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66#ランディ最後の賭け

リリスが寝ているランディを見て、香織に話しかける。

「ランディ、大丈夫かなぁ? 物凄く、物凄ぉく攻撃受けたよね?」



香織はリリスを安心させるように話す。

「大丈夫よリリス、ランディは自分で回復呪文を使ったじゃない」

(でもランディ……アルバ君とモクバ君の酷い怪我も『ライトヒール』1回で全快させたのに、自分には『パーフェクトヒール』をかけた……いったいどれ程のダメージを受けたのランディ……)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



リメインズ軍の精鋭部隊の第②班が、自軍の死んでいる兵士を見つけた。


「近いぞ……ギガストラム、我々以外の生命反応があったら、威嚇で少し外して1回攻撃しろ……では魔導士殿、万が一ギガストラムが苦戦するようでしたら お願いします」


高位魔導士も頷く「わかりました……」






そして、ギガストラムは香織とリリスは見つけ、威嚇攻撃の光線を吐き出した。


「きゃっ」「えっ!?」



ギガストラムのお陰で香織とリリスを発見した上級兵士は「そこの2人! 我等の尖兵を壊滅させたのはお前らか!」


「…………」

香織は、答えない。


「…………」

リリスも答えない。



「ふん、答えないか……ならば答えたくなるようにしてやろう……」



香織とリリスの後ろから声がする。

「待て! あの兵士を殺ったのは僕だ……」


2人の後ろからランディとマーニャが歩いてきた。


ランディとマーニャの表情は深刻そうであった。

何故なら、ランディとマーニャは休息をしてから3時間たっていない……ランディは新たに呪文を覚えられず、マーニャも魔力が殆んど枯渇したままであった。



「お前達だけで? たった4人でないか…… 」


そこに1人の高位魔導士が上級兵士に耳打ちする。

「ギガストラムを無傷で3体見つけた、もしかしたら命令前に、やられたのかもしれない……」


「ああ、たしかに不意討ちを受けたみたいだな、だがメガストラムはどうなったのだ? おかしい……」


上級兵士はランディに、「おい!そこの男! メガストラムをどうやって倒したのだ? 」



ランディは速答で「同士討ちだ……」と答えた。



「同士討ち? そんな話信じられんな……」


ランディは続けて話す。

「ならば、試してみるか?」


ランディは持っているメイスをわざと兵士達にみえるように投げて、構える。



「何? ギガストラムと素手で戦うと言うのか? 時間稼ぎのつもりだろうが、面白い……いったい何時まで持つかな……よし! その、話乗った。ギガストラムそいつを攻撃しろ!」


そして、高位魔導士に小声で、「魔導士殿、援軍が来るかもしれないので、気を付けて……」


上級兵士はランディが援軍の到着を期待して、時間を稼いでいると思ったのだ。


何故なら、ギガストラムは1部隊の隊長と副官、大隊長と側近のみが命令できるようになっている。


もちろんそれらは、一人一人が強い力を持った兵士、隊長と副官を一瞬で倒し、さらにメガストラムを破壊するのに4人では絶対に無理であると決めつけていた。



そして、ランディはランディで、賭けに出ていた。


逃げるにしても、逃げ切れるのは、良くてランディ自身と香織だけ……魔力が枯渇して動きの悪いマーニャはもちろんの事、リリスも捕まるだろう。


ならば不確定要素は多いが、自分の中に燻ってる未知の力をに賭ける事にした。

と言ってもランディにそれしか選択肢が無かった。


「第5レベル呪文……スペルレジスト」


ランディが呪文を唱えた直後にギガストラムの光線が吐き出され、ランディに命中する。


「……」

(うん、ビームの威力は半減できてる、これなら後100回くらいなら耐えられると思う……)


「ランディ!」「ランディ!」「お兄ちゃん!」


ランディを心配する女性3人。


「まだまだ! 行くぞ!」


ランディとギガストラムは拳を合わせ接近戦となった。


ギガストラムはメガストラムより力が少しだけ強いが、それだけだった。

力が少し強いだけでランディを抑える事は出来ない。


ランディにとって鈍いギガストラムのパンチにカウンターを当ててみたり、 腕を取り関節を決めようとしたりしているが、ギガストラムには全く効果が無い。


「あいつギガストラムを圧倒してるだと!?」

驚く兵士がさらに驚いた。


ランディはギガストラムに対して力比べをしていた。

そして、ランディは頭の中で時間を数えていた。

(57、58、59、60!)


ギガストラムの光線が吐き出される直前ランディの膝蹴りがギガストラムの顎を穿つ。

ビーッ!


ギガストラムの光線は斜め上に吐き出され、ランディには命中しない。


「何だと!?」


香織達は、ランディの危機を忘れて見とれている。


リメインズ軍の高位魔導士も「今のは偶然か?」「いや、それよりあいつの腕力は何なのだ?」「ギガストラムは片手で巨漢の兵士を持ち上げられるんだぞ」「美しい……」「おい、敵に見とれるなよ」「あっギガストラムが投げ飛ばされたぞ……」と話し合っている。


そして、ギガストラム3回目の光線はランディ命中する。


「……」


しかし、ランディはわざとギガストラムの光線を受けていた、そうランディの中に燻ってる未知の力を増幅するために……


ギガストラム5回目の攻撃を受けた時、4人の高位魔導士が左手をランディに向けて手をかざす。


「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破」×4

禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速でランディに向かい弾け跳んだ。


「グハッ……」


ランディは『黒魔光破』の4重攻撃に大きく体勢を崩す。

そこにギガストラムのパンチがまともに命中し吹き飛ぶ……


それを見ていた上級兵士が静に話す。

「良い見世物だった……だがお前を生かす訳にはいかない事は判った。5対1で悪いが死んで貰った」



「ランディ」「ランディ!」「お兄ちゃん!」

香織達3人は慌てて、ランディの所まで駆け寄る。


さらに、上級兵士の予想に反してギガストラムもランディの所まで走り出す。


「ギガストラム?」

上級兵士は何故ギガストラムが勝手に動いたのか疑問だったが、直ぐに疑問は解消した。


ギガストラムは、倒れいるランディに攻撃しようとした、ギガストラムは突然空中に浮かび、大木に激突した。


そこには、女性達を守るように立っているランディの姿があった。


ギガストラムだけにはランディの死んだふりは通用しなかった。

「なっ!?」×5


「何なんだお前は? 普通の人間なら『黒魔光破』なら一撃で死ぬと言うのに化物か?」


驚く高位魔導士に上級兵士が話す。

「魔人族の使い魔には、異常に体力のある奴もいるようです。 たぶん彼奴がそれかと……それに彼奴も無傷では済まないはず……それに、女共のお陰で彼奴も逃げられないでしょう。引き続き攻撃をお願いします。ギガストラムこちらに来い! そして光線攻撃のみ開始しろ!」


高位魔導士達も「よ、よし……もし逃げたら女達を標的にするぞ!」

とランディを脅し、魔法の詠唱をはじめる。



ランディは苦い表情になった。

(逃げるつもりは毛頭ないけど、隙が有れば、魔法使いは倒しておきたかった)



「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破」×4

禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速でランディに向かい弾け跳んだ。


「グハッ……」

ランディの唇から血が流れていく。


「まだ生きてるのか……もう一回食らえ!」

次の魔法攻撃の為に、魔力を貯める高位魔導士達。


「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破」×4

禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速でランディに向かい弾け跳んだ。


「グハッ……」


ギガストラムの光線もランディに追い打ちを掛ける。


「……」


ランディの口から漏れる血の量が増す……


「お兄ちゃん、私の事はいいから逃げてぇ!」

「そうよ、ランディ、ランディ1人なら逃げ切れるじゃない……」

「ランディ……私、ランディが来てから幸せだったよ、もういいから……もう……逃げて……」


しかし、ランディは3人を庇う姿勢のまま動かない。

(あと少し、あと少しのはずなんだ……)


更に、高位魔導士の攻撃が続く……


「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破」×4

禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速で再三ランディを襲う。


「グハッ……」

(あと少し、もう少しだ……)


「ランディ……ぐすっ もう逃げて……」

「お兄ちゃん、死なないで……」

「ランディ!ランディ!」


高位魔導士も意地になって、攻撃を浴びせかける。

「これならどうだ!!」


「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破」×4

③禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速でランディに向って弾け跳んだ。


「グハッ!」

ランディは大量に血を吐き出し、意識を失った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ランディ視点


ん? ここは何処だ? ただただ 真っ白い部屋に僕はいた。

しかし、死んでいない事くらいはわかる。

だって僕の体力、半分以上の残ってるもの……


あっ……目の前に文字が浮かんできた。


僕は浮かんできた文字を読む。


『暗黒力が一定値貯まりました。下記から使える機能を選択しなさい』


その文字の下にはこう表示されていた。


『① 1日間呪文の効果が2倍になる』

『② 呪文を再取得し直す』

『③ 第6レベル呪文の一時的開放』


僕は迷わず③の第6レベル呪文の一時的開放を選択した。



第6レベル呪文 -02


ディテクトアイテムLVⅡ≡物品探知距離無限

レイズデットLVⅡ※≡死体の5割の体が有れば蘇生可能、蘇生期限レベル×1日

アンデット化LVⅡ≡死体からグール、ワイト、ジャイアントボーン、レイス、スーパーゾンビ等を作り出す。

スペルイミュニティLVⅡ≡第3レベル呪文以下を無効化する。無効化時間は1時間

クリエイトアンデットLVⅠ≡アンデットモンスターを産み出す。

カース(呪い)※≡対象に呪いをかける

鋼皮LVⅡ≡通常武器からの完全防御 効果時間 は1時間

ストライキングス≡6人までの武器又は拳等に追加をダメージ付加 効果時間は8時間

クリエイトルーム≡異次元から部屋を召還する。効果時間は24時間、広さはレベル×㎡




どうらや第6レベル呪文を2回分覚えられるようだけど……


くう…… 魅力ある呪文ばかりだけど、今の危機を回避するような呪文が……ない!



僕は、もう僕はここまでなのか……


途方に暮れる……


その瞬間、僕の頭に電撃の様なショックを感じた。


あっ……これなら……これならもしかして……現状を打破出来るかもしれない……


しかし、あくまでも希望的予想に過ぎない……


勝算の殆んど無い賭けだが、もうこれしか無い。


僕はある呪文を選択した。

さて、問題です。



ランディはいったいどんな呪文を覚えたのでしょうか。



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