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15#タイムリープ

ランデイヤ→ランディ→クレリック→20歳

遠藤 香織→香織ちゃん→シーフ→21歳

魔剣ガル→ガル→トレジャーハンター→22歳


もちろん ガルとランディの精神年齢はずっと上です


突然、 唇に柔らかい感触がした。


えっ?


目を開けると、目の前に里美(シャルロット)の顔が間近に……

ドキッ!とする。


里美は、顔を真っ赤にしながら目を見開き、驚いた様子。



「えっ?うそ?……えと……その……でも、真くん……真くんに元気出して欲しくて、その……あの……ほっぺに……ねっ そしたら、真くんが急に振り向くから……あの……その……だから元気出して、また明日」


小走りで走り去る、里美(シャルロット)


僕は思わず叫んだ、

「待って 里美」と 。


里美は下の名前を呼ばれたショックで(つまず)き、盛大に転んでしまった。


「い、痛った……ええっ?! さとみ?! な、なんで急に?」

痛がりながら驚く里美は涙目でこちらを見る。


僕は「あ、うん お休み」と言っただけ。


里美は不思議そうな目で僕をみていたが、顔を赤らめる。

「やっと名前で呼んでくれたね。突然過ぎて びっくりしたけど……嬉しい。でも、皆がいるときは、シャルでいいかな。その、なんか恥ずかしいし……真君お休み」


今度こそ走り去る里美。



僕は考える。


これが夢でなければ、僕達が異世界に来た2日目の夜だ。

間違いない。 何故こんな事になったのだろうか……


僕はギルドガードを取り出す。

「???」だった特殊能力の項目はには何も表示されていない。

能力は発動済みの様だ。


夢じゃ無いんだ、でも何故……


何者かに攻撃されて、意識を失う前、確か里美の胸から光が漏れていたのを思い出した。



そうか、多分……多分だけど里美の特殊能力で、僕をここまでタイムリープさせてくれたんだ。


それなら納得できる。

里美……最後の最後で、助けてくれたんだ……。

目頭が熱くなる。


でも、里美のお陰で、僕はもう一度ここからやり直せる。


今の状況を受け入れて、同じことが起きない様にするんだ。

あんな、悲しい思いはしたくない。



そうだ、ここからが僕の戦いだ!

もう、皆を死なせはしないぞ!


みんな……僕が助けるからね……


僕は夜空の星に、かたく誓う。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◇シラネの町の人気のない場所◇


時は、真がシャルロットと口づけをした時とほぼ同時刻。



『シラネ』の町の一角で一組の男女が、3人のチンピラに絡まれていた。


チンピラA「今なら金と女を置いて行けば、助かるぜ、兄ちゃん」


チンピラB「あんまり迷ってると 俺らに ぼこぼこにされて、しかも金も女も無くなっちゃうよ」


チンピラC「ビビってるのは、判ってるんだよ、女を守るふりなんてしないで、素直になりな、兄ちゃん」


女は軽装と言うにはあまりに軽装すぎる。

まるで裸に大きめのTシャツを一枚着ただけの格好である。


男は 日本人が良く着ているような、緑色と青色のチェックのシャツ 下は薄茶色のスラックスに 小物入れを 左右に3つずつ付けている。

バックルはプラチナ製なのだが、本人の外見が影響してか銀メッキに見える。


2人同時に見ると、かなり異様な組合せである。


年齢は2人共 二十歳そこそこの外見と 思われる。


チンピラA「ほらっ ベルトと小物入れ、全部置いていけば、兄ちゃんは助かる。わかるな?」


コクコク頷く男。

男は女を庇う仕草を止め、ベルトを見る。


チンピラC「そう、判ったか、まあ 物わかりの良い方だな。今夜はおとなしく帰っていい夢でも見てな……ブゴッ」


チンピラB「えっ?おい何してろん、あれ?あれ?」


チンピラA「何だと!やるってのべぼば」


男はチンピラCが喋り終らない内に、鼻めがけて、

拳骨をお見舞いした。

その拳は 戻る事なく チンピラBの顎先をかすめ、

その反動を回転して、後回し蹴りでチンピラAに踵をプレゼントした。


結果……


チンピラAは 歯は折れ、口から大量の血が溢れ、

チンピラBは 意識はあるが、運動機能が失われ 生まれたての小鹿のようにプルプルしている。

チンピラCは 鼻からの出血が止まらないでいた。


そこで 絡まれていた男が 初めて口を開いた。

「実はお金に困ってるんだ、頂戴な」


チンピラB「な、何言ってんだおま はうっ!!」

チンピラBの股間に男の足がめり込む。


男はチンピラAに向かって 「お金 頂戴!」

と 続けた。


チンピラAは「ばが、ばがっだ(わか、わかった) ばぶっ!」

チンピラAの股間に男の足がめり込む。

「僕の事 馬鹿馬鹿だって言ったでしょ」と勘違い。


男はチンピラCに向かって「お金 頂戴!」

と続けた。


チンピラCは 血塗れになった手で 素早く金袋を取りだし、袋ごとさしだす。


中には 鉄銭10枚、銅銭5枚、銀銭1枚、入っていた。


男は中から銀銭1枚だけ取り出し、残りを返した。

「返すよ 残りの二人からも取ってきて」


一瞬迷ったチンピラCであるが、まだ男で居たいらしく、二人の金袋を、男に差し出した。


男は「ありがとう。ついでに、食事の出来る宿屋の場所を 教えてくれないかな?」


チンピラCは 宿屋の場所を説明した。


男は「判った、ありがとさん、……もし、宿屋が気に入らなかったら……復讐しに行くから」

と笑顔を崩した。


チンピラC「そんなぁ……」



男は、女を連れて歩き出した。


チンピラ達が見えなくなるくらいまで歩くと、女が男に話かけてきた。


「ランディって、結構悪い人なの?」


「ん?悪い人達には、悪魔にだってなれるよ。幻滅した?」


「ううん、だって今のは、あの人達が悪いからね。でも私って昔といい、今といい、どうして悪人に好かれるのかしら?」


「それ、僕も悪人に数えてる?」


「知らない」


「香織ちゃ、 多分此処が宿屋だ、晩ごはんと眠る場所を確保しよう」



2人組の内1人は『ランデイヤ』こと『ランディ』

もう1人は『遠藤 香織』こと『香織ちゃん』



(アーデル)のタイムリープが原因で『時空移動』に巻き込まれて、この世界に来たのだった。

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