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27#激突?衝突?ランディvs真 前編

◇セリアの村◇


村長やおばば 達に 地下迷宮には、トラップがあって、強い魔族が出現する事、苦戦した所にランディさん達が来て、助けて貰った事を伝えた。


村長達も、『救世主 真様』を助けてくれたのならと、大歓迎と笑顔で迎えてくれた。


ランディさんには、『何か奢って』と言われ、何もない僕は少し困ったものだったけど、村の食事会で快く了承してくれた。



食事会も始まったばかりの時、「あのぅ 真様に会いたいと言う人が……」


「えっ僕に?」誰か僕に用が有るのだろうか……

里美とマーニャも不思議そうな顔をしている。


「わかりました、行ってみます」

と言って、家の出入口まで歩いた。


そこには身長170cm弱位かな、ランディさんと同じ髪の色、でも目の色が左右で違う……

右目が赤で左目が黒、不思議な感じだ。


「僕が真ですけど、どのような用でしょうか?」おそるおそる聞いてみる。


すると「大事な話だから、人払いしてくれる?」


と村人を見る。


僕は『大事な話』が気になったので、ここにいる村人には、移動してもらった。


村人がいなくなると、男の人は話し出した「俺は『ガル』人呼んで魔剣ガルだ」


「はぁ」ただの『ガル』だけでいいんだけど……


「単刀直入に言う、君……時空移動したね?」


「えっ?」何故?なんでそんなことがわかるの?このガルって人はいったい……

「どうして……そう思ったんですか?」


「少し複雑な事情があってね、この付近で誰かが『時空移動』したのは わかってる。あとは、突然予言が出来るようになった、又は急に強くなった人を探したら、君が引っ掛かったんだ、当たりだろ?」


「そ、それだけで、僕を……」

彼はいったい僕に何をしたいんだ、まさか歴史を変えたから捕まえに来たとか言うのかな……

「そ、それで僕をどうするんですか?」


「その台詞で君が時空移動したのはわかった。簡単に言うと、俺達は君の時空移動に巻き込まれてこの世界に来たんだ。で、俺達のルールに則り君になんか奢ってもらおう」


「……え、それだけで、此処まで来たんですか?」


「ああ! だから奢れ。今は空腹だから、メシでも良いぞ。珍しい物か……美味いのがいいな……」


あれっ? この人……なんか……ランディさんと被るな……

しかもこの人、今『俺達』って言ったよね……

「あの……ガルさん? 今、俺達って言いましたよね? 他に仲間が居るんですか?」


「おっ よく聞いていたな、俺には3人の仲間が居る。今はバラバラだけどな」


「あのぅ ランディさんと香織さんってまさか……」


「ランディ……先に着ていたか……んっ? 香織は知らんぞ、今ここにランディが居るのか? 丁度良い、案内しなさい」


ガルさんは僕の手を握り スタスタ歩き出す。

強引だ、この人……


僕は、村長に適当に話をでっち上げ、ガルさんも食事会に交ぜて貰うことにした。

村長は微笑んで了承してくれたので、助かった。


「ランディ……久しぶりだなランディ……」


「…………?」ランディさんの頭に?マークが付いてる。


「あれ、ランディ融合で記憶が飛んでるのか?」


「……!ガル?」ランディさんは何故か困った顔をしている。


「ランディ……もしかして記憶が……ちょっと来い!」

ガルさんが険しい顔で、ランディさんを連れ出す。



少し遅れて香織さんが、部屋の外に向かう。


僕達も突然の事に、ただ、座っているだけだった。


しかし数分もしないうちに、3人は戻ってきたが様子が様変わりしている。


物凄くにこやかなガルさん、呆れているランディさん、不思議そうな香織さん


いったいあの、短い間に何がおこったのだろう……


香織さんに聞いてみた。


「私も途中から聞いたんだけど、肉の話しとか果物がどうとか、そんな話をしていたわ、そのうちあの人の機嫌がよくなって、今後が楽しみだと、なんだか理解出来ない話だったわ」


僕も訳解りません。



そうそう、少し話すのが遅れたけど、ブライとユリウスは、まだ まともに動けないから 部屋で休んでいます。


今は、大きなテーブルに 僕、里美、マーニャ、ランディさん、香織さん、ガルさん、村人、村人、村長、おばば、の順で四角で囲んでいます。

楽しい食事の最中、逃がした『小麦色の魔族』の話題になった。

マーニャが「魔族を逃がしたせいで、悪いことでも起きたら怖いわ、お兄ちゃん」ランディさんに寄り添う。


「「「お兄ちゃん?!」」」僕と、里美と、香織さんがびっくりする。


どうやらマーニャはランディさんの事が気に入ったらしい……

確かに、あの、絶命のピンチにみんな助けて貰ったんだから、皆ランディさんを少なからず慕っている。

しかし マーニャは特別な様に感じる。


あっランディさん、なんだか嬉しそうだ。


「小麦色の魔族? 女の? ああ 倒した倒した、もぐもぐ……」


ガルさん そんな大事な話を食事のついでに話すなんて……


そこで、ランディさんとガルさんの説明をします。


なんと、二人は親友だそうです。

しかしランディさんは何かのショックで、記憶が曖昧になってる様なのです。

そして、香織さんは訳有って、日本からランディさんが連れて来たそうです。



「お兄ちゃん、お兄ちゃんも治癒師なんですか? みんなを一瞬で治してしまったんですけど、治癒師のお姉ちゃんはそんな事出来ないですよ」


すると、気をよくしたガルさんが「ランディは高レベルのクレリックだ。怪我を治すだけじゃない、パーティのサポート全般だ。病気、呪い、麻痺、石化の解除は当たり前で、水や食糧も出せる」


「水……水なら真君が凄いんだよ!とっっても美味しい水が出せるの」


今度は里美が自慢げに僕の水の美味しさを力説し出した。



ランディさんが、「ま、まさか この水は……」


「はい!真君の水です。最高でしょ?世界一なんです!」

なんで、里美はこんなに、僕の出した水を持ち上げるかなぁ。


恥ずかしい……あれ? なんかランディさんの様子がおかしい……


「最高だと?……世界一だと?……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


なんかランディさん恐いんですけど……


ランディさんが突然立ち上がる。

「真!勝負だ ! 時間は明日朝食事時!飲み水勝負…… 審査員は、シャルロット、マーニャ、香織ちゃん、いいね?」


「飲み水勝負かぁ なんか面白そう……お兄ちゃん頑張って!」



マーニャ……親友の僕より ランディさんの応援ですか……

ああ……ランディさんが 水質とか水温とかブツブツ虚ろな瞳で呟いてる……


恐い 恐いよランディさん、今日戦った魔族達より恐い気がしますよ。


もうランディさんとは 会話が成立しないだろう。

ガルさんと話をしてみよう。


「ガルさん、そういえば、魔族をどうやって倒したんですか? あの魔族達 物理と魔法にかなり強い耐性があった筈なんですけど……」


「うん、物理なら一定以上の闘気、魔法なら 高レベルの魔法なら 突破出来るよ。まぁ 俺はそのどちらも無いけど、魔族を倒したのは、武器のお陰さ。あの時使ったのは、『魔王剣』まぁ不意をついたから、楽に倒せたよ」


「凄いんですねぇ」


こんな感じで会話を聞いていると、凄いのは、ランディさんとガルさんで 香織さんは、ほぼ一般人らしかった。



そんなかんじで食事会は終了しました。




しかし、今夜は寝る前にもう1イベントあったのです。


村長に寝れる部屋を2部屋用意してもらったのですが、 ランディさんの後に香織さんが、そのまま同じ部屋に入ろうとした瞬間。

「ちょっと待った~!香織さんなんで当たり前の様にお兄ちゃんと同じ部屋に入るの? 2つなら お兄ちゃんとガルさんが同じ部屋でしょ? 」


香織さんがハッっとした表情になり……

「あっ ごめんなさい何時もの癖で……」


「なっ……」マーニャは絶句し


「な、に?」ガルさんが、驚く。

「で、香織ちゃん、同じ部屋でランディは眠れてるのかい?」


「あ、はい。私より先に寝ていますが……」


ガルさんはさらに驚いたようで「ほう ランディは随分香織ちゃんに好かれてるなぁ」


香織さんは 赤くなって俯く……僕の目から見ても、今の仕草はかなり可愛いと思う。

「痛っ……」隣にいた里美につねられた。

少し考えただけなのに……超能力者か……



ガルさんは話し出す「ランディも俺と同じで様々な気配に敏感なんだが、ランディは少し特殊で、ランディの事が大好きな人の気配には鈍感だ。だから、ランディと同じ部屋で寝れる人間は限られる」


香織さんの顔はますます 赤くなる。


可愛い…… あっ可愛いと思ってはいけない 僕の隣には監視人が……「痛っ 」またつねられた。


「そんなことより、お兄ちゃんと香織さんは別です」


「俺、1人で寝るから、一部屋もらうわ」

空気の読めないガルさん……


「じゃ やっぱり僕と香織ちゃんは 同じ部屋で、イチャイチャ?」


「ダメー!!香織さんは私と、お姉ちゃんと一緒に寝てください。決まりです!」



こうして、就寝前のイベントは終った。




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