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69#夜は明けた。

夜が明け、ランディは目を覚ました。


目の前にはリリスがいる。


「あっ、リリスたん……」


「おはよう、ランディもう起きて大丈夫なの?」


ランディは声色が変化したリリスを見つめる。

「あれ? リリスたんその声……元に戻った?」


「うん……お父さんの封印が元に戻ったんだって」


「そうか……もういないのか……」


リリスは少し寂しげなランディを見て「ううん、リリスはちゃんと見てるよ……私の中で……それに、ランディのあの魔法を使えばまた会えるじゃない」


「ん、ああ……その事なんだけど……」



ランディとリリスの会話の途中で香織と、マーニャも起き出した。


「おはよう、ランディ」

「おはよう、お兄ちゃん」


「おはよう、香織ちゃんにマーニャ」

(僕は、おはようの出来る子は大好きですよ)

にっこり微笑んで挨拶するランディ。


「丁度良いや、みんな聞いて……」


ランディは、リリスが再び封印状態になったのを伝え、その解除には第6レベル呪文のリブームカースが必須であり、あと1回しか使えない事、どうしても使いたい時は、昨晩のような命を削る行動をしなければ行けない事も伝えたら『もう、あんな無茶をしないで』と叱られていた。





ランディは呪文を覚えて、アルバ、トイバ、モクバの使い魔3人を蘇生させた。

(う~ん……空間タブレットの説明文では、レイズデットLVⅠの蘇生率は50%なのに、1回も失敗したこと無いぞ……不思議だ)


ランディは自分のレイズデットLVⅠの蘇生率が、95%だとは知らなかった。




突然思い出したかの様にランディがマーニャ向かって話す。

「そうだ、マーニャ……いったいどうやってここまで来たんだ? 」


マーニャからの説明を聞いたランディ達……

判ったのは、ランディを3年間も思い続けていたこと、もう2度と日本はおろか、真やブライアンの所にも戻れないことに、ランディは心を打たれた。


「マーニャの覚悟は判った……もう、着いて来るななとは言わない……いや、言えないな……今後の話は落ち着いてからするとして」


ランディはマーニャを抱きしめた。


「では、改めて……久し振りマーニャ。助けてくれてありがとう……」


マーニャは感動のあまり、瞳を潤ませている。


リリスは「私もランディにアレして欲しいな」


ランディは、リリスにも抱きつく


「リリスたんが、いなかったら全滅してたね……ありがとう……」


リリスもデレンデレンになった。


香織が、「ねぇ 誰か歩いてくるよ……」


ランディはまた敵が来たのかと、減なりしたが、やって来たのは、パット見でボロボロの姿と判るガルであった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◇リメインズ軍、マクリード方面部隊 駐屯地◇


そこにはリメインズ軍4部隊が駐留していた。

その規模、兵士200人、メガストラム116体、ギガストラム12体、と言った恐ろしい規模のストラム兵が待機していた。



ガルは、下調べを済ませてから、「さてと……久し振りに本気で戦うかな……」


ガルには大軍相手にも勝算のある作戦があった。


出来るだけ不意をついて、メガストラム、ギガストラムを破壊して、状況が悪くなったら、ガルの持つ

短剣『風神剣』で、暴風を作り混乱に乗じて一掃殲滅する作戦だった。


しかし、ガルはリメインズ軍の強さを完全に見誤っていたのだった。


ガルの誤算は3つ。


1つ目はギガストラムの防御力、ガル自慢の『覇王剣』ですらギガストラムに深く傷をつけるだけで切断には至らない。


2つ目はギガストラムの光線攻撃、ギガストラムの吐き出す光線はランディ同様ガルにも、ダメージを与えた。


3つ目は各部隊を率いる隊長たちを過少評価していたこと、彼らの使う『魔光破』もガルにダメージを与えることが出来たのだっだ。


ガルは、ギガストラムの光線攻撃と隊長の魔光破を兵士達を盾にして防ぐと言う作戦に気づかなかったら負けていただろう。


結果ガルは、手持ちのヒールポーションを使い切り、それでもHPの7割を失った。


そして、リメインズ軍の大隊長及び精鋭達が、Cクラスのキャンプ地の方に向かって行ったと聞いて、慌てて戻りランディの居場所を調べたのだった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ガルの事情聞いたランディは「そうか……そんな事が有ったか……」


ランディの『パーフェクトヒール』で完全回復したガルにも、ランディたちに起きた出来事を話した。




お互いの情報交換を終えて、ガルは背伸びをしながら、「それじゃ学校に戻りますか……」


「学校? ガルさん 何で学校に用事があるの?」

マーニャがガルに質問する。


「おう、リリスの通ってる学校ってさ、使い魔ってのがいるんだけど、俺達リリスの使い魔として学校生活を漫喫してるのさっ」


「ふぅん、私はどうしたら良いかな?」

マーニャがさらに質問する。


「リリスたんの4番目の使い魔ってのは?」


「いや、無理があるだろ ランディ……リメインズ軍と戦う為に、ランディが召喚したで いいんじゃないか? それともリリスの家でずっと留守番するか? マーニャ」


「私、留守番は嫌だなあ……」


ランディはマーニャの気持ちがわかるようだ。

(こんな異世界に来ていきなり独りぼっち何てあり得ん。マーニャの事は、校長にでも言ってごり押しすれば良いだろう……)


「マーニャの事は、何とかする……先ずあの3人の使い魔を学校まで運ぶぞ」


こうしてランディ達は鉱石坑道を後にした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◇『クロウス学校』(リリスの通う学校)◇


ランディ達の到着に 学校全体が騒然となった。


後で聞いたのだが、リメインズ軍に襲われたのはランディ達だけではなかった。


とくに、Bクラスの被害は甚大で、死者は出なかったが、半数以上の使い魔が重傷になっていた。

そこで、救いだったのは、Bクラスと鉢合わせしたリメインズ軍は、生徒達には全く手を出さず逃げる者も追わなかったようだ。



Aクラスも、リメインズ軍と鉢合わせをして、戦闘になったが、オエアーの使い魔のルシフルがたった1人で、1部隊を殲滅させてしまった。



そんな事があって、帰りの遅れたリリス達がリメインズ軍に捕まったのではないかと騒いでいたら、リリス達が無事に帰って来たのだった。




しばらく、生徒達に『無事でよかった』『大丈夫?』『隣の国が攻めて来たって本当か?』とか、色々聞かれたけど、直ぐに複数の先生に連行されてしまった。



◇校長室◇


この部屋には、校長先生、複数の先生、オエアーと

その使い魔ルシフルがいた。


校長先生が、皆に向けて話始める。


「さて、2年の先生と生徒達からは大体の話は聞いたのだが、君たちからも直接話を聞きたいと思ってな……恐らく隣の国のリメインズからの侵略だと思うのだが……何分情報が少ない、取りあえず上の機関には、我が校の生徒達が襲われたと報せは送ったが、君たちは何か判らないかね?」



校長先生の話にガルが答える。

「相手はリメインズ軍で間違いないよ。規模は500と少し、目的はこの国にある輝石や鉱石、1部隊50人編成で10部隊投入していた。 さらに同時にマルクズィヤ魔導連邦にも、同じ目的で進軍しているって話だ。厄介なのは、メガストラムとギガストラムの魔導兵器……強力な物理耐性と魔法耐性を持っていて、さらに光線攻撃で命を削る……今回ばかりは命の危機を感じたぞ……ランディも大苦戦したので、強力な味方を召喚までしたんだ……」



先生達の知りたかった事以上の答えを用意したガルに、一同唖然とする……


「が、ガル君……それは本当の事かね? 一大事処の話じゃ済まないぞ……それに命の危機って事は、ガル君も戦ったんだな……それで倒せたのか? あの何ストラップとか言う兵器に……」



「ストラムな……メガストラムにギガストラムは生命感知があるようだから簡単に逃げられん……取りあえず出会った部隊は倒しておいた……俺とマーニャで……って殆んど俺なんだが……5部隊と司令官を倒した。暫くは攻めて来ないだろう……」



ガダガダッ!!


校長先生が驚く「なっ……何だって!?、あなルシフル君しか対抗出来なかったあのストライク兵器を……Bクラスの使い魔達はなす術もなく皆、重傷を負ったのに……」



いつも冷静なルシフルも驚きが隠せないようで、「ガル、あの青銅色のストラム兵……よく倒せたね……私の『エクスプロージョンフェザー』が効かない程の相手でしたよ?」



オエアーも話に参加する「イベリコ先生の最強魔法『黒魔光破』でも全く通用しない怪物だったのに……」



「いや、ハッキリ言ってもう1人じゃ戦いたくないね……次同じ相手が来たら、逃げるさ……出来るだけアレは使いたく無いんだ……」


ランディはガルを見ながら(ガルの歯切れが悪い、使いたく無いような奥の手が在るのか……今度聞いてみよう)と思っていた。



驚きから回復した校長先生は「ではあのストライキ兵を我が校の使い魔、ルシフル君とガル君の2人対処できるんだね?」



ガルは「出来るが、俺を頼りにするな、ランディを頼れ!」


「何で僕?」ビックリするランディ


「あと、ランディの召喚したマーニャを使い魔として、学校に来させてくれ、いいだろ?」


校長先生は「う、うむ……判ったあのストイック兵に対処できる戦力なら此方からお願いしたい……だが……」


「だが?」


「2年の使い魔の半数以上が大怪我をしているので、2年の授業は暫く閉鎖しようと他の先生方と話していての……」



ガルは何か思い付いたように話す。

「それなら名案があるぞ、その代わり校長、1つ頼み事がある」



校長先生は、何故かガルに気圧されていた。

「な、何だねガル君?」



「なぁに、ちょっと怪我人を1ヶ所に集めてくれないか? ランディ、いけるか?」



ガルの意図に気づいたランディは、

「ああ覚えてるけど、頼み事って何だ?」



「ああ、後で教えるよ……」




◇学校にある空き部屋◇


ここに、重傷、軽傷含めた40人がすし詰め状態になっていた。


部屋の外から生徒達の質問や野次が飛び交う。


ランディは部屋の外側でひきつった表情をしついた。(ちょっとガルさん? 何してくれんの?……僕目立ちまくりじゃんか……こんなの僕の予定に入ってません!)



気後れしているランディにガルはやれやれといった感じで、バックパックから1つの木管楽器を取り出して、音を鳴らす……



(なぬ? ガルは笛も吹けるのか!? し、しかもこれは……アントキ○猪木の入場曲じゃないか……あっ……なんかノって来た……)


ガルの演奏するクラリネットに ランディは段々とノって来た様で、意気揚々と怪我人達の中央に立つ……


先生達も生徒と一緒にランディの行動を見守る……


「第3レベル呪文……ヒールサークル」


使い魔達は、軽傷者、重傷者を含め、生命力を削られた者、目に見える傷を受けた者等しく、完全回復してしまった。



突然の出来事に、驚く使い魔たち。部屋の外から覗いている先生と生徒達は、何が起こってるか判っていないが、数名の使い魔達がそれぞれの主に、自分のダメージが、一瞬で回復してしまった事を伝えてから、騒ぎが大きくなり始めた。



これを見ていたオエアーの使い魔ルシフルは自慢気のガルに話しかける。

「凄い物を見たよ……でも良いのかい? 奥の手をあっさり見せて……」



「ふっ……ランディにとって、この程度など当たり前の事だ、なあルシフル、あれが連発出来たら戦いが変わると思わないか?」



「なるほど……やっと彼が『回復メインのサポート』って言った事が理解できたよ……」


その話を盗み聞きしていた、Aクラスの担任の先生は気絶していた。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◇校長室◇


校長先生が恐る恐る話す。

「で、頼み事とな何だね?」

(アレだけの事をしたんだ……きっと目茶苦茶な要求に違いない)と内心覚悟していた。



ガルが口を開く……

校長先生は『ゴクリ』と唾を飲み込む……


「今度大型獣が出現したら俺達にくれ」



「は?」聞き直す校長先生。



「だから、次に大型獣が出たら俺たちが倒すから……わかった?」



ガルの話した意味を理解した校長先生は「わかったも何も、こちらとしては逆に助かるのだが……あっ、君達は素材が欲しいのかね?」

校長先生は大型獣の特殊な素材が欲しいのだろうと察したようだ。



「そうだ……でも欲しいのは血と肉だけだから残りは上げるよ……あと倒すのは俺達がやるけど、運ぶのは何人かに手伝って貰うからな……」




そんな感じで交渉が成立した。



備考としまして、回復呪文の回復量をのせておきます。


ライトヒール


アルバ、トイバ、モクバ≡41~61

5レベルクレリック≡45~65

アーサー≡47~67

10レベルクレリック≡50~70

ランディ≡90~110


ヒール


5レベルクレリック≡90~130

アーサー≡94~134

10レベルクレリック≡100~140

ランディ≡180~220


シリアスヒール


5レベルクレリック≡160~180

アーサー≡168~188

10レベルクレリック≡180~200

ランディ≡340~360


クリティカルヒール


アーサー≡296~336

10レベルクレリック≡320~360

ランディ≡640~680



になります。

目指せゲーム化♪ヽ(´▽`)/

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