ね。結界の性質を、ゴムに変化させるなんて」
「ありがとうございます。でも、守美さまやサトル様と比べたら、まだまだです」
「いや、普通に高いレベルの結界術使ってるんだけどあんた……謙虚なやつね」




