(道中)16
パカラッパカラッパカラッと石畳に響く蹄の音。
【道路灯】の薄明りが市兵を映し出した。
さっきと同じ方向から市兵の一隊が現れた。
先頭の【携行灯】は三つ。
鑑定した。
騎馬五騎、歩兵二十名。
今度は戦士系スキル持ちだけでなく、魔法使いもいた。
馬術五名、剣術五名、槍術四名、弓術三名、魔法使い三名。
何れも初級ばかり。
国境の港湾都市にしては低レベルすぎないか。
余計なお世話かもしれないが。
この数だと丁寧な応対は面倒臭い。
大き目の風玉・ウィンドボーの乱れ撃ち。
作るそばから方向だけを定めて放つ、放つ、Go、Go、Go。
【携行灯】が木端微塵。
人も馬も木端微塵。
貫通力が衰えずに突き抜けて行く。
悲鳴が、鮮血が、首が、四肢が飛び散った。
外れたものが【道路灯】をも倒す。
僅か八発だった。
隊列を組んでいたので効率的に片付いた。
現場に面していた家々はさっきより沈黙を守っていたが、
それが限界に達した。
悲鳴を上げて家々から飛び出した。
脇目も振らず家族そろって向こうの方へ逃げて行く。
ジョニーとマットが僕の方へ駆けた来た。
「これからどうする」
「逃げるとすれば朝の方がいい。
夜だと街道でも魔物が迷い出て来るだろう。
だから、朝になったら街で騒ぎを起こして、
市民を市街に避難させるように誘導する。
その避難民にお前達は紛れればいい。
僕達はパラディンの民だから、そちらに逃げる。
取り敢えず朝まで静かに隠れる。
武器と食料がある倉庫はないか。
ついでに馬車があれば丁度いい」
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