95#ひなた、大学に潜入する
登場人物紹介
『嵐山大佐』ゾンビ映画の愛好家? 上官の指示を無視した成果が茨城県の某所一帯を守る結果となった。
『嵐山節子』在神教の教祖で超能力者らしい。親しい人々からは『狂気の予知姫』と呼ばれている中年女性。
渡side
『荒波渡』100万分の1の確率で抵抗者となった。
『前庭ひなた』100万分の1の確率でエルダーゾンビとなった。
『崎守岬』渡に助けられた若者。
『鈴城美鈴』渡に助けられた若者。
『古都成誠』渡に助けられた若者。岬に気がある。
『北野優樹菜』渡に助けられた歳上の女性。渡に両親の死を教えてくれた。
ひなたside
『一之宮繁』星空研究会のメンバーで私に手を差しのべた男。武志と幼馴染み。パット見オタクに見えるがメチャクチャ強い。
『大蔵 武志』星空研究会のメンバーでレイプ未遂犯。繁と幼馴染み。ガッチリ体型のイケメン、性格は悪そう。
『大曲 友恵』星空研究会のメンバー。ぱっとしない地味な人、繁に犯されそうになって、別サークル『秘境探検会』に逃げる。
『岡田 真央』秘境探検会の会長、偶然、遠征に使う食料を買い置きした。美人。
『倉見 芹香』秘境探検会のメンバー、ギャルっぽくド派手。中瀬弘に惚れている。
『小谷円香』秘境探検会のメンバー、メガネ、三つ編みお下げ、巨乳。中瀬弘に惚れている。
『田端 佐助』秘境探検会のメンバー、キモオタ。
『中瀬 弘』秘境探検会のメンバー、イケメン。
私は絶望の毎日の中、出来るだけ素行の悪い人間をターゲットにする事に決めた。
どんなに我慢しても、人を食べる事態は避けられない。
ならば、悪人の方が良い……少しだけ人を食べた時の罪悪感や嫌悪感が紛れる……。
だから、そんな人達を捜した。
時には、その場の人達の中に紛れ込み、時には近くで息を潜めて監視した。
私の予想は少年~中年にかけた男性が問題を起こすと予想したのですが……。
現実は違いました、人の多く集まる所では、女性の方が空気を読まなかったり、我が儘だったりしてました。
むしろ、男性は性欲さえ満たしてあげれば上手に動いてくれる人が大半でした。
そんな中、私が潜入した1つの大学の話をしますね。
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私は今、20人の強いゾンビを支配している。
そして、ゾンビたちにはヘルメットとスーツを着用させている。
これで簡単にはゾンビってわからないわね。
私の支配下にあるゾンビ達は、自転車やスクーターの運転は出来ても、車とギア付のバイクの運転は出来なかった……私に影響されているのかも。
ゾンビ達の支配は20人以上の数も支配出来るけど、ちょっと面倒だから辞めたわ。
後、力の強い・弱いゾンビの違いが少し判った気がする。
ゾンビに噛まれて、死んでしまってゾンビになる人は、弱い。
ゾンビに噛まれて、死なずに時間かけてゾンビになると、力が強い。
どちらも私の力に比べると大した事は無いんだけどね。
私は走れば100m10秒で走り。
力は、大の大人を片手で持ち上げ投れる。
ジャンプすれば、助走有りなら幅は9m高さなら2mは軽く飛べる。
気分は無敵超人ね。
でも……触覚についてかなりの不都合が出た。
感覚が有るだけで、痛感、冷感、温感、快感、そして、辛みやその他の味覚が殆ど無くなっていた。
もう私の未来は真っ暗ね……。
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私は沢山の食料を持って、ゾンビに追いかけてられているふりをして、校舎の外……学校の内庭を走っていました。
ここの大学は大きく、いくつもの校舎が有るんですが、人間が生き残っている校舎は2つだけ……
その1つに匿って貰いました。
この校舎に居たのは、全部で8人。
サークル『秘境探検会』のメンバー5人と、サークル『星空研究会』のメンバー3人。
私は『星空研究会』のうちの1人に助けられたの。
私の事は適当にでっち上げて、8人の話を聞いた。
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ゾンビ達に襲われて直ぐに籠城した隣どうしのサークル『秘境探検会』と『星空研究会』。
電話は使えなかったが、メール昨日は使えたので、大学中で情報交換をしていて、殆どの学生達がゾンビに殺されたり、ゾンビに変わっていった。
そして、一番多く逃げ延びた隣の校舎の周りにゾンビ達が集まっていった。
それを利用して、『秘境探検会』と『星空研究会』の2つのサークルは、バリケードを作成して校舎を
安全地帯に変えた。
隣の校舎は、飢えと、内部の暴力行為の結果、バリケードが内側から崩壊して全滅してしまった。
食料問題は『秘境探検会』と『星空研究会』も例外では無かった。
初めは、『秘境探検会』のサークルで、保存食を大量に持っていたせいか、仲良くしていたが、ある日突然交流を断った。
『星空研究会』のメンバーに2日分の食料を与え、お互い近寄らない様に一方的に決められた。
原因は『星空研究会』の1人の男が、『秘境探検会』の女性に手を出そうとしたのが原因かも知れない。
もしかしたら、助けの見込みが無くなったので、分けていた食料が、惜しくなっただけかも知れない。
2日分の食料3日で無くなり『星空研究会』は飢え始めた。
そこに、『星空研究会』のたった1人いる女性が、2人の男達と別行動になった。
原因は、『星空研究会』のうちの1人がレイプ未遂をしたからだ。
ここらへんで、生き残りの人達を紹介しますね。
『一之宮 繁』星空研究会のメンバーで私に手を差しのべた男。武志と幼馴染み。パット見オタクに見えるが、メチャクチャ強い。
『大蔵 武志』星空研究会のメンバーでレイプ未遂犯。繁と幼馴染み。ガッチリ体型のイケメン、性格は悪そう。
『大曲 友恵』星空研究会のメンバー。ぱっとしない地味な人、繁に犯されそうになって、別サークル『秘境探検会』に逃げる。
『岡田 真央』秘境探検会の会長、偶然、遠征に使う食料を買い置きした。美人。
『倉見 芹香』秘境探検会のメンバー、ギャルっぽくド派手。
『小谷 円香』秘境探検会のメンバー、メガネ、三つ編みお下げ、巨乳。
『田端 佐助』秘境探検会のメンバー、キモオタ
『中瀬 弘』秘境探検会のメンバー、イケメン。
今、分かってるのはこれくらいね。
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今、私を含めた校舎内の人達は、4つのグループに別れている。
3階の端にの部屋に居るのは、芹香、円香、弘の3人。
秘境探検会の会長、真央は2階にある秘境探検会のサークル室に1人で引きこもっている。
2階の端に居るのは、友恵に佐助なぜこの2人が一緒にいるか疑問よ。
1階バリケード付近に、私と繁と武志。
繁と武志は、食事以外は別々に行動して、夜の食事だけ集まる感じだった。
私が来た当初、お荷物が来たような目で見ていたけど、手持ちの食料を分けてあげると態度がガラリとかわった。
……
…………
………………
「武志、お前あの女どう思う?」
寝る前からは大概別行動なのに、珍しく繁の前に武志が居る。
「は?どうって、ありがたい女?」
繁の答えに武志は……
「それだけか? それだけなら……いいな?」
繁は武志の言葉の意味を大体理解した。
また、悪い病気が始まったのだと……全くこれで何回目だ? いや、しかし良くもった方か……
アイツは節操が無いからなぁ……つい先日も、同じサークルのメンバーに手を出したっぽいしな……
「ん、まぁ……無理矢理は控えてくれよ?」
「繁には、関係ないだろ? 一応繁の好みかどうか確認したかっただけだよ……じゃあな……」
武志はこの場からいなくなった。
◇空き教室◇
ん? 人の臭いが近づいてくる?
私は目で見なくても20m先の人間を察知出来る。
美味しそうな臭いがするから……
ガラガラ……
「よう!」
「大蔵さん? なんでしょうか?」
……
…………
あの男は私を犯りに来た様だ……
でも、丁重に圧倒的な腕力に物を言わせて断ったら『本気で惚れた、諦めないから』と逃げていった……。
もう少し気のきいた、捨て台詞は無かったの?
翌日、私は2人に食料捜索を持ちかけた。
2人とも、元々そのつもりだったらしく。
私がこっそり食料を持ち込んで隠していた、隣の校舎に行く事になった。
勿論ゾンビ達は私の支配下、上手く追いかけさせてひと芝居打った。
そして、2人なら10日分以上の食料を手に入れて戻ってきた。
「はっ、なんだよ、なんだよ楽勝じゃねぇか、これなら早めに取りに行けばよかったな、なぁ繁」
もう1人の彼は、
「……あのゾンビ達……俺達を襲う気は有ったのか? 動きが微妙におかしくなかったか?」
「そうか? 奴等あんなもんだぞ? チョロいチョロい」
「油断すると……殺られる……こっちはかすり傷で終わりなんだ……」
「はっ、解ってるよ」
私の見るに、この2人は私がゾンビを操作しなくても、無事に生還出来るくらいの実力はある……何で星空研究会なの? 全く似合わないよ?
しかも、繁って人は感が鋭い……私が操作したゾンビの襲うふりを見抜きかけていた。
もう少し気をつけて行動しよう。
私はしばらくみんなの行動を監視する。
後、3日以内には殺されても支障の無い悪人を見つけないと……
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◇秘境探検会のサークル室◇
秘境探検会の会長、岡田真央は焦っていた。
「無い……無い……どこにも無い……あれだけ有った私の保存食が、無い!」
岡田真緒はゾンビ大発生の前日偶然にも、大量の保存食を購入していた。
初めの内は、直ぐにでも救助が来ると思い込み……良い顔をして皆に保存食を配っていたが、救助の見込みが無いと判断すると、直ぐに保存食が底を尽きたと嘘を言って、大量の食料と共にサークル室に引き籠ったのだった。
所が今日になって、隠していた保存食がゴッソリと消えていた。
「取られた……私の食料、全部取られた……」
犯人を探して、取り返さなきゃ……
一番疑わしいのは、星空研究会の2人。
でも、会室の鍵は壊されていない、あいつらじゃないかも知れない……
すると、合鍵を持っている可能性が有るのは、芹香か円香か……食料を取り返さなくちゃ……
この後、芹香と円香に文句を言いに行った真央は、保存食を隠し持っていた事を自らばらしてしまう形となり、2人にボコボコされてしまった。
実は、真央の保存食を盗んだ犯人は、星空研究会のメンバー友恵と、秘境探検会のメンバー佐助であった。
友恵は女性に免疫の少ない佐助に、手や口を使った性的奉仕で完全に支配下に置いていた。
友恵は佐助使った色仕掛けを、武志にも使ったのだが、強欲な武志は口や手で満足しなかった。
逆に中途半端に火の着いた武志に襲われたのだった。
そして、真央をボコボコにした芹香と円香は弘って男にベタ惚れだった。
ロッカー、棚、他人のカバン等、漁りに漁りにまくって、弘に貢いでいた。
しかし、昨日から収穫は飴とスナック菓子一袋だけだった……
芹香と円香は焦っていた……そんな時に真央の隠し食料の話を聞いてたのだ。
芹香と円香は真央から盗んだ保存食を、分けて貰うか、ダメならば奪うつもりだった。
そして、餓えている筈の『星空研究会』の武志が元気に、歩いているのを見つけ、真央の保存食を盗んだのは武志だと、決めつける。
芹香と円香はじっくりと監視と作戦を練り、色仕掛け中に、武志の食料を盗む事に成功した。
「チクショウ!! 誰だ?俺の食べ物を盗んだ奴は! 殺す……絶対に殺してやるぅぅぅぅ!」
武志は怒り狂っていた。
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今までの様子をあらかた確認した私は、考える。
明日中に決めなければいけない……死んでも構わない人間を……この中で死んでも罪悪感を感じにくい人間を……




