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45#プロローグ(凶兆)

主な登場人物 オロチネス将軍

口癖は「……で、」


副官ガライア

口癖は「ハッ!」

ここは、世界全体が九ヶ国しかないと言う、わりと小さな異世界。



その一国、遺跡の多数点在する国『リメインズ王国』


リメインズ王国の王都にある、大きな建物、その中の一室で。


一人の二十代後半らしき青年が 入室してきた。


「失礼します……オロチネス将軍、ストラム兵製造 全工程完了しました」


オロチネス将軍らしき四十代半ばの男性が振り返る。


「うむ……で、それぞれ何体仕上がった?」


「ハッ! メガストラム1024体、ギガストラム108体、テラストラム6体 製造完了しました」


「ご苦労……で、これ以上の増産は可能か?」


「ハッ! メガストラムは増産可能ですが、ギガストラム、テラストラムについては、我が国のレアメタルを使いきってしまいましたので、増産出来ません」


「やはり、これ以上開発は隣国から強奪するしか無いか……」


「その事ですが、ギガストラムなら20体、テラストラムなら、2体も導入すれば隣国相手に勝てると計算されています」


「ほう……初期実験でそれほどの成果が出たか……で、あれの成果は?」


なおも、ふたりの会話は続く……


「ハッ! それにつきましては、現在三組ほど調整が完了しています。内一組は、今回のテストのために呼んでおります」


「そうか、今回は私も見たい……実験場に行こう」


「ハッ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


◇ストラム兵 開発実験場◇


実験場の中には、六体の人間を模した人形が立っていた。

その人形は、身長2m 石と金属の中間的な、不可思議な物質で出来ていた。

形は六体とも同じであるが、色に違いがある。

三体は灰色、二体は青銅色、一体は鈍く輝く銀色であった。


そして、それらを見守るのは、二人の戦士と思われる男、多数の白衣を着た男達、奇妙な服を着た男が三人。

そこに、オロチネス将軍と、副官のガライアが到着した。


「では早速頼む……」

オロチネス将軍は副官のガライアに指示をだす。


「ハッ! では武器のテストから行きます。

城下町にある、良い武器を造ると言われる武器屋で、最高の一品を用意しました」


白衣を着た男達が、戦士に両手剣ともう一人には釘付き鉄球を渡した。


「先ず、メガストラム、ギガストラムの順で攻撃をします……始め!」


戦士二人は、灰色の人形、メガストラムに攻撃を与えた。

ギィン! ドカン!


鉄球の攻撃によろめくメガストラム。

剣の攻撃にはびくともしない。


続いて、青銅色の人形、ギガストラムに攻撃を与えた。

ギィン! ドカン!


鉄球の攻撃にギガストラムもよろめいた。

剣の攻撃にはびくともしない。


オロチネス将軍は、副官のガライアとダメージ確認をする……


「4体とも無傷ではないか……素晴らしい……で、もっと強力な武器は無いのか?」


「ハッ! あれを持て! ……」


すると、白衣の男が、豪華に装飾された長方形の箱運んできた。


「まさか、国宝『ランスロットの剣』を借りてきたのか?」


「ハッ! オロチネス将軍の名前を借りました。

世界十聖剣が一つ……聖剣『ランスロットの剣』です」


「さ、流石に聖剣の前では、我がストラム兵も霞んでしまうな……」


「そんな事はありません、今度はテラストラムも入れて、耐久実験します。 開始!」


戦士の一人が メガストラムに斬りかかる。

ギィン!……ゴトリ……

メガストラムの腕を切り落とした様だ。


続いて、ギガストラムに斬りかかる。

ギィン!……

ギガストラムの腕に深さ1cmの傷を付けた。


さらに、テラストラムに斬りかかる。

ギィン!……

なんと、テラストラムは無傷だった。


「す、素晴らしい……聖剣をもってしても無傷とは……」


「オロチネス将軍、ギガストラムの傷にご注目下さい……」


ギガストラムの傷は少しずつ修復しているではないか……


「我々は、恐ろしい物を開発したな……」


「ハッ! これから魔法耐久実験をいたします。

魔導師準備を……」


三人の魔導師が、三種類のストラム兵に 15mの距離をとって、左手を(かざ)し構える。


「始め!」


三人の魔導師達がそれぞれ魔法を詠唱する……

「我が力、魔の下に凝縮し魔光となり弾けよ。魔光破!」


おびただしい数の細い光が、術者の左手の先に集まり直径30cm程の禍々しい光の玉に膨れ上がり、光線となった。


ズドン! ズドン! ズドン!


それぞれの光線がストラム兵に命中する。


「オロチネス将軍 結果はメガストラム、ギガストラム、テラストラムともに無傷です」


「うむ……次だな……はじめてくれ」


「ハッ! 『黒魔光破』始め!」


三人の魔導師が左手を(かざ)す。

「黒の使者よ我と共に力を束ねよ、強力な魔光となりて、敵を打て。黒魔光破!」


禍々しい黒い線が術者の左手の先に集まり黒い球状になってゆく……それが、60cm程の大きさになったとたん、超高速で敵に向かい弾け跳んだ。


ドゴン! ドゴン! ドゴン!


この魔法の結果に固唾を呑むオロチネス将軍……


「メガストラム・ギガストラム・テラストラム、共に無傷です」


「おおっ 我が軍最強魔法が、無傷か……」


「オロチネス将軍、もう『黒魔光破』は我が軍最強では無くなりました」


「おおっ そうだったな……では見せて貰おう、もう一つの大発明『合体魔法』を……」


「ハッ! 双子の魔導師の成功を手がかりに、調整と選別を繰り返しました。

見て下さい、マルグズィヤ魔導連邦の神官しか使えないと言われる『魔天黒龍破』を……」


二人の魔導師が、左手を(かざ)し魔法を唱える。

「「冥府の番人よ、混沌の闇より黒龍の力を開放し、その力を彼の者に浴びせよ。魔天黒龍破!」」


術者の背後に、黒龍の幻影が見える……

「おおっ、黒龍が見える……」

その黒龍の顎が開かれ黒い閃光を吐き出した。


「ゴクリ……結果は……?」


見ると二体のストラム兵が立っていた。

「メガストラム大破、ギガストラム、テラストラム、共に無傷です!」


オロチネス将軍だけでなく、この場にいる全員歓喜の声を上げる…… 大量生産可能なメガストラムは耐えきれなかったが、ギガストラム、テラストラムは

現存する魔法に耐えきったのだ……


この場にいる全員が核心した。

近い内に、我々リメインズ王国が、世界を征服すると……


オロチネス将軍が興奮覚めやらぬ口調で話す。

「攻撃性能はどうだ? 理論値は知っているのだが、実験出来るか?」


「ハッ! 罪人を3名用意しています、屈強な罪人を集めましたので、一撃で死ぬことは無いかと……」


「良し! では始めよう……」


罪人Aが話す

「本当に実験に耐えたら減刑になるんだろうな?」


副官のガライアが答える

「本当だ、三種類あって、半年、一年、三年の減刑が約束されてる」


罪人B「よ、よし……俺は一年を選ぶ」


罪人C「あっ ずるいぜ、なら俺は三年だ……」


罪人A「なら俺は半年だな……」


「オロチネス将軍、それぞれのストラム兵の第一命令権をオロチネス将軍に、設定してあります。

攻撃の合図は『撃て』です」


オロチネス将軍が、罪人Aに指を差し命令する。

「よし……メガストラムよ、そいつを撃て!」


するとメガストラムは口から光線を吐き出した。

ビーッ


罪人A「ぐはっ……よ、よし半年の減刑だ……」


オロチネス将軍は、今度は罪人B指を差す。

「次だな、ギガストラムよ、そいつを撃て!」


するとギガストラムからも口から光線を吐き出した。

ビーーッ


罪人B「ギャッ! …………はぁはぁ、やったぞ耐え抜いたぞ」


罪人C「よし!次は俺だ! ドンと来い!」


オロチネス将軍は、罪人Cに指を差し。

「テラストラムよ、そいつを撃て!」


するとテラストラムから、禍々しい色の光線が吐き出された。

ビーーッ!


罪人C「グワァァァァ!…………………………」

罪人Cは死んでしまった。


「あの屈強そうな男を一撃か…………」


「ハッ! オロチネス将軍、攻撃力は推定値ですが、メガストラムは『光破』ギガストラムは『魔光破』テラストラムは『黒魔光破』程度の威力があります。 ついでに、約1分の時間を置けば再度、光線を吐き出せます」


「ふ、ふははは……こ、これなら8ヵ国同時に相手をしても勝ててしまうではないか……」


「オロチネス将軍、今後の作戦は?」


「おっ、そうだったな……先ずは例の資源が欲しい……隣国のマルグズィヤ魔導連邦と魔族の国、マクリード国を攻めよう、まあ我々の目的は全面戦争ではなく、資源強奪が目的だがな……」(ふふふ、これで、どちらかの資源が手に入れば、アレも完成するだろう……その時こそ、私が世界の王に成る時だ……ふはははは……)



~この世界は、南側に位置する『リメインズ王国』の一人の将軍によって暗雲が広がりつつあった。~



魔法解説


① 光破 ……最弱の魔法、一撃では健康な大人はなかなか死なない


②魔光破……人間の一般的な魔導師がつかえる魔法

普通の人間なら一撃でしぬ事も……


③黒魔光破……優秀な魔導師が使う魔法、強い人間をも一撃で倒す。


④摩天黒龍破……天才魔導師達が使う伝説の魔法複数の生き物を一撃で始末する。

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