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素晴らしき貞操逆転世界  作者: エイシ
第二部:二学年目
55/55

055話:【体育祭編】昼休憩

 やっと昼休憩だ。

 ここまで凄く時間がかかった気がしたけときっと気のせいだろう。



「皆でお弁当食べようよ!」



 葵が元気にそう誘ってくれた。



「あぁ、そうだな。それじゃあ敵チームだけど雪人も誘って四人で……」

「雪はあっちで梓ちゃんとイチャイチャしてるみたいだねぇ」

「……食べなくていいか。今日は俺達三人、赤組の英気を養おうぜっ!」

「「お、おぉ~!」」



 葵と真一、二人の気の抜けた声が上がる。

 そうそう、こんな感じで男らしさとか微塵もないのがこの世界の一般男子である。

 と、言うことでもしかしたら俺はこの世界では少し特殊な性格なのかもしれないな。

 まぁ別に気にしないのだけど。

 と、思ってたらこちらをジッと見ている視線に気づいてしまった。


 あれはさっき裏でタバコ吸ってた先輩達……

 先ほど見掛けた時と同じ三人の先輩が一緒にいたが、その内の一人と俺の目が合ってしまった。すると、そのノッポの先輩がニヤリとこちらに笑いかけ、チョイチョイと指一本で「コッチに来い」とサインを送ってきた。

 これはあれだ、呼び出しってやつだ……

 薫に続く人生二度目の呼び出しを俺は断固拒否すべく、先輩の方へ手のひらを拡げて左右に振る。ノーセンキューってやつだ。


 そんな俺のジェスチャーを見て断られると思ってなかったのか少し呆けた先輩だったが、直ぐに再度俺のことを呼び出すため、手のひらを使って手招きを始めた。指一本よりも重要さが増している。表情も既に笑いがなく、今度は真面目な顔だ。


 そして、この呼び出しに対する俺の答えは勿論ノーである。

 頭上高く腕を交差させエックスの字を作り上げる。いや、エックスと言うか、「バツ」ってサインなんだけどね。だけど表情はこちらもマジ顔である。本気でご遠慮させてもらった。


 これには流石に怒ったのか、先輩がズンズンとこちらに向かっきてしまったヤベェ。




「おい、何してんだ祐樹? 天空ペケ字拳?」


「バッカお前、天空ペケ字拳は肘を突き出すように顔の前に腕を構えんだよ! 全然違うから!」




 先輩とかの前に、頭の上でバッテン作ってたら薫が来て話しかけられてしまった。

 まぁいいか、お陰で先輩達どっか行ったみたいだし。

 とりあえず俺はドラゴンボール談義に花でも開かせようと思ったんだけど、どうやら彼女は俺に話があるようだった。

 着いてきてくれと言うので、真一と葵にはスマンと謝り弁当を持って薫の後に続く。

 そうして行き着いたとろこは観客席の外れ、そして、そこで待っていたのは後輩の陸と、桃組応援団長の東絛だった。




「ん……? なんだ? ボランティア部? 部員で集まってなんか活動するのか?」


「あぁ実は陸が余計なことをしてくれたみたいで……」



 薫は半分怒り、半分呆れのような顔でそう言った。

 東絛は困ったような顔をしていたし、当の陸はバカみたいに良い笑顔だ。今日もウニみたいな頭してる。

 いったいなんだろう?

 俺はそのまま薫に話の続きを促した。




「実は、部活動対抗リレーに出ることになった」


「は?」


「実は、部活動対抗リレーに出ることに……」

「いや、ごめんそれは聞こえてた。何故、突然?」


「いやぁ、サプライズっつーか、本当、大成功っす! ブイ!」




 ピースして笑う後輩の陸君。

 ブイ! じゃねえよ、殺したくなるほどの笑顔しやがって。

 詳しく聞けば実は事前にしかも勝手に部活動対抗リレーにエントリーしていたみたいなのだ。

 バレないよう、ボランティア部を奉仕部と書いて『ボランティア』部とルビを振ったり小癪なことをしている。

 しかし、よくよくしおりを見てみれば確かに名前があるではないか。しっかりルビまで振られてボランティア部の名前が部活動対抗リレーの出場部活一覧に連なっていた。


 そして、更に陸はサプライズと称して今の今までこのことを黙っていたそうなのだ。お前マジふざけんな、スゲーいらねぇ今年一番のサプライズだわっ!




「私は先日気付いたんだけどね、口止めされちゃって……」




 申し訳なさそうに苦笑いする東絛。

 あぁ、東絛は気にしなくていいんだよ、全部この頭爆発坊主が悪いんだから。本当に爆発させて、そのツンツン頭をチリチリのアフロに変えてやろうか。




「そう言うわけでボランティア部は四人だから全員出場することになる。ご飯を食べながら順番とかを決めたいんだ」




 薫はぶちギレることなく、随分と冷静に対処している。

 なんか部長っぽいな。いや実際、部長なんだけどね。

 そんな訳で走る順序を決めることになったのだが、ここにはやはり走りの速さが関わってくる。

 俺達四人を見たときに、まず最も足が速いのは脳筋である薫と陸。次いで全てのステータスがそれなりに高い東絛。最後に平凡中の平凡、俺だ。

 分かっていただけるだろうか?

 このメンバーで走れば恐らく俺が他の三人に負けるのだ、いや、女子は胸が邪魔で遅いとかあるかもしれんが、俺も別に人に自慢できるほど足が速い訳じゃない。

 なんだかスッゴク惨めになった。




「はぁ、俺が一番足が遅そうだな……」


「ププ、ダサッ」


「陸。お前は少し黙れ。あと、以後こんな地獄のようなサプライズは絶対にするな、次やったら薫に頼んで殴ってもらうからな」


「えっ!? マジっすか!? じゃあこれからもドンドン企画しちゃいますよ俺っ! マジおじさん(学園長)を顎で使ってサプライズしてやりますっ!」


「ダメだこいつ……」




 憧れの人である薫に殴られるのは嬉しいってことか?

 ダメだ、コイツアホすぎて思考が読めない。もう放っておこう。



「東絛は走るのとか自信あるの?」


「うん、よく追われて逃げたりするから慣れてるよ。線路とかけっこう走るし」


「なんだよ、東絛の家の近くには野犬でもいるのか? つか、線路じゃなくて線路“沿い”だろ?」


「そうだね、最近問題になってるよね! 良い子は絶対に真似しないでね!」


「……え?」




 なんだろう。何か会話が噛み合っていない気がする。

 ま、まぁいいや。とりあえず自信はあるみたいだ。深くは聞かないことにしよう、うん。それが良い。

 薫は……まぁ聞かなくてもいいや、実際運動神経高いし。




「そしたら一番足が速いの遅そうな俺が最初か?」


「いや、俺が一番だっ!」


「いや、お前、この場合一番手ってだけでグループ内の偉いやつが最初に走るとかないからな……?」


「いや、祐樹。ここは陸を一番手にしよう」


「え、でもコイツ速そうじゃん。アンカーは石橋がやるとしてもその前とか……」


「バトンが不安だから最初にした方が絶対にいい」



 なるほど確かに。

 コイツ協調性ないし、考えてみるとバトン渡しとかかなり不安だ。

 そんな訳で走る順序は陸、俺、東絛、薫となった。

 ……あれ!? 俺が陸かはバトン受ける役なんだがっ!!

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