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異世界コラボ 8#クロードは苦労奴、後編

  ランディと赤い導家士の戦いが始まる。



 ~敵プロフィール~


 赤い導家士 シーフ レベル低過ぎ

 HP 少な過ぎ

 剣術 児戯

 装備 なまくら

 特技 人の話を聞かない


「僕は武器も無いし……四対一だし……本気出して良いよね?」

 ついつい独り言を言ってしまった。


 ~既に一人はランディチョップにより、戦闘不能になっていた。~


 ……

 …………

 ………………




  赤い導家士達は全裸に剥かれ、イスに縛り付けられた。


  ガルは呆れながら赤い導家士の股間を棒切れでつつく。

「なあ、お前ら革命家なのに弱過ぎじゃない? ランディ1人に二十秒かからないって恥ずかしくない? 一人あたり五秒!? ないわぁ」


 赤い導家士の一人が倒れながら叫ぶ。

「う、うるさい! バブッァ!」

 僕のチョップの餌食になる。



 ~見つけたよ~



「煩いのはあんたね……」




「何をするんだ! 止めろ!」


  ん? 僕は声の出所を見る。


  ガルが一人の赤い導家士の体に悪戯している。


  そのまま観察していると、赤い導家士の背中と胸に大きな文字で『赤い導家士、赤っ恥』と書いていた。


  この文字を見たものは皆、大笑いだった。



「うるさい、うるさい!、うるさい!!ボゴァ!」

 僕は遠慮の無いチョップをぶちかます。



 ~ついに、見つけたよ……~


「だ・か・ら・煩いのはお前!」



  ガルは五人全てに悪戯書きが終わった後、

「このインクは絶対に消えない不思議な神器だ。(嘘) 消す方法は一つ、これを覚えろ!」


  ガルは大きめのホワイトボードを出して説明する


「ガル、そんなホワイトボードを持ってるガルにチョップのツッコミは要りますか?」



「要らないし……」



  赤い導家士達は、騒ぐ度にランディのチョップを受け続け、やっと静かになった所だ。


「説明する……勿論 俺様主観の話だが、人の命の重さは平等に出来ていない……これを言うとあちこちから反感喰らうけどな……これから人の命の重い順に書き出す……」


「我ら革命家の命は重い!早くこの拘束を外せ!」



「黙ってろ!チョップチョップチョップチョップ」と僕はチョップを連打する。



 ~間違いない、君しかいないよ。名前は……ランディか……~



「1番目、当たり前だが、子供だ。宝石の原石だ。

 2番目、農家酪農家だ。命の糧を作ってるからな。

 3番目、製造業者だ。建物、服、生活道具、など人々が便利に生きるのに欠かせない。

 4番目、運び屋だ。多くの人々が生きるのに便利な存在だ。

 5番目、医者。6番目、商人。7番目、軍人、冒険者等戦い専門職。一気に言ったが、ここまでが 革命より重い命と俺は思っている……8番目最下層は、貴族、政治家、役人、革命家だ。理由は何の生産にも携わってないからな……まぁ政治家の中には例外も居るが……これを、頭でなく、心で学習しろ! じゃないと一生恥ずかしい文字を刻んだまま生きる事になるだろう……」



「そんな訳ない! 俺たちの命は何よりも重い!……ブゴゥ!」


  僕のチョップは暫く続いた。


  しかし、ガルは偏ってるなぁ…… まあ概ね同意見だから問題ないかぁ……


「ところでガル、反省すると消えるインクなんて便利な物を持ってるんだ……」


  ガルはにたりとしている。

「あれは嘘だ……基本半年は消えない……」


「あっ、そうなんだ……」

 あいつ等、不幸だ……



  その夜……ランディに話しかける不思議な声がした。


『ランディ……ランディ……』



「ん?」

 気配が無いのに、声だけが聞こえる……


「誰だ?」

 不可解な出来事に警戒する。



  声がまた響いた。

『そんなに警戒しないで……ランディ……お願いが有るんだ』



「お願い?」

 そう言われると、話を聞いてみたくなる。



『そう、お願いがある……昼間の見ていたよ……あの突っ込みのタイミング、チョップの角度、速度、手首の返し、どれも文句の付けようが無い……完璧だったよ……だから、僕を使ってくれないか?』



  僕は頭をフル回転させていた。


  そして、行き着いた答はこうだ……この声は意思あるアイテムに違いない……

 声はするのに気配を感じない……


  気配を消して声だけ出すなんて芸当、人間がそうそう出来るわけがない。


  先の話から察すると恐らくそれは、インテリジェンスウェポンだな……形はハリセンと見た。


  最近、ガルとマーニャに突っ込みを入れられれる道具が欲しいと思っていたんだ。

 よし、話しかけよう。


「妖精さん、妖精さん」


『僕は妖精じゃないし……』


「良いよ、君を使おう……で、代償と僕の利点は何?」


『聡いね……でも、代償は無いよ。僕を使ってくれるだけで良いんだ。お礼にランディの魔力を少しだけ上乗せしてあげるよ』


(う~ん 魔力なんて僕には関係無いと思うけど……まぁいっか)

「うん、契約のキーワードは何?」


『本当に聡い……契約の言葉は【ぴこっとはんまぁ我と共に】だよ』


「よし! ぴこっとはんまぁ我と共に! ……えっ? ピコ? ピコっと?」


  今さら契約の言葉に疑問を持つ。



『契約完了だよ。僕の名前は【ぴこっとはんまぁ】第六位契約神器ぴこっとはんまぁだよ』


  ランディの手にはいつのまにか、玩具と勘違いしかねない見た目のハンマーが握られていた。


「よろしく【ピコピコハンマー】」


『だから【ぴこっとはんまぁ】だって……』


  こうしてランディは第六位契約神器を手に入れた。



  翌日 用心棒から頂いた手甲を、皆で装備してみることにした。


  だがランディとガルが装備すると何故が悪寒がしただけだった。


  香織とマーニャには、腕とその周辺の防御が上昇した様だが、リリスはなんと手甲と会話が出来たようだ……そう僕の【ピコピコハンマー】の様に……


『主人……ぴこっとはんまぁ……』



  これにより【パクった手甲】改め【第六位契約神器ルーンバンクル】はリリスと、共に歩む事になった。


  さらに数日たち、ランディの予期せぬ出来事が起こった。


  数名の女性が服を脱いで縛ってくださいと頼んで来た。

  かなりビックリした。



  要約すると、赤い導家士を裸に剥いて、餌を与えていたところを見られていて、その状況を都合の良いように解釈したようだ。



  ランディとしては、ガリガリに痩せた女性を縛ったところで何の興奮もしない……痩せ過ぎていて、お金の無い人は、配膳の手伝いをしてもらって、食事は無料提供した。


  途中、記者っぽいのが遊びに来た……僕達が有名になる日も近い……




  数日後、ランディたちの所に、目つきの悪い黒髪の男と、青い髪と赤い髪をした美女が二人の、計三人でやって来た。


  ランディは三人を見て、今までの焼きそば目当ての客ではないと悟った。

「へい、いらっしゃい! 君達はお金持ってそうだから ぼったくるよ」



  男は「いきなりぼったくりかい!」と、ツッコミをする。


「はい、三人でこれだけね」

  と、ランディは真鍮貨を要求した。


  男は「安っ! ぼったくる気 無いよね?」


「そんなことありません……ほら、内約」

  ランディの要求した額は女性はランディ相場の半分、男はランディ相場の五倍を要求していた。



  男は「酷い!! ってこんな正直にぼったくって来られたの始めてだよ」

  男は、共和国絡みでわりと酷い目に合っていたのだが、正直にぼったくられるのは記憶に無い。




  ランディは「始めて? 世間に揉まれてないなぁ……はい焼きそば……」



  三人の来訪者はペースを乱されまくって、何故か焼きそばを食べている。

(まぁ、食べ終わってから聞くとしよう……しかしこの味……凄く懐かしい……手作りより味わいは数段劣るけど、独特の良さと懐かしさがある……まさか……)


  男はここに来た当初の目的は、日本語標記の登りを何処で拾ったか聞くつもりであったが、出された食べ物は『焼きそば』間違いなく日本語を知っている……しかも、焼きそばの味は、微かに薄味だけとインスタント焼きそばの味だった。

 

  この事からこの人間は日本から、しかも僕の記憶にある日本と、同世代の日本の可能性が高いと判断した。



「ご馳走さまでした」

 男は、食後の挨拶をすると、自己紹介をした。


「僕はクローディアス・レーベンヒェルムだ、君達に話しがある」



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 クロード視点


  色々勘違いを含めた問題があったが、彼等を屋敷に招待することが出来た。


  特に青い服を着飾った(もしかして日本の農家とかで見かけるブルーシート?)の女性達に、連れていかないでと泣かれたのには、ビックリした。


  なんが僕が悪い事をしたみたいだ。


 話を聞いたらやはり異界人だった。


 名前は、ランデイヤ、魔剣ガル、遠藤香織、お兄ちゃん大好きマーニャ、ランディの主リリスと、名前を聞いただけなのに少々盛られた。



 そして、ソフィとレア、向こうの女性達には席を外してもらい、色々話をした。

 懐かしい……彼らの居た世界は僕の知っている世界とよく似ていた。


  ランデイヤと言う男性の食べ物を出す魔法、僕はあれの仕組みが欲しかった。

  答えは、もう一人のガルと言う男が教えてくれた。


  「呪文、魔法、魔術に詳しい人の話だが、ランディの『クリエイトフードフリー』は『多分岐並列世界』から召喚してるって話だ……だから術式の解明までは知らないけど、真似したかったら研究すれば?」て言われたがそんなの無理だ。



 その後、二人にはよくわからないが、友好の印として、彼等にタカられるのが決定してしまった。

 何故だ……




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ランディ視点


 今回クローディアス君を見つけて、こいつにタカろうと思い、ついて行く事になった。


 七人の女性達は何故か、檻に入れらて奴隷確定していた時より 悲しい顔をされてしまった。


 まさか、あのスイーツ五十人前で、僕に依存したとか無いよね?


 普通のスーパーマーケットで売っていたおやつにしておけば良かったかも……


 そう言えば、たかる代償に日本料理を奢る事になったんだよな……


 で、日本料理って何だ? 白いご飯に梅干し、味噌汁とメザシ?


 メザシは食べた記憶が無いから、ししゃもで良いかな……




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 ◇食堂◇


  食事会の先手はランディsideからだった。


  再度ランディ側から自己紹介が始まる。


  腰に玩具と思われるハンマーをぶら下げた、茶髪の茶色い瞳の好青年が一番に口を開く。

「この世界に短期(・・・)で迷い混んだランデイヤです」



 茶髪で、右目が赤 左目が黒の、左手の指は親指以外 全て中指で、背中に九つの剣の鞘をくっ付けている、明らかに異端児な外見の男が話す。

「同じく魔剣ガルだ」



 黒髪黒目のわりと可愛い Dcupの女性が次に自己紹介をする。

「遠藤香織です」

 


 こちらも黒髪黒目で先ほどの香織より目はクリクリしていて、若干可愛さの混じった美女が自己紹介。

「火炎術士マーニャです。お兄ちゃんの敵は何でも燃やします」


「マーニャ、物騒な事と言わないの」


「はぁい……」



 ランディside、最後は青髪でショートヘアーの可愛い女の子が自己紹介をした。

「私は、リリステル……リリスって呼んでください」


 

 そして、奇抜な正装?をした男が

「僕はクローディアス・レーベンヒェルムだ」


 次に青い髪と赤い瞳の美しい少女が「侍女のレアです」


 ガルは横槍を入れる。

「いやいや、これ程の美少女なら、レアじゃなくて、Sレアくらいの価値があるだろ」


「Cardじゃないって」ピコッ

 ランディに叩かれるガル。


 次は赤いおかっぱの髪と黒い瞳の美しい少女が「執事見習いのソフィです」



 ここでガルの横槍第二段が炸裂する。

「素敵なお嬢さん、俺と素敵な夜を過ごしませんか? 」


「はいはい、今自己紹介中ねっ」ピコッ!

 再びランディに叩かれるガル。



 二人に負けない程のに美しい女性がいる。

 いや、肌の美しさは、全女性を含めてもダントツで美しい。

「セイ。頭領殿の愛人だ」


「いや、そうじゃなくて友達でしょ?」



 しかしクロードの言葉はランディとガルには聞こえていない……


「なにぃ!? 愛人だとぉ?」


「クローディアス君、そんなにテクニシャンなの!?」


「いや、ランディ俺様もテクニシャンだけど、この数年収穫0だぞ、テクニック以外にも何かある!」


「すると、形? 大きさ? クローディアス君……面倒だクロード、ちょっと脱いで……」

 いきなりクロードの服を脱がしにかかるランディ。


「や、やめてぇぇぇぇぇぇ!!」



 ランディの奇行は4人ががりでようやく止まった。



「はぁ、はぁ、だ、だからセイとは友達なんだってば!」


「ふうん……友達(あいじん)に、執事(あいじん)侍女(あいじん)か……クロードって悪人(きちく)?」



「読みがなが、著しく間違ってるよ?」



 この後行われた、ブリキッタ他数名の自己紹介を覚えている人は居なかったと言う。



 このとき、遅刻してきた『アリス』と言うぬいぐるみの様に可愛らしい猫っぽいのがやって来た。


「珍しい餌が食べ放題だって聞いたたぬが、本当たぬか?…………ん?」


 ランディ、ガル、アリスと目を合わせた。


 するとアリスは大虎の姿に戻り、

「きしゃゃゃゃ!!」

 と警戒の唸りを上げて、2人に襲いかかった。


 ランディは吹き飛び、ガルは真っ二つになったようにみえた。


 真っ二つになったのは、ガルの残像だった。



 ランディの方は壁まで吹き飛んでいた。


「あ、アリース!! て、敵じゃないんだ 落ち着いて、落ち着いて」


「フーッ! フーッ! あいつらは危険たぬ、危険たぬよ、本能が訴えてるたぬ!」


 クロード陣営全員に押さえられ退場していくアリス……



 クロードはここで、吹き飛んでいたランディを思い出す。

「はっ、しまった! ち、治療班を呼んで! 早く!」


 と吹き飛んでいた方の壁を見ると、そこにはランディの姿はなかった。


「あ、あれ?」


 クロードの疑問をいち早く察したセイが、クロードに話す。

「頭領殿、彼は無事だよ」

 とセイはランディのいるところに指を差す。


 なんて、吹き飛ばされたはずのランディはぴんぴんとしていて、ガルと雑談をしていた。


「えっ? どういうこと?」


「頭領殿、はっきりとはわからないが、若干の魔法防御の他に、足首だけで後ろに下がって衝撃を逃がし、手をうまく捻って衝撃を反らしていたと思う……頭領殿も凄い方々を拾ってきたものだ」



「はっ、無事だと分かっても、一応聞いてみないとランデイヤさん、大丈夫ですか?」


「あっ気にしないで、それより……あれ欲しいな……さっきのたぬき……じゃなくて……【軍虎】」


「へ? アリスの事、だ 駄目だよ ってそれより無事なの?」


  クロードは、話しかけながらもランディを観察するが、外傷は見当たらない。



「ああ、かなり痛かったけど、殺す気は無かったみたいだし……ねぇそれより彼も落ち着いたら呼びなよ、 食事にしよう」(そして餌付けして、合法的に拐ってしまおう)


  ランディの薄ら笑いは悪人の様だった。


 ……

 …………

 ………………


  ランディが真剣な表情をしていた……これから出現させる日本食をイメージしているのだった。


「第5レベル呪文……クリエイトフードフリー!」



  はたして、ランディのイメージした日本料理は、クロード達を満足させる事が出来るのか?




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