表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/172

67#リリス覚醒 前編

リリス覚醒、前編、後編は攻撃魔法がバンバン出ます。



 ランディは吐血したまま、リリスを見つめて動かない。



 そんなランディにリリスは、

「ラ、ランディお願いだから……もう、逃げてよぅ……」

 リリスは泣きながら、ランディに懇願(こんがん)する。


 ランディがリリスに話しかける。

「リリス……僕の最後の賭けに乗ってくれ……頼む……」


 リリスは意味が解らず「えっ?」と答えるだけであった。



 高位魔導士の1人がランディの様子を見て、

「血を吐いているぞ! もう一息だ、魔力をためるぞ!」

 と意気込んだ。



 ランディが口を開く「第6レベル呪文……」


「え!? 第6?」始めて聞く呪文のランクに驚く香織。


「リバース!……」


 リリスもマーニャもランディを見つめている。


「リムーブカース!!」

とランディがリリスに触れた瞬間、一気に気圧が変化したと共に『キーーン!』と耳鳴りを周囲の人々は感じた。


「「きゃっ」」

 香織とマーニャが小さな悲鳴を上げる。


 しかし、リリスは無反応だ。


 ピキ……ピキッ……ピキキキ……

 リリスを中心に何かがひび割れる様な音がする。


 パキ……パキパキ……パキキ……バキッ

 その音は少しづつ大きくなっていく。


 パキバキ……バキッ……バキリ、バキバキッ……

「空気が……大気が割れる!?」

 と香織が言う。


 バキバキバキバキッ……ガッシャャャャャン!!


 またしても気圧が一気に変化する。


「何? 何が起こったの? 」マーニャが呟く。



 そして、今まで微動だにしなかったリリスが動き出した。

『ランディ……よくぞ今まで妾を護ってくれた……礼を言う』



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ランディは全白の空間で、第6レベル呪文を選択する直前、ある夢を思い出したのだ。


 1人の男が命を投げ出してまで封印した赤子の事を……ランディはあの赤子がリリスではないかと思ったのだ。


 そして、第6レベル呪文の一覧にあった『カース』と言う名の呪文に、リバーススペルの※印。


 こうして、ランディはあの赤子がリリスである事。

 赤子を封印した魔法が呪いの一種である事。

 第6レベル呪文『カース』のリバーススペルが、呪いの解除である事。


 赤子の父親の命を賭けた封印に、自分の魔法が通用するかどうか……

 全てが確証のない賭けであったが、ランディは『カース』の呪文を2回選択し、意識を取り戻したのだった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 声色の劇的に変わったリリスは、ランディに微笑みかける。


『ランディ、よくぞ今まで妾を護ってくれた……礼を言う』

 とリリスは呆然としているランディの額にキスをした。


『後は妾に任せるがよい……』


 この様子を黙って見ていた高位魔導士と上級兵士に対して、場の空気の読むことの出来ないギガストラムは、光線を吐き出した。


 リリスは即座に手をかざし『魔光破』と言った。

 リリスの魔法がギガストラムの光線を相殺する。



「何だとっ!?」

 高位魔導士の1人が叫ぶ。


「い、今のは『魔光破』? 詠唱無しで? そ、そんな馬鹿な事あるものかっ!!」

 もう1人の高位魔導士も叫ぶ。


 そのまま叫んだ後、怒り任せの魔法を唱える。

「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破!」


 禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速でリリスに向かい弾け跳んだ。


 リリスはその魔法に対しても『黒魔光破』と声を出し、一瞬で60cmの球体を作り出し、射出して相殺した。



 その時、リリスの次の行動を察知した上級兵士が、慌てて叫ぶ。

「ギガストラム、あの女の攻撃を受け止めろ!」


 その直後リリスは『黒魔光破』と声を出して高位魔導士魔導士の1人を攻撃をした。


 物凄い速度で禍々しい黒い線が60cmの球体になり敵を襲う……ドゴン!


 リリス撃った『黒魔光破』は、ギガストラムによって防がれてしまう。


『ほう……やはり、頑丈に出来ておるの……』


「す、凄い……」

 香織が呟く。



 詠唱無しの魔法攻撃に、うろたえる高位魔導士達 わそんな高位魔導士達に上級兵士が話しかける。


「ま、魔導士殿、アレを……アレをお願いします」


 上級兵士の言葉にやっと思い出したのか、高位魔導士のうちの、一人が他の高位魔導士に激を入れる。

「そ、そうだ、我々にアレがある! 合体魔法で一気に殲滅させるぞ!」


「「「おう!」」」


 気合い乗った声と共に高位魔導士は2組に別れて、左手を重てかざし、魔法の詠唱を開始する。


「「冥府の番人よ、混沌の闇より黒龍の力を開放し、その力を彼の者に浴びせよ。魔天黒龍破!」」


 リリスも、両手をかざし、高位魔導士と同じ魔法の詠唱を開始する。

『冥府の番人よ、混沌の闇より黒龍の力を開放し、その力を彼の者に浴びせよ。魔天黒龍破』


「ば、馬鹿な……アレを1人で唱える事が出来るのか? それに両手をかざすなんて聞いたことないぞ!」


 高位魔導士の背後に、黒龍の幻影が見える、その黒龍の顎が開かれ黒い閃光を吐き出した。


 そして、リリスの背後にも、双頭の黒龍の幻影が見える、その黒龍の顎が開かれ黒い閃光を吐き出した。


 そして、黒魔の黒い閃光がぶつかり合い相殺された。

 高位魔導士4人がかりの『魔天黒龍破』2発が、リリス1人によって、防がれてしまう。


「そんな……そんな……」

 この時点で4人の高位魔導士は戦意を喪失してしまう。



 リリスは言った。!

『よくも、妾のランディをあれだけ傷め付けてくれたな……仕返しぞ……』

と言って再び両手をかざして魔法の詠唱を開始する。


 上級兵士は、

「はっ、ギ、ギガストラム俺を守れ!」



『冥府の番人よ、混沌の闇より黒龍の力を開放し、その力を彼の者に浴びせよ。魔天黒龍破』


 双頭の黒龍は1発目を上級兵士に向けて、2発目を高位魔導士達に向けて攻撃した。


「そ、そんな……あれほどの魔法のをため無しで う、撃てるなんて……ぐぎゃゃゃゃゃ」

「あ、悪夢だ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「嘘だ、嘘だぁ! ……ぐぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「し、死にたくない……うぎゃゃゃゃゃゃゃゃ」


 4人の高位魔導士は消滅してしまった。


 しかし、上級兵士の方はギガストラムに守られて無事だ。


『呆れるほど、頑丈に出来ておるの……』



 上級兵士には、僅かだか希望が蘇った様だ。

「よ、よし! これなら増援が来るまで持ちこたえられる…………あっ……き、来た……」

 上級兵士の、見る先には援軍の姿が見えた。



 少し離れた所から4人の上級兵士と4体のギガストラムがやって来ている。


 上級兵士は元気を取り戻した。

「いける! ギガストラム5体なら勝てる……」




 当然、リリス達も援軍が近づいてくるのは、察知していた。

『ふむ、折角来たのに悪いが、あやつらには退場してもらおう』


 リリスは右手をかざす。

『暗黒の力、七つの鍵をもって開放せよ、ルルイエの紋章に集い全てを貫く魔光となれ……』


  「はっ!?……そ、その詠唱は……伝説の……伝説の……伝説のぉぉ!」


『降魔紋章光破』

 リリスの周囲に7つの光の玉が出現して、左手の前に紋章を描く、紋章が完成するとより一層輝きだし、紋章の形のまま光線となり、敵達を襲う。


 4人の上級兵士と4体のギガストラムは何の活躍することも無く消え去ってしまった。



 だが、リリスの猛攻は まだ終わらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ