76#前兆
◇リリスの家◇ ランディ視点
おかしい……違和感を感じる……実は以前にも似たような違和感を感じていた。
そうリリスの母親であるケットシーの様子がおかしい。
何が、おかしいかって?
よくわからないが、兎に角おかしい。
リリスたんもガルも香織ちゃんも気付かない程の僅かな違和感……
トゥルーサイトで調べたけど、判別出来ない程の変化……そう……ケットシーさんは上機嫌なのだ。
いつも上機嫌なので、判りにくいが、上機嫌の質が違う 以前はリメインズ軍との死闘の後、そして今回は大型獣イグァーガのとの 戦闘の後。
何れも一泊していた。
ま、まさか男? 死をも覚悟した戦いの最中『いちゃいちゃアハンアハン』していたんですか?
それが事実なら許せん! ケットシーさんはリリスたん並に大好きだから、男の方を始末しよう。
僕は犯人探しの旅に出た。
林の中をてくてくと歩くランディ。
「小鳥さん、小鳥さん、ケットシーさんに手を付けた愚か者を知りませんか?」
小鳥「チチチ……」
「そうか、心当り無いですか……」
ん、僕が鳥と会話出来るかって? 話せるわけ無いじゃん……
それにしても僕が以前、美味しく頂こうと思っていたケットシーさんを……どこの馬の骨だ……
大体コンさんはなにしてんのよ? 僕はコンさんがいるから……コンさんがいるからケットシーさんを頂くの諦めたんだよ……
あれだけ焚き付けたのに……あれ?
も、もしかしたら…………コンさん!?
僕はコンさんの家まで、全力で走った。
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◇コンルシズの家◇
ちょうどコンさんは、家に居た。
イケメンと噂の使い魔もいたが、そんな事はお構いなしに質問した。
「コンさんっ!」
「ランディ君、な、なにかな突然」
「ケットシーさん……リリスたんのお母さんとヤッタ?」
「ん? やった?」
コンルシズは意味が判っていない様だ。
(あ~~もう、鈍いなぁ)
「リリスたんのお母さんに告白して、ちゅうして、脱がして、ヤッタのって聞いてるの?」
「ごぼぉぁっ!?」
お、面白い反応するな、コンさんは……あっ顔が赤い……ヤッタな、R18な行為をしたな……
なんだ、この嬉しいような悔しい様な複雑な感情は……
「もう、わかりました……コンさんわかりやす過ぎです。何回しました? まさか2回ですか?」
コンルシズは再び噎せる。
「ごほっ!? な、なんで回数までわかるの? ランディ君はそんな特殊能力まであるのかい?」
慌てまくるコンさんと裏腹に、コンさんの使い魔のイケメン君は、しれっとした感じのまま僕にお茶を運んできた。
同じ使い魔同士、気遣い無用ですよ?
しかし、2回で正解ならあの日とあの日だな……イグァーガ戦はともかく、リメインズ軍と戦ってる時に、ヤっていたなんて空気読めないんですか? 貴方……
マブダチだからってやって良い事と悪い事があるでしょ?
とランディは理不尽に怒っていた。
「しかし コンさん、僕達がリメインズ軍と死闘してる時に、随分じゃないですか?」
とランディは責めたが、当のコンルシズは?マークだった。
「えっ? えっ? リメインズ軍? それにヤッタ……じゃなくて、告白した日もばれてるの!?」
あっそうか、リメインズ軍との戦闘はまだ非公開情報だったけ? まあいいや。
「うん、僕らが1泊して坑道見学に行った時でしょ? 手が早いなぁ」
コンルシズさんは慌てて「いやいや、ランディ君『リリスの母さんはかなり寂しいと思いますから、その肉棒で寂しさを埋めてあげなさい』って言ったのはランディ君じゃないか……」
えっ? え~~……あっそう言えば 言ったな……って忠実に実行したのかい!
すると、僕のせい?
「あ、あ~~おめでとうコンさん」
と言うのが精一杯だった。
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ここは何処だろう? なんか夢を見ているようだ。
星が降り注ぐような綺麗な星空……
誰かが、僕に話しかけている。
「○○さんが、単独行動好きなのはわかってるんだけど、弱体化中は集団行動を取った方が、良いと思うよ」
話しかけてきた男は僕にそっくりな顔立ちをしていた。
強いて違うと言えば髪形位だろうか……彼の髪形は短髪だった。
勝手に僕が喋っている。
「だからだよ、カーズ僕達は集まるとすぐ無茶をする……僕達4人でいったい幾つの国家を潰したと思ってるんだ……」
あの男はカーズって言うのか……
「まあ、半分は兄さんが原因だよね。 たった一人の子供を守る為に国全体を敵に回すなんて……」
また僕が勝手に喋る。
「カーズだって、僕をちょっと侮辱した一族を丸裸にしたでしょ? ブラコン?」
「それは置いといて、弱体化中は単独行動は控えめにしてほしいんだけど……」
またしても僕が勝手に喋る。
「わかった、わかった。保険を掛けるよ○○○○と▲△▲△▲△と□□□□□□□□□使うよ」
カーズは
「○○○○は本当の保険だねまぁ 発動しないと思うけど……□□□□□□□□□なんて使えないでしょ?」
「だから、保険さっ ……第8レベル呪文スイッチングマジック……条件は気絶……発動呪文……第9レベル呪文……△▲△▲△▲△並びに第9レベル呪文□□□□□□□□□」
「あーあやっちゃった……」
さらに僕は呪文を唱えている。
「第10レベル呪文……○○○○!」
「うん……その時はきっちり集めるから……まぁその時は来ないと思うけどね……」
夢のせいだろうか呪文の名前が聞き取れなかったけど、第8、第9、第10レベル呪文を唱えていた……気になる……気になる……気になる……
そこで僕は目が覚めた、なんか凄い大事な夢を見ていた気がする…………思い出せない……ま、いっかぁ……
ランディは夢の内容を忘れてしまった様だった。
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毎日の胸揉み修行は(注:ただの走り込み)楽しい、DcupとBcupにCcupが加わり、色々な揉みごたえが堪能できる……素晴らしい。
追いかけっこの順番で速い方から順にマーニャ、香織ちゃん、リリスたんだった。
リリスたんもレベルアップしたけど、走り込みは香織ちゃんに勝てない、驚いたのはマーニャだ 100mを10秒フラットで駆け抜ける様にはかなり驚いた。
マーニャ聞いてみると、異世界転移してから既にそれくらいは、速かったらしい……
ガルは、これを『異世界転移チート組』と呼んでいた。
そんなカテゴリーが有るんだ……
ガルが言うには、異世界転移するやつらは7割方チートだ……ブツブツって言ってた。
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マーニャがガルに質問している。
「ねぇガルさん、ガルさんは色々な武具を持ってるけど、なんでお兄ちゃんは持って無いの?」
ガーン! 気づかなかった……そうだおかしい……ガルは9本も魔剣を持って、さらに玩具の様に小さなクロスボウも化け物級の威力がある武器を持っているのに、僕は手ぶらなんて……不思議過ぎるぞ。
ガルは答える「ランディも持ってるぞ」
僕とマーニャと香織ちゃんも「「「えっ」」」っと聞き直す。
「ランディは重装備派だから、一瞬で武器と防具を装備出来る様に仕掛けをしてあるんだ」
僕は思い出した。
そうだ、僕の6つある小物入れの内、4つはディメンションバックだった。
そして、黒地と赤地の小物入れは開けることが出来ない……まさかこれが……
ガルは考え事をしているような顔をして「ふむ……試してみるか? ランディ、赤いポーチのシンボルに人指し指を触れながら叫ぶんだ! 『レッドオプティマイザー』とな……」
おおっ! とうとう僕も完全装備をする時が来たのか? しかも、掛け声 かなり格好良い!
ようし……行くぞ。
僕は赤い小物入れにくっ付いてるシンボルに人指し指を触れてさけんだ。
「レッドオプティマイザー!」
香織ちゃん、マーニャ、リリスたんも見守る……
……
…………
………………
……………………
何も起きなかった……
ちょ、超~恥ずかしいんですけど……
僕はガルを睨む。
ガルは「未だだったか、早く弱体化解けるといいな、ランディ」
と言って、スタスタとこの場を後にする。
ガルゥ逃げたな!
こうして僕には何とも言えない恥ずかしさだけが残った。
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何時もの修行中、マーニャな変な物を拾ってきた。
それはボロボロな木箱だった。
「お兄ちゃん、私の感だと貴重品かも知れないよぅ?」
いやどう見てもごみだろ?
なんかの死骸だったら嫌だぞ。
躊躇するみんなを他所にマーニャは木箱を解体していく……
すると、その中には頑丈そうな造りの小さな宝箱が出てきた。
その宝箱には『上野様』と書かれてあった。
ここから、異世界コラボ2へと繋がりますが、読み飛ばしてもストーリーに影響はないので、興味のない方は、そのまま続きの『77#』をお読み下さい。




