異世界コラボ 3#転入生は人外?
「本日から短期間ですが、転入生を紹介致します」
困ったような先生と、ざわめく生徒達。
香織さん、ランディさん、ガルさん、入って来てください。
1人の色気のある女の人が入ってきた。
「香織です 可念盤を学びに来ました、宜しくお願いします」
生徒の1人が 興味心身に 転入生を調べる
1人目 名前は香織か……
可念盤第二世代形 〈ミセリコルデ〉
レベル 7
「レベル7?!」
またしてもクラスがざわつく……
「なんでこんな弱いのが、俺らのクラスにくるんだよ」
「実習ですぐ死んじゃうだろ?」
「一年次のDクラスに行けよ」
担任の先生が生徒をなだめようとする。
「静かにしてください!彼等には事情が有るんです、次お願いします」
二人目の生徒が来た、年は二十歳くらいか。
「始めましてランデイヤです、ランディと呼んでください。香織ちゃんの護衛で来ました」
二人目 名前はランディ……と
可念盤……無し……マジかよ、何しに来たんだ?
って護衛だっけか……
レベル100
「レベル100?!」
更にクラスがざわめく……
「レベル100ってなに?」
「エリート軍人でもそうそういないわよ」
「護衛って あの女性は何処かのお姫様か?」
「皆さん静かにしてください! 次 お願いします」
「俺はガル 呼び名は魔剣ガルだ、学生生活を満喫しに来たぜ」
またしてもクラスがざわざわし出した。
「コイツこの学院 舐めてるのか?」
「おい 可念盤無しって何しに来たんだ?」
「ちょっと現実教えてやろうぜ!」
「おい、アイツもレベル100だぞ」
「アイツも女の護衛か?」
「俺、レベル三桁初めて見たよ」
「し・ず・か・に・し・て・く・だ・さい!」
予想通りとばかりに頭を抱える担任。
「ランディ ちょっといいか?」
ガルが小声で話しかける。
「んっ わかってる」「第1レベル呪文……レベルサーチ」
う~わ 全員レベル3だよ、日本で言えば格闘家のチャンピオン並だよ……
「ガル、みんな凄い とても子供とは思えない」
ってガルの方に振り向くとなんとガルは5ですか、レベル5なんて初めて見たよ。
クラス約12名程の 抗議や不満を聞いても全く気にしない ランディとガル、残りの6人はランディ達の転入に唖然としていた。
此処にいない真と里美は異能を買われ、中型四獣討伐部隊の後方支援に参加していた。
一方 ランディとガルは、授業中にランディが自ら用意した『カロリーメイ◯弁当』に舌づつみを打って、更に生徒達の反感を買っていた。
休憩時間
廊下を散歩する3人 ふと、ガルが1人の生徒と肩がぶつかる
香織は思った 絶対わざとだ……反射神経であの、ランディを上回るガルがぶつかるなんてあり得ない……
それは香織の予想通りだった、ガルは 肩がぶつかって絡まれるといった 学園物のベタな展開を待ち望んでいた。
「気を付けろ!」
ガルは笑顔を噛み締めながら、「俺は半分避けた、後はお前が避けろ、俺が可念盤の適正がないからって舐めんなゴルァ」
「ん~ 可念盤無し?! なんだゴミか、おい!俺は、最近イライラしてるんだ!歳上だからって調子に乗ってると、痛い目に合うぞ!」
「ガル、コイツも天才の部類に入るみたいだ……念のため、気を付けて」
「はっ、もう1人はわかってるじゃないか、だがもう遅い!発ぶほっ」
少年の可念盤が発動する前に、ガルの張り手が飛んだ。
「遅いのはお前だ! お前才能有るのに、努力してないだろ?」
「くっ何だと 俺は天才なんだ!そんなことしなくても一番強いんだ!俺はマキシス、ブライト名を名乗れ!発動!」
「俺は魔剣ガル 来い!」
「死ね!死ね!死ね!死ね!」マキシスの容赦の無い攻撃が ガルを襲う。
「ふっ、本気を出せばこんなもんさ……」
マキシスが言い終わった瞬間 マキシスの首に短剣が当てられた。
「だから遅いって、攻撃だけに現を抜かしてるから、後ろに回り込まれるんだ。
因みに俺はランディと違って凡人だぞ、俺はいつ死んでもおかしくない修行を何十年もして、ようやく本物の天才達の足元にたどり着いたんだ。
努力のしない天才なんて、只のやられキャラなんだよ!」
ガルの短剣がマキシスの首を薙いだ……
マキシスは死を覚悟した……
しかし死んではいなかった。
「どうだ、死を確信しただろ?そのつもりで、毎日訓練しろ!限界にたどり着いた時、その時がお前のスタート地点だ」
そこまで言ってマキシスの後頭部に強烈な、一撃を与える。
マキシスの意識はここで途絶えた。
ランディがニヤニヤしながら「こてんぱんに叩きのめすばずだったんでは?」
「この学院は宝石の原石店か……どいつもコイツも天才の卵達だ、あの坊主、二年間戦争に連れて行ったら、いい感じになるぞ!」
「ははっ生徒より教師になれば良かったのに……」
「次にやりたい事は、屋上に行って授業をサボる!」
「私は真面目に可念盤を学びたいの! ……もうやっとランディの役に立てるチャンスなんだから……」と、後半は聞こえないように呟く
「へぇそんなにランディの事、好きなんだ?」
まさか聞こえてるとは思わなかった香織の顔が赤くなる「なっなんで聞こえ……」
「俺、聴力も良いから」親指を立てるガル。
「スペルストッカーも、ほぼランディ専用だし、もしかしてその食べ頃な肉体もランディ専用だったりして……ぷぷっ」
香織は真っ赤になりながら ガルから貰ったスクロールを取り出し、
「魔法の矢よ 敵を射て……マジックミサイル」
「ちょっと待って、待って、グハァ」
ガルは3つの魔法の弾を受けた……
ガルは130のダメージを喰らった。
「えっ?避けられないの?」
香織は質問する……
「こらこら、常人なら死んでるぞ!『マジックミサイル』一発一発の威力は大したことないけど、回避不可能な魔法なんだよ……」
「ごめんなさい」
「まっ挑発したガルも悪いしな」
「ランディ、念のためにバックル装備しておこう」
腰のベルトにバックルを着けるガル。
「プラチナのバックル?いつも身に付けてるよ」
バックルを見せるランディ。
「そうか、これ装備すると、油断しやすくなるからなぁ」
「これ、マジックアイテムだったのか?」
「そうだよ、ランディ、カーズの渾身の合作『exclamationバックル』だ。
効果は
①第1レベル攻撃魔法無効
②飛びどうぐからの完全防御
③ダメージ低減+5
④アーマークラス+1
⑤毒無効、麻痺無効
⑥病気無効
⑦寒さ、暑さ無効
だ、どうだ思い出したか?」
「いや、無理……」
「ねえ、よくわからないけど、私の可念盤より凄そうだよ」
「そんな事はないさ、でも飛び道具による暗殺は、ほぼ不可能になる」
「ねぇガルさん、バックル余ってないの?」
ガルは首をフリフリして、「これは俺たち専用だから無理だよ。廉価版なら有るけど、部下、弟子、配下専用だから ランディに貰ったら?」
「えっ? 僕、持ってるの?」
「まだ、調べてなかったか…… ランディのバックパックの中に、『金』が3個『銀』が6個『銅』が10個『鉄』が20個『木』が40個あるはずだ」
ランディは早速今夜調べようと思った。
「ただ、これは配下や弟子の契約をしないと駄目なんだ、それでもいいのかい?」
香織は真剣な表情で「私、決めた事があるの…… ランディと一緒に異世界を歩くって。そして、必ずランディの役に立つって、そのためなら契約なんかいくらでもするわ。」
「ほう、いい覚悟だ……俺の弟子にしたいね、可愛いし」
「だろ?」ランディが相槌を打つ。
香織はまたしても、赤くなって俯いてしまう。
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担任の先生が話始める
「明日は野外実習を兼ねて、四獣の討伐に行ってもらいます。事前情報によると、小型四獣が多数居るとのことです。 しかし見なさん小型とはいえ、決して油断無き様立ち向かってください。小型龍種も少数ですが確認されています」
龍種ときいて、ざわざわする 生徒達。
「静かに!今回は3チーム編成を取り止め、新しい編成で実習いたします……」
何故か言いずらそうな表情をする担任。
「チーム①は 前回のチーム①と②の合同で12名編成!」
それだけでどよめく教室、
「チーム②は前回のチーム③にランディさん、ガルさん、香織さんの 9名編成!それぞれ言いたい事が有るかと思いますが、上からの指示なので、私は質問には答えられないかも知れません」
生徒達は 考えた。
何故 成績上位が12名で、下位が6名+転入生なのか、きっとこれは成績下位のための試練なのではと……
明日は荒れる……そう皆が予感した。




