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素晴らしき貞操逆転世界  作者: エイシ
第一部:一学年目
24/55

024話:補習お疲れ会

「さぁて、終業式も終わってなんたが、夏休み前に君達にはこれからたっぷりと補習を受けてもらいます!!」


「「「ぎゃあああああ!!!!」」」





 地獄のような断末魔が教室に響く。

 何を隠そう俺もその絶叫している内の一人だ。

 赤点を取った者達には終業式後すぐに夏休みに突入!!

 ……とは行かず、補習授業があるわけだ。


 神崎や石橋なんか補習組。

 てか俺はこいつらと同レベルなのか……

 何故かわからないがとても屈辱的だ。

 そんなわけで、俺は頑張って勉強しなければという使命感にかられた。





「み、宮代も補習かよ!」


「あぁ、頑張ろうな石橋、次はもうちょっと良い点取りたいし」


「あ、あぁ一緒に頑張ろうなっ!」




 石橋はヤンキーの癖に根は良いやつみたいだ。

 顔も良いんだからヤンキーしなくても良いのになと思うんだが、何かしら理由があるのだろう。


 かたや、神崎なんて明らかに絶望的な顔で自分の机をガン見している。そんなに補習嫌なのか!?

 少しは石橋を見習えよっ!!






 ──二時間後。


「ふぁぁぁ!! 終わったぁ!!」


「お疲れー……やっと夏休みだな!」


「ねっ! あっ、祐樹、お疲れ会しよ、お疲れ会!」


「んーまぁいいよ? ……唯はもう家着いちゃってるかな……?」



 神崎と唯は同じ女子グループだ。

 いつも一緒にいるし、唯も呼んでたまには三人で食事でもするか。

 俺も癒しが欲しいし。




「えっ、唯そんなたくさんカレー食べれるかな?」


「……はぁ? オイ、まさか神崎……『おつカレー』ってことだったりしないよな?」



 それじゃ本当にオヤジだ。オヤジギャグだ。

 神崎がJKの体にセーラー服の変態オヤジになっちまう。



「ヌハハ! よくわかったな! 今からカレー食べ放題に行くんだよ!!」


「あほう!! んなもん行くか! 普通にファミレスだよ。ファミレスでいいだろ?」


「えぇ、ファミレスで『カレーファイト』するのかぁ、まぁいいかぁ……ところでカレーって、ウン」

「それ以上喋るな」




 ダメだ、こいつ補習したところでお馬鹿は治らないみたい。

 それにしてもカレーは山田のテリトリーだろうに、侵食したらアカン。

 ただでさえ最近鈴木&山田コンビの影が薄いのに……

 てか、そんなこいつよりも馬鹿な俺っていったい……

 あぁ、死にたくなる! 早く唯に癒してもらいたい!




「ほら行くぞ神崎! えーと唯にメールっと……」


「お、オイ宮代!」


「ん? なんだ石橋?」


「オ、オレも行っていいかな!? お、お疲れ会……」




 おっ? なんだ石橋も行きたいのか?

 なんか珍しいなこいつがこんなこと言うなんて……

 てか、神崎ビビりまくってる……!!

 ウシシシ……ここは石橋も連れて行って懲らしめるか!



「あぁいいぜ! なぁ神崎!」


 俺はそう言って神崎の肩を組み、耳元で囁いた。


「石橋ってこの前生意気な女子を三人ほどリンチしたあと、有り金全部持って行ったらしいぜ? 一緒に行かないと怖いし、良いよな?」



 神崎はコクコクと頷いたあと、今度は俺の耳元で囁いた。



「祐樹が耳元で愛を囁くから興奮して鼻血出そうなんだけど」



 こいつ石橋がいても全然ダメだ……




 ……その後、唯は来れないと連絡が来たので俺と神崎と石橋の三人がファミレスに入った。

 唯来れないのかぁ、残念。

 来たかったけど、もう夕食あるから行けないとのこと。もっと早く連絡していればぁぁぁ!



 席に案内されるとすぐに石橋はトイレに行った。

 なので俺と神崎は先に席に着くことにする。


 机を挟んでソファーと二つの椅子が並んでいる。

 神崎が椅子側に座ったので、とりあえず俺はその対面の席であるソファーに座ることにした。



「あっ、私ソファーが良いかもなぁ!」



 しかし、神崎は何故かソファーに座る俺の左隣に座ってきた。

 なんか、席を移動するのも面倒なので少し嫌だが神崎の隣で我慢しよう。


 そうこうしてると石橋が帰ってくる。

 ……あれ? なんか、怒ってる?

 木の椅子に座った石橋はキツイ目で神崎を睨んでいた。



「あ、あー注文決めないとねっ注文、注文!!」



 明らかに慌てている神崎。

 ぷくく! オイ神崎お前メニューの上下逆だぞ!

 石橋にはメニューによって神崎の顔は見えないだろうが、俺は、メニューに隠れつつもあたふたとしている焦った神崎を見ていた。

 バカめ、いつも俺に面倒なセクハラしてくるお返しじゃあ!

 いいぞー! もっとやれ石橋!




「さてと、なに食べようかな、ん、石橋先に決めろよ?」



 この席、メニューが二つしかない。

 一つは神崎が見てるし、俺は残ったメニューを石橋に渡そうとした。



「いや、俺は宮代の次で良い。先に決めろ」



 そう言いつつも、まだ神崎を凝視している。

 なんでそんなに怒ってるんだ!?

 もしかして、ジェラシーしちゃった?

 いや、下着も堂々と見せてくれるような男勝りのヤンキー石橋がジェラシーとか似合わないよな。

 たぶんソファーに座りたかったとかそんなだろ。



「じゃあ俺はハンバーグ、神崎は?」


「えっと、お、オムライス!!」



 お前が今見てるの和食コーナーのページだけど本当に良いのか神崎? てかカレーはどうしたお前。

 まぁいいか面白いし。



「石橋は頼まないのか?」


「お、俺は祐樹と同じので……!」





 ピンポーンとベルを押してウェイターさんに注文をすると、メニューが持っていかれてしまった!

 さて、どうする神崎!?



「うん。私トイレ行こうかなぁっと……」



 そそくさと立ち去る神崎。

 あいつ、オムライス来るまで帰ってこないなありゃ。



「それじゃ、俺は水を取ってきてやるよ!」


「おぉ! 石橋気が利く~!」



 ヤンキーなのに、ヤンキーっぽくない気配りだよな本当。

 石場は神崎の分も合わせてちゃんと3つお水を持ってきてくれた。優しいじゃん!


 俺の前、石橋が座っていた席に水を置き、そのあと俺とその隣の席に水を置く。

 そして、そのまま俺の左隣のソファーに座った。



 ……え?


「あれ? 石橋? さっきまで椅子の……」

「気のせいだろ! 何を言う気なんだ宮代は全く」

「あ、あれぇ……」



 絶対目の前の席に座ってたはずなんだけどな……

 あれ? しかも石橋さん、なんか距離感近いな!

 貞操逆転してるせいか、ガツガツ来るというか、普通は女の子が男との間で避ける距離感もスッと詰めてきたりする。




「そ、そう言えば男は女の笑顔が好きと聞いたけど、どうだ?」


「えーと、うん。笑顔も可愛い子は好きかな?」




 なんか、よそよそしいな石橋。

 でも、俺は笑顔が可愛い子は好きだ。

 唯とか、唯とか、あと唯とか。



「そうか、どうだ!?」



 無理矢理口角を上げた石橋。

 そんな石橋がこちらを見ていた……



「えっと、怖いな……もっと自然に笑わないと……」


「そ、そうなのか……練習しておこう。そう言えば、男は壁ドンが好きだと聞いたけどどうだ!?」



 壁ドンなんてされる所考えたことないわっ!!

 女が男にしてどうすんだよ!?

 あれ? そうか、この世界だと男をベッドに押し倒すのが女らしいから、壁ドンも女側……?

 あーーー意味わからねぇ!!




 そんなときに丁度料理と神崎が来た。



「ハンバーグとオムライスでございます」

「へへへ、待ってましたぁ~! ってあれ? い、石橋さん、そこ、私の……」

「あぁん!?」

「「「ひぅっ」」」


 コエーよ石橋……

 神崎どころか料理運んできてくれたウェイターも俺も叫んじゃったよ!!



「も、もう! 石橋さんもそんなに祐樹の隣に座りたかったら言えばいいのにっ!!」

「あん!? 別にソファーに座りたかっただけだし……」

「わ、分かった、分かったから睨まないで下さい……!」

「べ、別に睨んでねぇよ……」




 なんか良くわからんがハンバーグは美味しかった。

 今度は唯と二人で来よう。


 夏休みなんだしきっと来る機会はいくらでもあるだろう。

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