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38#エピローグ(キンジの異世界奮闘記1)

2章に行く前に 閑話をまぜました。

おれの名前は、森尾金次(もりおかねつぐ) 今は冒険者見習いをしている。


前職は、日本の架空請求詐欺って実態のない出会い系サイトの現金引き出し係をしてたんだぜっ。


おれの仕事仲間は、カーズさんとアーサーさんに、呪われるか 殺されるかの2択だった。



そうおれを除いては……

そのおれはと言うと、カーズさんに無理矢理 異世界と言う場所に連れて来られた。


いくら、まともな人生設計をしなかったおれでも わかる……いきなりこんな異世界に連れていかれて世間知らずのおれが、生きていけるはずがない。

おれは生きるために、カーズさんとアーサーさんにしがみつく事にした。


土下座をして、もう人は騙さないと涙ながらに誓い

なんとか、着いて行く事を許してもらい。


ついでにカーズさんの部下になって、『木』のバックルまで貰った。


バックルを装備してからは毎日体の調子が良い。

ついでに、おれは魔法使いの素養が有るといわれ、

魔法使いになるため、日々訓練中だ。


今回はその カーズさんとアーサーさんの 話をしよう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「待ってくださいよぅ カーズさんアーサーさん」

普通に歩いているカーズさんとアーサーさんに追い付かない

アーサーさんがあきれたように口を開く

「キンジ(かねつぐ) お前 遅い 早く体力付けろ」


このまま待つことなく無言で町の裏通りを練り歩く

おれは小走りで追い付くのがやっとだった。


ふと2人が立ち止まる……2人の見ている先には 1人の女性が 2人の強そうな男達に、絡まれているようだ。


はっきり言って この町の治安はかなり悪い、 深夜の渋谷を思わせる。


そんな治安の悪い場所に 女性が1人で歩くなんて正気の沙汰じゃない。


「カーズさん、今回も無視っすか?」


カーズさんは少しの沈黙の後、

「……いや、今回は助けよう 2点程 気になる、アーサー」


3人で現場に近づく……


よく見ると、女性の年は25歳~30歳くらいか、顔色が悪く、艶もない。

そんな女性が、見るだけてわかる 金袋を2つも抱えて男達に奪われないように、屈んでいる。


まあ、絡まれて当たり前だよな、俺でも絡んだかもしれない……


裏通りとは言え、人通りはそこそこある。

まあ大概(たいがい)怪しいやつらばかりだが……


なのに、誰も助けに来ない、それは こんな風景が当たり前なのか、男性2人組が、手を出せないくらい強いかだろう……


そんな2人の男性にアーサーさんが、話しかける。


「この女 俺達 貰う お前達 帰れ」


2人の男性は アーサーさんの2mを超える巨体に一瞬怯んだが、すぐ元気になり、

「おい!兄ちゃん、ちょっと体躯(ガタイ)が良いからって調子に乗ってんなよ。俺らダルヨイ兄弟から獲物をくすねようなんて、この通りじゃ生きていけないぜ?」


「それ 得物 違う その女 武器 違う」


アーサーさぁん獲物違いですよ~ 。

しかし、口には出さない……


「はっ どおでもいいんだよっ! そこの大男、死刑確定!」


2人の兄弟は それぞれ 武器を取り出す、1人はブラックジャック、もう1人は鉈を出した。


対するアーサーさんは いつも所持している鉄棒 (おれはそう呼んでいる)だ、 背中にある2本の剣を使っている所は見たことが無い。


「運動 なるかな……」


「「ふざけやがってぇ 死ねぇ!」」


長く重い鉄棒を、小枝の様に扱い兄弟ね攻撃を受け流す…… 防衛でいっぱいいっぱいだと勘違いした兄弟は、調子に乗って攻撃を繰り返す。


「防御 終わり 次 攻撃」

女性を気にするように呟くアーサーさん。


瞬く間に兄弟の両肘がへし折れる。

続いて、一気に兄弟の両膝がアーサーさんの鉄棒によって折られる。

バキ! バキ! バキ! バキッ!


「ぐあぁぁぁぁぁぁっ」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ」


「こんなもんで いいか?」

女性に語りかけるアーサーさん。


しかり女性は全く反応していない。

ビックリしてるのだろう。


勘違いしたアーサーさんは、

「足りない? おまえ なかなか 残酷」


そう言いながら、うめき声を挙げている1人を掴み上げ、ぶん投げた。

「うわぁぁぁぁぁぁ」

男は建物の向こう側に消えていった。


そしてもう1人も捕まえる。

何をされるか理解した男は、四肢を砕かれた傷みなど忘れたかの様に叫ぶ。


「あ、あわわわ、悪かった、投げないで、投げないで、助けて、たす……うわぁぁぁぁぁぁ」

もう1人もこの場から 飛んで消えてしまった。


アーサーさん……相変わらず人間じゃねぇ……


と関心していたら、カーズさんが女性に話しかけていた。


「さて、貴女を襲っていた、追い剥ぎ達は、いなくなりました。お礼として、何でこんな危険な通りに1人でに来たか話してくださいね。さっ行きましょう」



「待ってください、私はこのお金で強い人を雇いに来ました。私には殺して欲しい人達がいます」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


場所は移り、俺達3人の行き付けの 酒場食堂、隣には大きな作りの宿屋がある。


アーサーさんの達は、顔パスで個室に案内された。


なぜ顔パスなのかと言うと、以前ここに入店したときは『男の一見さんは、お断りだよ、帰った帰った』と言われ 怒ったアーサーさんが、威圧のみで関係者もろとも、一晩中正座させて説教してたのは記憶に新しい。



女性の名は『リンダ』 そのリンダが言うには、殺しの依頼は、B地区の金貸業者のボスの『パグス』と同じくB地区の憲兵隊総隊長の『バリヤード』の2人だ。


カーズさんが少し驚いたように、「いきなり殺しですか、物騒ですね、私の嫌いな人間なら安く……そうでないなら高いですよ……」


女性(リンダ)は話し出す、


「ある日突然、暴行殺人と言う 濡れ衣を着せられて、私の婚約者は捕まり、証拠集めや聞き込みもせず、1週間拷問された後、公開処刑されました。

その公開処刑で、私を見つけた彼は私に唇で訴えたのです。私には彼の唇が読めます、その悪事を知り、直談判にも行きましたが、数日後 突然両親が強盗にあって無残に殺されました……これ以上騒ぐなとの警告だったのでしょうか……その後は何もできない私を呪いながら、彼等に一矢でも、報いるために、殺し屋を雇う事を考えました。」


「それでは、婚約者が他人の罪を着せられて殺された上に、訴えたら 見せしめに両親まで殺された、と言う事ですね」


「はい……」

話している内に思い出したのか、リンダは涙を流していた。


「1つ質問があります…… そのお金を使えばもっと早い段階で病気を治せたのでは?」


「婚約者も死に、両親まで新だ今は、私の病気や命など どうでもいいのです。それよりも1日も早く彼と家族の無念を……私の悔しさをぶつけたいのです」


カーズさんはさらに話を続ける。

「では最後に貴女の覚悟を見せてください」

といって唇だけ動かす。


リンダはカーズさんをみて片言で、声を出し始めた。


「あ・あ・さ・あ・と・ひ・と・ば・ん・と・も ・に・し・ろ……その、私は」


戸惑うリンダに、カーズさんがリンダの言葉を遮る。


「大丈夫、アーサーには 病気など移らない」



だってさ、アーサーさんはそこいらに生えてる雑草や茸なんて、ちぎっては食べ、ちぎっては食べ……ってしかも毒か無毒も解る便利機能付きなんです。


その上病気も移らないんだ、しかもそのアーサーさんと寝ろだななんて……リンダは壊れちゃうんじゃないか?

カーズさんも厳しいなぁ素直に依頼受けてお金貰っちゃえばいいのに、あれだけ膨らんだ金袋……相当な金額だろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ここからは、私リンダが、お話しします。


大男のアーサーさんと言う方と一晩共にする……意味がわかっているだけに、ためらわれます。


私は恐らく複数の性病に患っている。

初期の段階で治療すれば治せたらしいが、何分 薬は高額だ、身を切る想いで身体を売って稼いだお金を使ってしまえば、本末転倒だ。

それに、私は人生を棄てた身の上……殺せなくても、攻めて一矢報いたい。

あの 人間を軽々建物の向こう側まで飛ばしたアーサーさんなら、もしかして……

話がそれましたね。



私は性病に患っているので、これから味方になる予定のアーサーさんに病気を移すのは、どうかと思います。


もう1つは、アーサーさんの体力面と力強さ、もしアーサーさんが乱暴な方だったら、私……壊れてしまいます。


でも、その時は今やって来ました。


いきなり私の唇を塞ぐアーサーさん……強引だけど優しさのある口付け……アーサーさんの優しさに気を緩めると、舌が進入してきた……


アーサーさんはオーソドックスな方なのですね……と思ったら、


「ふむ…… わかった 俺 寝る お前 隣 寝る」


初めは、もう? と思っていたのですが、驚いた事にアーサーさんは 眠るの意味で私を誘ったのでした。


やはり病気の私には女としての魅力はもう無いのかしら……


しかし、一緒に寝ると、身体だけでなく心まで暖かくなっていきました。

何故か婚約者との幸せだった日々を思い出し、アーサーさんの胸で泣いてしまいました。


翌朝、目が覚めると、アーサーさんが妙な手振りをしていたのですけど、突然私の所にやってきまして、話し掛けました。


「第4レベル呪文……シリアスキュア」

と不思議な言葉で話し、私に触れる……


私はビクッとしましたが、不思議な事に、急に身体が軽くなった気がします……それに手足に力が入るように……さらに病気になってズット続いていた、鈍痛と痒みが無くなっている。


「アーサーさん少し失礼します」

と言って部屋を出る……辺りに人々がいないのを確認して、自分の下腹部を確認する…… いまの私は恥ずかしい姿になっている……だが、今 確認しなくては…… すると、真っ赤に腫れ上がっていたあそこが、ピンク色に戻っていた。


私はすぐ 衣服を戻し、部屋にもどった。

「あの、アーサーさんは高名な治癒師なのですか?」


すると彼は、「いや お前 誉め過ぎ でも俺 重症治した 後はメシ 沢山 食べる 来い」優しく手を繋ぐ彼……


雑な言葉に 常識を覆す腕力……なのに彼の手は高級なタオルのように私を包み込む……何だろうこの感覚は……



昨晩と同じ場所で朝食を頂く カーズさんとキンジさんも一緒だった。


「アーサー、どうだった?」

年下の上にデリカシーのないカーズさん…… でも私達何もなかったのよ。


「唾液 確めた 重症だった 『シリアスキュア』 使った」

あれ? 私カーズさんの質問の意味 勘違いした?


「そうか……性病だからって 油断してると恐いことになるな……リンダ、元気になったら 囮になって バリヤードを(おび)き出しますよ。自分も復讐一部に、参加するんだ、やり甲斐があるぞ、報酬は貴女がもっている2つの金袋……そのうちの1つでいい、頑張ろうな」


今 理解した、カーズさんは 私に気を使っているんだと……


こうして、奇妙な3人組と私の 復讐劇が 幕を開けた。



少し長くなりそうなので、中編に続きます。



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