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異世界コラボ 5#七つの鍵の物語【悪徳貴族】

上野様の、作品『七つの鍵の物語【悪徳貴族】』

からのコラボ回です。


興味の無い方はそのまま飛ばして読んでも大丈夫な仕様にしました。

 マーニャが『上野様』と刻印が刻まれた宝箱を見つけた。


「やったぁ! 早速開けようっと、ドキドキ」


 ランディとガルは慌てる。

「ちょ、ちょっと待って……って待つ気配が無いし……ガル!頼む!」


 ガルもマジ顔で答える。

「おう! フィンガースネークバインド!」


 ガルの両手の指は長い蛇に変化して、ランディ・香織・リリス・マーニャを捕まえる。


 リ「ひゃっ」


 マ「あわわ」


 か「んっ……」


 パカリ…… ガルの『フィンガースネークバインド』と同時に宝箱の蓋が開き、(まばゆ)い光が辺り1面に拡がる。


 そして、意識が無くなった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ◇?????◇


 ここは人工的な洞窟の様に見える。


 薄暗いが、辺りがしっかり見える程度には明るい。


 円柱が建ち並んでいる所から考えると、誰かが建てたのだろう。


 古い死体が、彼方此方(あちらこちら)に点在している。


 そして、鉈を持った5体のゴブリン、生きている人間と言う餌さを見つけ、気味の悪い笑みを浮かべて『ゴブゴブ』と鼻息を鳴らしながらゆっくりと餌さに近づいて来た。


 近づく先には、ランディ・ガル・香織・リリス・マーニャが居る。



 ランディは

「マーニャ後でお仕置きね……第1レベル呪文……レベルサーチ」


 と言って、ガルに言う。

「五人ともクラス1」


「うん、丁度いい……五対五だ……一番 手こずった人は罰ゲームな」



 ランディは(ガルも容赦無いよなぁリリスたんが可哀想……)と思っていた。




 ~敵プロフィール~


 コブリン レベル2

 HP80*83*85*74*71

 鉈術 F

 装備 切れ味の悪い鉈

  レザーアーマー



 リリスが一番に魔法攻撃を開始する。


「我が力、魔の下に凝縮し魔光となり弾けよ。魔光破!」



 マーニャも続いて魔法攻撃をする。


「いっけぇぇぇ 火炎弾!」



 そして、リリスの詠唱中に、香織はダガーを投げた。

 香織の投げたダガーは、ゴブリンの額に吸い込まれるように刺さる。


 ガルは小型の二連ミニクロスボウで、ゴブリンの口と、心臓部に矢を刺した。




 驚いたのは、ランディと生き残ったゴブリンが一匹……


 ランディ「え? あれっ?」


 ゴブリン「ゴフッ?」


 僅かな沈黙の後、ゴブリンは全力で逃げる……


 ランディ「あっ……ま、待ってぇ、僕 罰ゲームになっちゃう~」


 ……

 …………

 ………………


 本気で逃げるゴブリンを、捕まえて倒すのに、ランディは30秒以上費やした。



 ガルは、腹を抱えて笑っている。

「はいっ ランディ罰ゲーム決定!」


 ランディは、

「今のは仕様が無いよね? ゴブリン逃げてたもん……って、一分かかってないし、手こずってないよ?」



「「「…………」」」

 香織も、マーニャも、リリスでさえ助け船を出さない……出せないでいた。


 みんな、どうフォローして良いのか判らないでいたのだった。



 それから、スライムや機械仕掛けの大蟻、梟などに襲われたが、それらは全てランディの八つ当たりの餌食となった。



 灰色のアーチを潜り抜け、十字路を幾つか曲がり、倉庫の様な区画を越えて、迷路の様な建物の中を進んでいく。


 そして長い螺旋階段登りきり、最後に錆びた金属製の大きな扉がランディ達を待っていた。



「うん……この扉も罠が無いね、つまんないなぁ……」

 とガルは愚痴る。



 そして、扉は開かれた。


 そこには何もない、真っ赤な1面の荒野だった。




 マーニャが一番に声を上げる。

「な、なにこれ……」


 ガルも話す。

「おわぁぁ、荒れてるなぁ……ここまで酷いのは暫くぶりだ……人間は生存してるのか?」


 ランディも、同じ考えのようだ。

「人類、滅亡してないよな……胸に七つの傷を持つ男がいたりして……199X年、世界は核の炎に包まれた……」


「それはないわぁ」

 ランディに突っ込みを入れるガル。


 しかし、暫く歩くとその心配は杞憂に終わった。


 遠くから、馬車が近づいて来るのが見える。



 ガルは、左目のズーム機能を使う。

 ガルは、遠くにある馬車の様子を見て、顔を(しか)める。


 馬車は、四頭引きの巨大な檻を載せた仕様であった。

 その馬車の中には、半裸と言っても差し支えない程の、ボロ切れを身に着けて、泣いているようだ。


 ガルは、さらにズームする。


 何人かは暴行を受けたようで、青いアザがある。

 口か、鼻かは判らないが、流血したよう顔に渇いた血が顔についている。


 更にガルは、唇を読む。


「家に帰して……」

「助けて……」

「いや、いやぁ」

 だった。


(チッ 奴隷を運んでいるのか……ランディとカーズを見倣え! )


 ~大昔、融合前のランディとカーズは、某国の奴隷制度を大幅に改革したことがあった。

 その制度とは、奴隷は、特殊な事情で立候補した者、孤児、犯罪者のみで構成されていた。

 しかも奴隷に階級を付け、上位は主を選べたり、健康診断まで受けさせて貰えた。

 しかも、未成年奴隷の死は主も罰せられるという徹底ぶりだった。~


 ~それ以来ガルは強制奴隷や、奴隷狩りが嫌いになった。他の国でもより良い方法があるなら、採用すれば良いのにと愚痴を漏らしたりもしたが、アーサーに説得される。

「権力者 事情 色々 上手く行かない 当たり前」

 と言われ『脳筋男に説得された』と、更に落ち込んでいる姿も暫し見受けられた。~


 ガルは、昔を回想していたら、奴隷運搬馬車はみるみる此方(こちら)に近付いて来た。


 馬車の周囲には、明らかに盗賊っぽい身なりで、剣と皮鎧を着た男が十人、服のみ品のある 肥えた男が一人、そして明らかに手練と思われる外見に似合わない瑠璃色の手甲を装備した男が一人、計十二人だ。



 この距離まで近付くと、ランディにも事態を理解した。


 檻の中で泣いている女性を解放したい所だが、いきなり知らない世界で、この国のルールも判らずに、暴れていいのか、悩んでいた。



 ランディが迷っている間に、お互いが会話出来る距離まで近付いて来てしまっていた。




 ランディ視点


 良さげな服を着た豚が、僕達に話しかけてきた。


 あんな豚とは、かかわり合いになりたくないのに……


「ふん、お前らは旅人か? いや……冒険者か? いや……犯罪者だろう?」



(こ、この豚 超失礼なんだけど……しかしこの世界との言葉の壁はない……豚と意思疏通出来るのは何となく嫌だけど……)


 ~ランディ達の異世界転移は、転移と同時に翻訳魔法が掛かる、しかがってランディは現在『日本語』と『この国』の言葉が使えるのだ~


「ふん、犯罪者ならば、問題ないな……今回は収穫が少なくて困っていた所だったのだよ……」


 と、ゲスな含み笑いで、(・・・)の女性達を値踏みする様に、見ている。


「異国の上玉が三人追加だ……これなら相当高く売れる……くくくっ。ふん、大人しく捕まるなら男共も、奴隷として生かしてやっても良いぞ」


 と言うと盗賊風ね男等は、円を描くように移動して、僕たちを取り囲む。


 僕は、香織ちゃんを奴隷として売ることを、勝手きに決めつけている豚に、キレる寸前だった。



 その時、ガルは以外な言葉を発する。

「はぁ……良かった……」

 と胸を撫で下ろしている。


(えっとガルさん、貴方の言っている言葉の意味が判りません……)



 豚男はガルの言葉を聞いて、

「そうそう、大人しくしていれば奴隷として生かして差し上げます(まぁ仕える主人によっては直ぐに死ぬかも知れませんがね)……さあ、お前は?」


 僕に返答を求めている様だが、口を開いたのはガルだった。


「ランディ、この中に未成年は居ない……安心して良いぞ」

 と,、殺る気満々で一本の短剣を出した。


 おおっ!? いつもの短い日本刀じゃない……



 ~ガルは、六本の日本刀(脇差し)を好んで使っていたので、今回の西洋刀、(ショートソード)を抜いたのをランディは初めての見たのだった。~



 僕も、相手が悪人で、しかも僕の香織ちゃんを性奴隷にと考えた(そこまでは言っていない)あの豚は、生き地獄にしたいと思っていた。


 僕も、持っているメイスを構えた。



「ふん、愚かな人種よ……女達の前で、無惨な屍となるがいい……殺せ!」



 敵プロフィール


 シーフレベル 3 

 HP187*124*137*169*148*179

 剣術 F

 装備 レザーアーマー

  曲刀



 シーフレベル 5

 HP270*245*231*250

 剣術 E

 ナイフ術 F

 装備 ハードレザーアーマー

  曲刀

  ナイフ



 戦士 レベル12

 HP 666

 剣術 C

 装備 曲刀(業物)

  スタディットレザーアーマー

  第六位契約神器ルーンバンクル



 一般人 レベル2

 HP 54

 ナイフ術 G

 装備 値段の高そうな服




 ガルは手に持った剣を上に向け、柄に指を2本置いて叫ぶ。


「東方の神々よ、我が剣に宿りて……雷神(インドラ)!」


 バリバリバリッ!!

 取り囲んでいた、十人の男達に雷が落ちた。


「「「グガァァ!」」」

「「「グアァァ!」」」

「「ゴバァァ!」」

「「ギャン!」」


 そして雷を受けた男達は、もれ無く倒れる。


「「「何だと!?」」」

 驚いたのは、ランディと用心棒、肥えた男だ。



 ガルは周囲をチラッと見ると溜め息を漏らす。

「あ~あ、雷神(インドラ)一発で、八人も死ぬって、どんだけひ弱なんだ?」

 ガルは、苛ついている。


「なっ なっ なっ? ……」

 肥えた男は、今の状況について行けない。


 ガルは、生き残りのうち、泡を吹いて気絶している男を無視して、立ち上がろうとしている一人の首筋に、短剣をあてる。


「あわわ、た、助けてくれ!」



 ガルは答える。

「う~ん……でもその前に質問。お前は、助けを求めた女達に何かしたか? 俺の満足する答なら助けてやる」


「え? あっ……そ、それは……助けてく……ぎゃあああ」


 ガルは首を切っていた。

「不正解、死ね……」


 その様子を見ていた用心棒の男は、(あちゃ~ 完全に想定外だぜ……そこそこ強いかなって思ってたら、契約神器持ちかよ……いくらワシでも二対一じゃ勝ち目がねぇ……よし)

「兄さん強いねぇ……こりゃワシらの敗けだわ……って事でいっちょう、賭けに乗っちゃくれねぇか?」



 ランディとガルはハモる。

「「賭け?」」



「そうそう、賭けだよ……話に乗ってくれたら、この奴隷達は解放する。だから、賭けを受けちゃくれねぇか?」


 肥えた男は慌てて抗議する。

「お、おい! 何を勝手に決めている! せっかく集めた奴隷を……」

 肥えた男の話は途中で遮られる。


「旦那ぁ、よく考えて下さい……いくらワシでも二対一じゃ勝てませんって……自分の命と奴隷、どっちを取るんですか?」



 肥えた男は悔しそうに呟く。

「くっ……しかし、しかし……」

 と、未練がましい。



「どんな賭けにするんだ? それ次第だ」

 とガルは言う。


 用心棒は(よしっ乗ってきた!)とほくそ笑む。

「そうこなくちゃぁ……賭けは、一対一の戦闘で頼むよ。ワシが勝ったら、ワシと旦那を見逃してくれ」


 肥えた男は、

「おい! 高い金を払っているんだから絶対に勝てよ」

 と、言っていて頭の中では、(よし、一対一なら彼奴が勝つ! ああ見えても化物の様に強いのだからな。ついでにもう一人も殺して、あの上玉たちも奴隷として(さら)おう等と考えていた。



「その話乗ってやるよ……で? 俺とランディ……どっちにする?」


 用心棒(ヒャッホウ! 決まってるじゃないか、俺の感だと恐らくランディってボウヤは回復系だ、そいつさえ先に始末すれば、何とかなる!)

「じゃ、その『ランディ』って兄さんを指名するわ」


 用心棒の言葉を聞いて、

「じゃ、行ってきます」

 と、ランディは数歩前に出る。




 下位とはいえ、初めての『契約神器持ち』との闘いが始まる。



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