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137#プロローグ【ファンタジーユーフォリア・オンライン】

五章スタートしました。

 第一使徒「御方様、ついにアレ等が本格的に動き始めました」


 第二使徒「アレ等がこの世界に侵入を始めてから十年か……」


 第一使徒「御方様、如何なされますか? 」


『アレ等の初動だけで、これほどの被害……本格的に動けば、ユーフォリアは滅んでしまう可能性が高い……しかし、我々は下界に直接の干渉は出来ない』


 両使徒「「……………………」」


『しかし今、ブルーガリア王国で、召喚の魔方陣を構築している最中だ。それに我が力を乗せよう』


 第二使徒「百年前の勇者召喚ですか?」


 第一使徒「確か百年前は、『日本』と言う世界の『ゲーム』と言う国を中心に、多数の勇者と仲間たちを召喚して、世界を害する魔王を倒しましたな……今回もそれを?」


『そうだ……今回もその世界を中心に、勇者が召喚されるであろう……我の力のほとんどは、アレ等の主『ダムドー』の侵入阻止と地下迷宮の資源に費やしている……』


 第二使徒「『ダムドー』とは、それほどの存在なのですか?」


『天界でならば問題ない……が、下界で戦えば勝算は低い……『ダムドー』とは、我の理解を超えるモノだ』


 第一使徒「それほどですか……」


『だから、今回も『日本』の世界から助けを呼ばせる。そして、異世界人……勇者の頑張りに期待するとしよう……』


 両使徒「「わかりました。御方様」」



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ◇日本、某県某市、○○学校の、ある部室◇


 二人のゲームオタクが『ファンタジー・ユーフォリア・オンライン』と言うゲームで遊んでいた。


 ちょうど第一の地下迷宮、最下層でレイドボスと戦闘中だった。


 禍々しく、浮遊した大きな球体の中に、バスケットボールサイズの目玉が、一つ付いている。


 四人のNPCを盾役にして、前後から戦っていた。

 これが、このレイドモンスター『ビホルダー』との闘い方である。


 鋭利な触手をくぐり抜け、後ろから後ろからと攻撃を加える。


 ビホルダーは反転して、後ろのパーティーに攻撃を開始する。


 すると、今まで防御に徹していたパーティーは、攻撃を始めた。


 そして、HPが0になったビホルダーが消滅した。


「やったぜ! やっとビホルダーを倒した。」


「ああ……苦労したな……こいつの視線にかかったら、魔法はおろか、マジックアイテムの効果まで無くなっちまうからな」


 しかし、第一の地下迷宮を攻略した感動を、外の声が水を差す。


「虐めか……(たく)、窓を閉めてくれよ」


 窓側にいた拓は、素早く窓を閉めて、椅子に座る。

「さぁ……ビホルダーのドロップアイテム何かな……」


 ビホルダーが消滅した辺りには、大きな魔石が三つと目玉が落ちていた。


 モニターには、『魔眼の玉』と表示されていた。


「おおっ! 『魔眼の玉』ってなんだ? 使い方検索しようぜ(かける)っ!」


 この二人は、闘い方をネタバレ無しで戦闘しておいて、アイテムの使用方法は、ネットを頼るアンバランスぶりだった。


 駆がスマホを操作している時、急に辺りが光り出した。

「なんだ?」

「眩しいっ!」

 ……

 …………


 この日、○○学校から十二人の生徒が行方不明になった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ここ、ユーフォリア大陸に『サンジュウの災厄』と名乗る集団が、全人類に対して宣戦布告をして、大きな戦争となった。


 彼等は、何処から来たのか全く不明であったが、その力は非常に強大であった。


 しかし、各国の王国軍と冒険者ギルドの連合軍により『サンジュウの災厄』を撃退するのに成功した。


 しかし、今回の襲撃は『サンジュウの災厄』の尖兵だけだったと言う情報が、各王国軍上層部に知れわたる事になった。


 しかも、その情報を裏付けするかの様に『サンジュウの災厄』の将官クラスを打ち倒した報告は、いっさい無かった。


 さらに、この戦争で受けた各国の被害は、少なくない。


 特に被害が大きかったのは、強力な冒険者の少ない『ブルーガリア王国』と、冒険者ギルドに報酬を出し渋った『ストマティア王国』だった。

『ストマティア王国』は後手ではあるが、相場の三倍の報酬を出し、危機を乗り越えた。


 ただその影響は計り知れない物になったと言う。


 そして、少なくない人数が、盗賊に職を変える事になった。


 ストマティア王国は水源の豊かな農業盛んな国であり、神の恩恵を受けた地下迷宮を四つも保有している豊かな国家だ。


 しかし今は、戦後の復興作業により、多くの軍隊、冒険者は、王都や都市に集中していて、小さな町や村などに、戦える者はほとんどいなくなってしまった。


 それは、復興のために、国が都市を中心に資金をばらまいたからだ。


 ……

 …………


 ある百人規模の村があった。


 この村も近くに水源があり、土壌も豊かで力の無い者達が集まり、穀物を育て豊かな生活を夢見て、農業に励んでいた。


 そんな村に、盗賊の一団が襲ってきた。

 戦える者の少ない村の人々は、瞬く間に制圧され、盗賊にとって不要な人間は殺され、若い女達は盗賊の慰み物にされるか、高値で売られるかの二択しか残されていなかった。



 その村から僅な隙を見つけて、何とか逃げ出した四人の母娘がいた。


 年の頃は、母親が三十半ばで、娘達が上から十六・十三・十歳の三人。


 しかし、その四人の運命も風前の灯火だった。


 四人の脱走に気づいた盗賊等が、追いかけて来たのだ。


「ひゃっはぁぁぁぁぁぁ!」

「いたいた、見つけたぁぁぁぁ!」

「全員女だあぁ! 殺すなよぉ!」

「母親は姦わしていいぞ! 娘の前でたっぶり犯してやれぇ!」

「上の娘も、やっちゃっていいっすか?」

「いいかぁ! 娘達は処女だ、金になる……口だけにしとけよぉ?」


 ゲスな、言葉を連呼しながら、追いかけていた。

 


 下品な叫びは、逃げている四人の親子にも聞こえていた。


「ママ、ママ、恐いよ、恐いよぅ……」


「頑張って! 逃げて、逃げるの……逃げるのよ!」


 子供の足では、走っても町まで丸一日かかる距離だ……逃げられる訳が無い。


 それでも逃げるしか他に無い……捕まれば、死より辛い地獄が待っているからだ。


「ママ、ママッ、もう走れない……足が痛いの、もう走れないよぅ」


 母親は心にも無いことを言って、娘を励ます。


「もう少しだけ走って! お願い……もう少しで助かるから……」


 母親は踵を返して、盗賊の進路に立ち塞がった。


「ママ!? ママ? ママ!」

 叫ぶ下の娘に、対し母親はも叫び返す。


「アハット! シャニム! シャロを連れて行って! 私も直ぐに追い付くから! もうすぐ町よ!」

 二人の姉は、母親の嘘の励ましに涙を流して下の娘シャロッシュの手を握り走る。


 しかし、母親決死の覚悟は、盗賊の歩みを一分ほど遅らせるだけだった。


 母親は直ぐに捕まり、腹を殴られ、盗賊に担がれ三人の娘の前まで到達した。



 取り押さえられた娘達の前で、母親の服が破かれる……


「やめてぇ!!」

「お母さんに酷い事しないでっ!」

「ママ! ママァ!!」


「うるせぇ! 黙ってろっ!」

 三人の娘達は盗賊に殴られてしまう。


「アハット! シャニム! シャロ! やめて! 私はどうなってもいいから、あの()達は助けてあげてっ」


「ざんねぇん……お前の後だが、三人も奉仕役は決定してんだよ……特に逃げた主犯のお前は、小娘の前で調教してやんよ!」


 盗賊が最後の衣類を剥がしにかかる直前、盗賊の顔面に小さな丸い石がめり込んだ。


「ゴバアァァァァァ!」



 石の出所には、ランディと五人の女性がいた。

「さすが香織ちゃん……マジックストーンを投げさせたらナンバー1だねっ」


 盗賊等と母娘四人の悲惨になる筈だった現場で、どこかで行われた『勇者召喚』に、巻き添え召喚されたランディ達が乱入してきた。


 母親の命懸けの時間稼ぎは無駄にならなかったのだ。


「さあ香織ちゃん、殺しちゃても良いから、思い切りお願いね」


 ランディこの世界初の戦闘は、盗賊が相手だった。


今回は、ランディがすぐに登場させてみました


宣伝です。

ランディの転生物語を書いてみました。


題名は『神級回復呪文使いが、転生したら……こうなった』



http://book1.adouzi.eu.org/n9057df/


です。

気になる方はどうぞ、って言うかミテ~~~。

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