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106#第6レベル呪文開放

 ひなたを仲間にして暫くすると、ひなたは壊れてしまった。


 何が壊れたと言えば性格だ。


 ひなたは、ランディと女性陣全てを呼び捨て呼ぶようになり、ズケズケとした性格になった。


 実際は、ひなたが弟に対してとっていた行動と同じなので、全員を家族扱いしただけだ。


 しかし、いきなり態度が変わった事で、ひなたが壊れたと皆が、少なからず感じていたのだった……


 そんなある日……


 マーニャとリリスがランディを探していたら、ある部屋から、妖しい声が聞こえてきた。



「んっ、んっ、んっ、んっ、気持ち良いかぁ? ランディ……」


「くっ……す、凄いな、ひなたん」


「ん、んっ、ランディのはビックリするくらい硬いな……こんなの初めてだ」


「ひなたんこそ上手だね……」



 この会話を聞いて、マーニャが顔を紅くしながら部屋に突入した。


「お兄ちゃん! 4番目と一体何して……る……の……?」



 そこには、指圧マッサージをしているひなたと受けているランディが居た。


「おっ、マーニャとリリスたん。ひなたんのマッサージ凄く気持ち良いよ、流石プロ」


「ランディの筋肉は鋼のように硬いな……人間の頃の私だったら凝りを解せないな……んっ……んっ……」


「ところで2人とも、どうした? ひなたんのマッサージを受けに来たのか?」


「そうかぁ? 良いそぅ……でもマーニャとリリスは有料」



「ま、紛らわしいのよっ!」

 とマーニャは出ていってしまった。


 舌を出すひなたは、分かって挑発したのかもしれない……


 この場を離れないリリスに、ひなたは

「リリスはどうしたの?」


「お金、少ししか無いんだけど……これでいい?」

 リリスは全財産を取り出す。


「リリスたんの分は僕が払うから……心配するな」


「らんでぃ……」


 見つ合うランディとリリス……

「ランディ……マッサージされながらリリスと瞳で語り合うの止めないかぁ?」



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ある朝、ランディは驚きの声を上げた……


「どうしたのランディ……」

 と、香織がランディと同じ布団からニョコッと顔を上げた。


 昨晩はラブホテルを見つけて、そこにお泊まりしたあげく、第3レベル呪文の『ハイディングミネラル』を使い香織の部屋に壁をすり抜け侵入して、同じ朝を迎えたのだった。


「第6レベル呪文が解放された……」


「えっ?」

 香織は驚いた後、少し考えてみた……


 ランディと初めて会った時は『第3レベル呪文』までだったわ……


 そして、ランディとの初めての夜の次の日に『第4レベル呪文 』が解放されたわよね?


 で、リリスの居た世界にやって来たの初日に、ランディとエッチした翌日『第5レベル呪文』解放……


 で、今日はこの世界で初めてのランディと…………

 で、今朝『第6レベル呪文』が解放されたって……

 ま、まさかね……


「香織ちゃん、どうかした?」


「ううん何でも無いの、何でも…………」


 顔を紅く染める香織であった。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ランディは第6レベル呪文解放に伴い、第1~第5レベル呪文の使用回数も増えているのを、確認した。


 以前は、第1―26回。第2―24回。第3―22回。第4―16回。第5―13回だったが。


 今回から、第1―29回。第2―27回。第3―24回。第4―19回。第5―16回。第6―13回となっていた。


 第6レベル呪文はこうなっていた。


  ディテクトアイテムLVⅡ≡物品探知距離無限、効果時間24時間

 レイズデットLVⅡ※≡死体の5割の体が有れば蘇生可能、蘇生期限レベル×1日 蘇生率90%

 クリエイトアンデットLVⅡ≡死体からグール、ワイト、ジャイアントボーン、レイス、スーパーゾンビ等を作り出す。

 スペルイミュニティLVⅡ≡第3レベル呪文以下を無効化する。無効化時間は1時間

 サモンアンデットLVⅠ≡アンデットモンスターを産み出す。

 カース(呪い)※≡対象に呪いをかける

 鋼皮LVⅡ≡通常武器からの完全防御 効果時間 は1時間

 ストライキングス≡6人までの武器又は拳等に追加をダメージ付加 効果時間は8時間

 クリエイトルーム≡異次元から部屋を召還する。効果時間は24時間、広さはレベル×㎡



 す、凄いな……試してみたい呪文が目白押しだよ……


 まずは保険で全種類覚えて……と、


 あとはサモンアンデッドとレイズデッド、鋼皮、スペルイミュニティを覚えてっと。


 さあ実験だぁ!


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 包丁、ハンマー、バール等武器をマーニャ、リリスたん、ひなたんに渡して。

「さあ、これで好きなだけ僕を攻撃してくれ!」


「お兄ちゃん? 何時からドMになったの!?」


 僕は慌てて否定する。

「違う!! 新たな呪文の実験だよ、マーニャ」


「なんだビックリしたよお兄ちゃん……でも、好きなだけ攻撃って気が引けるんだけど……」

 と包丁を手に取るマーニャ。


 この子は本当に気が引けてるの? 真っ先に刃物を選んだよ?


「なら、初めは優しく撫でる感じでお願い……僕もいきなり本気で攻撃されるのは恐いからね……行くよ。第6レベル呪文……鋼皮LVⅡ」


 おずおずと攻撃し始めるマーニャ達……僕も初めは腕で受けたけど、刺さらない処か痛みまで無い……


 調子に乗って、胸や頭、腹等で受けてみたが未就学児に殴られた程度の衝撃しか受けない……凄い……『鋼皮』凄いよ……これは明日から多目に覚えておこう。



 続いて、スペルイミュニティLVⅡだ。

 今回はひなたんが見学で、香織ちゃんに1回だけ参加してもらう。


「第6レベル呪文……スペルイミュニティLVⅡ……さあ来なさい」



「いっくよぉ! 火弾」

「光を束ね弾けよ。光破」

「大気中の酸素よ、我が魔力と交じり合い爆炎の刃と化せ……ファイヤーボール」


『火弾』と『光破』は接触する直前で消滅して、『ファイヤーボール』も爆発はしたが僕にはノーダメージだった。


 すんごい……今日この日『スーパークレリック・ランディ』の誕生だ……

「ふはははは僕は無敵だ……さぁ何でも来なさい!」



 マーニャとリリスは更に攻撃魔法を放つ。


「いけぇ!火炎弾!」

「我が力、魔の下に凝縮し魔光となり弾けよ。魔光破」


 この攻撃も僕の前で消滅してしまう……しかし、マーニャもリリスも遠慮なしに攻撃魔法をバカバカ撃ちやがって……僕の事を信頼してるか、大切に思っていないかどっちかだよね?



 と思っていたら、マーニャがマジになってる……

そしてついに、マーニャ最強の攻撃魔法が飛び出した。


「いっけぇぇぇぇ! 魔破 火炎弾!」


 えっ『魔破』? マジ?


「ぎゃぁぁぁぁ……」

火だるまになったランディ。


「なっ!」

「えっ?」

「あっ……」

「ちょっとマーニャ! 何してんの? ランディを殺す気かぁ?」


 慌てて駆け寄る女性達……


「ふんがぁ! 」

 ランディはマーニャの『魔破火炎弾』に耐えきった。


「マーニャ! ビックリするじゃないか!」


「「「ランディ!」」」

「お兄ちゃん!」


『やっちゃった』の表情から一転、ホット一息のマーニャが、

「お兄ちゃん、大丈夫?」


「大丈夫な訳あるかっ! あんなの10回も喰らったら流石の僕でも死ぬわっ!」



「私の渾身の技でも、お兄ちゃん倒すのに10回も使うんだ……」

 呆れているマーニャ……


「まぁ黙って攻撃を、受けていればね。第3レベル呪文……シリアスヒール……はいっ、全快復」




 続いて『サモンアンデッド』を試してみよう……


「第6レベル呪文……サモンアンデッド!」

今回は無難にスケルトンをイメージした。


 ランディの目の前に直径2mを超える黒い球体が出現した。


 その球体から、剣と皮鎧で武装したスケルトンが、次々に出現していく。


「くっくっくっ 大成功だ……さあこれから闇の時代が来るのだ!」


「あっお兄ちゃん、凄く悪役っぽいよ」


 次々と出現するスケルトン……


「なぁランディ、いつまで出るんだ? この骸骨……」

 とひなたが言う。


「えっ? 解んない……」


 次々と出現するスケルトン……


 リリスも慌てて

「ランディ、これは出しすぎだと思うの……」


 次々と出現するスケルトン……


 ランディも流石に焦り

「ストーップ! 終わり、ねぇ終わって! はい終了! って止まらない……香織ちゃんなんとかしてぇぇ!」


 香織は首を横に振っている。


 次々と出現するスケルトン……


 ……

 …………


 スケルトンの出現は50体で止まった。


「はぁビックリしたぁ 僕はこの呪文も量の調節が出来ないのか……しかも武装してるなんて……今は使いどころが無いけど……これは凄いぞ……」


 ランディは悪い笑みを浮かべていた。


 そして、同じ呪文で10体の『マミー』まで呼び出しに成功した。


「なぁ、ランディ……コイツらどうするぅ?」


「あっ、どうしよう……」


 ランディ達は暫くの間、自分でアンデッドが破壊出来ると気づくまでの数日間、大所帯で移動していたと言う。



 そして、ひなたんには心苦しいが、少しダメージを受けもらって、『レイズデッドLVⅡ』のリバース呪文を試す事にした。


 既に1回マミーで試したので、死の呪文はアンデッドを回復させる事は解っている。

 ただマミーだと感想が聞けないのだ。


「第6レベル呪文……リバース……エクスキューション」


 ひなたんにの肩に手を載せた。

 

「あっ!?……あっ、あっ、あっっあはぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 いかん……ひなたんから凄いエロい声が漏れた……


 ひなたんを見ているみんなも、心なしか顔が紅い気がする……


「ら、ランディ……これ、人前で……するの反則にして……はぁはぁ……ぬ、濡れた……やばいこの魔法……」


 取り合えず非常時以外は封印しよう……心に堅く誓うのだった。



 次に試したのは『クリエイトルーム』


「第6レベル呪文……クリエイトルーム」


 僕の目の前に扉が1つ出現した。


 色々試して解ったのだが、この扉を開けられるのは術者本人だけだ。


 そして、部屋には……何もない空間が広がっているのかと思ったけど、部屋の片隅にセミダブルのベッドと多数の本棚、テーブルが2つあった……


 その事に僕は戦慄した……何故……何故、ここに融合以前に僕が使っていた家財道具が有るんだ?


 僕があまりにも動揺していたせいか、ひなたん、マーニャ、香織ちゃんが、邪推しだした。


「これってランディのかぁ?」


「い、いや……し、知らない……」


「お兄ちゃんが狼狽えてるの、初めて見たかも……怪しいよね?」


「そ、そこのラノベやエロ本に心当りないよ?」


「ランディ、なんで本棚の中身知ってるの?」


 地雷踏んだ……終わった……

 早くも、スーパークレリック・ランディの終わりの日が来ました。


 我が姫様達は、僕の『面白サイエンス』や『雑学コーナー』『ラノベ』の本棚は完全にスルーして

『エロ本』コーナーを閲覧している。


 ああぁぁぁ、今まで培ってきた僕の信頼がぁぁ。

普通だった頃の僕の性癖を暴かないでぇぇぇぇ。


 ……

 …………

 ………………


「と、取り合えずお兄ちゃんのストライクゾーンの広さと、様々な性癖は理解したわ……」

 顔の紅いマーニャ。


「あんな、昔の本だけで、僕を理解すんなっ!」


「昔……やっぱりランディの本だったかぁ」

 とひなたん……

 

 あぁぁ……墓穴掘った……



『クリエイトルーム』は、出口の外を見れる他、出口の位置を変える事が出来るのが判明した。

 不意打ち対策は万全だな……便利すぎだわ……これから解放されるであろう第7レベル呪文以降が恐ろしく感じるな。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「さて、これから魔法実験を兼ねて、次いでにガルでも捜そうかなっと思います」


「ガル?」

 ひなたんが聞き返す。


「お兄ちゃんの仲間だよ、単純な戦闘力ならお兄ちゃんよりかなり上だよ」


「…………」

 絶句するひなたん。


  「それじゃやるか……第6レベル呪文……ディテクトアイテムLVⅡ」


 と唱え、ガルの『雷神剣』をイメージする。

 すると光のラインがスーっと伸びていった。


 みんなには一筋の光ラインは見えない様だ。


 こうして、僕らはガルを探しに旅に出た。

備考


マーニャはたまにですが 、みんなのことをこう呼ぶ時があります。


香織→正妻

リリス→3番目

ひなた→4番目


自分が2番目の女という意識が強いです。

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