19#真とランディの異世界生活
【異世界生活 4日目】 ランディ達は3日目
真視点
今朝は、おばば も混ざっての朝食となった。
おばば がブライ達に『ブラックオーク』の棲み家までの注意点等を説明していた。
飲み水が行きの分しか貰えず、帰りは『テンサボ』の絞り水を現地調達と聞いて、皆 嫌な顔を隠せずにいた。
でもね皆、前回は 半日分しか貰えなかったんだよ。
今日も広場に50人程の村人達が集まっていた。
『大散水』で桶を満たし、村人の案内で6箇所の渇れ井戸を潤したが、まだ少し魔法は使えそうだ。
村人達には疲れた事にして 村を少し散歩する。
村の外れまで来た僕は、 誰も居ないのを確認して、文献に載っていた 『水術系攻撃呪文』を思い出し 唱えてみる。
「圧水」ビュッ! 出た…… 高圧洗浄機を強力にした感じの威力だ、木が削れている。
よし! やはり『散水師』でも 攻撃魔法が使える!
次の段階に行こう……「刃水」ザンッ!
これも出来た。
しかし枝を幾つか薙ぎ払ってしまった。
これ以上は、ここではまずいかな、流石に疲れてきたし、今日はここまでにしておこう。
明日は出来るだけ 村中の 水を確保して、明後日はブライ達が狩りに出掛けたって言う森にでも行ってみよう。
最低でも『刃水』が使えるから 独りでも大丈夫だろう。
晩ご飯は 少し寂しいものがある。
しかも 村人の半数は『真様』か『救世主様』になってしまって、余計に寂しさを感じる。
僕は、おばば から魔法の文献を借りて読みながら 眠りに落ちた。
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ランディ視点
今朝も 香織ちゃんの寝顔を堪能 しかし 狸寝入りの 気配を感じる。
朝の準備運動の前に香織ちゃんに『鋼皮レベル1』と 『オグルパワー』をかけて開始。
今朝は力比べから行こう。
「んぎぎぎぎ……」 くぅ……本気を出しても押しきれない……むしろ負けそう。
しかし僕の目線は、ノーブラの香織ちゃんの胸に釘付け…… 見とれていたら 香織ちゃんがパワーアップした気がする。
耐えきれなくなったので、重心を移動し手を回転させて、香織ちゃんを転がす。
その後、香織ちゃんを一方的にやっつけてしまった。
視線は勿論 おっぱいに 釘付けでしたが……
今日も『クリエイトウォーター』で お風呂に入ります。 仮説ではありますが、 僕が以前口にしたことがある 飲み物を再現出来る気がする。
なら、飲める温泉を 知り尽くしている(半分嘘)このランディ様が、温泉を再現してやろうじゃないか。
イメージ……かなりしょっぱい『みちのく温泉』
効能……慢性消化器病、慢性便秘
「第1レベル呪文……クリエイトウォーター」
出来た……温泉の完成だ。
「香織ちゃ~ん、一緒に温泉に入ろう」
しかし浴槽が2つなのが 仇となり、 仕切りを用意され 別々に入浴……
浴槽ひとつにしたいんだけど、量が加減出来ないのよ……
今日はトリマお姉さんは、お仕事なので、僕1人で仕事に行くことになります。
香織ちゃんには、おこずかいを渡し、一件目、ドリーさんのお宅に行って参ります。
一件目 ドリーさんと奥様を ささっと治し、『ポッテイトウ』を蒸かして食べた事を伝えた。
ドリーさん一家は 今夜は「ジャガバター」かも知れないですね。
二件目は 金物屋さん ここ一週間立て続けに修理の以来が着て、手に負えないとの事。
僕は 鍋、フライパン、槍、鍬、銛、包丁、鎌、釜、熊手、その他諸々 約60点を纏めて、
「第1レベル呪文……リカバー」と 唱えて、一瞬で全てを直してしまった。
金物屋のマクウェルさんは 今回は多めにお金を払うから、個人で修理を依頼しないでくれと 頼まれた。
僕は、「金物の修理は マクウェルさんを通します」と答えて、安心させた。
世の中平和が一番だもんね。
三件目のお客様は、半分寝たきりのお婆ちゃん。
高い値段で買った車椅子(木製)も壊れて 困っていると言う。
お婆ちゃんには「第3レベル呪文……ライトキュア」
車椅子には「第1レベル呪文……リカバー」
お婆ちゃんは元気になったが、うまく歩けないでいる。
『ライトキュア』では 衰えた筋力は回復出来無いのか……なるほど。
僕は、少しずつなら歩けると思うから、毎日運動してくださいね、と付け加えておいた。
四件目のお客様は、病気で『治療院』通いの40代の脂の載った奥様です。
お腹が痛くなるので、『治療院』で薬を貰うのだが、薬が切れるとまた痛み出すと言う。
最近はお腹だけでなく背中の痛み右肩の凝りも伴ってると聞いた。
フムフム 胆嚢結石が怪しいが、呪文で治すから気にしなくていいか。
「第3レベル呪文……ライトキュア」
「凄い!信じられない……痛みが全く無くなったわ。肩の凝りもとれてる」
「はい、恐らく右肩の凝りも腹痛と同じ病気が原因です。念のために今後は野菜を多目に採って下さいね」
アフターケアも忘れない 素敵な僕。
~しかしこの一件が後に事件を引き起こす事は、誰も知らない。~
五件目のお客様は、喉のつっかえ 酷い胸焼け がして、楽しい食事ができないと言う。
う~ん 『逆流性食道炎』『喉頭癌』それとも『自律神経失調症』?…………だからぁ 僕は、呪文で治すからね、と自問自答。
「第3レベル呪文……ライトキュア」
「なんだか 調子よくなった気がします」
「念のために調子が悪くなったら、トリマお姉さんに知らせて下さいね」
とだけ 伝えて 五件目の家を後にした。
どうやらこの町は、怪我よりも病気の治療のほうが 需要有るみたいだね。
この町の治癒師は 病気は治せないのだろうか……
トリマお姉さんに聞いてみるか。
宿屋の目の前で、香織ちゃんと会った。
「香織ちゃんお帰り、町内見物は楽しかったかい?」
「うん!色々見て廻ったよ みんな珍しくて 直ぐに時間が過ぎちゃったわ」
2人で宿屋内の食堂の一角に座ると、トリマお姉さんがやって来て、「ランディに香織 お帰りなさい。香織『シラネ』の町はどうだい? 大きな町でしょう?」
「はい、いろんな食べ物や服、雑貨等があって楽しかったです。でも……」
「でもなんだい?」
「大きな町なのに 病院らしき 建物が全く無いんだけど……」
「病院?」
「病気や怪我を治す 所です」
「あぁ それなら うちの町には 治療院と小さな教会で 怪我を治してくれるよ。病気は治療院で薬を出してるみたいだけど 高いらしくてね、お金がない家は 諦めるしか無いねえ」
そこで 僕は、聞いてみる「治癒師では、病気は治せないんですか?」
「この町の治癒師では 病気は治せないんだよ 年に一回 王都から 病気の治せる治癒師が来るんだけどね、だけどランディの術の方が凄かったよ。だからランディは貴重だよ、明後日には噂を聞き付けて、病人が何人かやって来るかもね」
しかしこの町の規模で 2件は少ないよな。
もう、ほとんど独占企業だ。
治療費なんか いくらでも引き上げる事が出来るだろう。
さて、本日の収穫を報告します。
一件目 ドリーさん一家 1000ドラル
二件目 金物屋のマクウェルさん 1200ドラル
三件目 半寝たきりお婆ちゃん 2000ドラル
四件目 40代の豚 じゃなくて奥さま1500ドラル
五件目 食事障害の殿方 1000ドラル
計 6700ドラルに なりました。
今朝がた 香織ちゃんに3000ドラル 渡したので
持ち金は 32万3830ドラルです。
なんか僕、頭が良くなった気がします。
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夜……
僕はね、出来れば香織ちゃんと イチャイチャイチャイチャしたい……
だが 香織ちゃんは 昔から今にかけて、男達に乱暴された、それはもう酷い人生を送ってきた。
もしそれがトラウマになっていたら……
やっぱり 見るだけにしておこう……
「お休み香織ちゃん」
「お休みランディ」
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ちょこっと香織視点
今朝も私の寝顔を見て 『可愛い』と呟くランディ……もう恥ずかしいんだけど。
そんなランディも 訓練中は容赦ない。
今日のランディは力比べを仕掛けてきた。
流石に『オグルパワー』のかかった私と 力比べなんて…… と思っていたら 押しきれない……
しかも 私の胸を がん見……もう、ちゃんと訓練して!!
力比べでは、私が勝ったけど、後は 転がされ、投げられ、蹴られ、触られ放題 。
視線はずっと私の胸なのに、なんて強さなの……
訓練の後は お風呂に誘われる。
嫌じゃないんだけど、私、内股に気持ち悪くなるくらいの傷があるし、そんな誘い方じゃ 一緒に入れないよ……
入浴の後は ランディに3000ドラル 貰って 町を歩いたわ。
服を買って、食事して、色々見て回って 観光旅行に来た気分。
でも、悪い人達に絡まれるのは嫌なので、人通りの少ない所は行きませんでした。
夜……今日もランディは1人で寝てしまった。
もしかして、私に興味無い?それとも 汚れた体だから……ううん……ランディはそんなこと考えない人よ。
そう思う だから、こう……なんか いいムードになって、ランディから誘ってくれないかな……
言っておくけど、私がしたい訳じゃなくて 恩返しよ 恩返し…………誰に言い訳してるのかしら……
もう寝ましょ お休みなさいランディ……




