(旅立ちに向けて)8
ジャレットは休憩コーナーに寄り道した。
テーブルに護衛二人を招いた。
そして目顔で深緑の革ローブの買い物客を指し示し、
その胡散臭さを説明した。
護衛は警邏局からつけられた人員。
捜査の経験もある。
直ぐに理解した。
護衛の一人が片手を高々と上げた。
招集の合図。
離れたところから都知事を護衛していた別の組が、
速やかに集まって来た。
計六名は何れも警邏局の人員。
豊富な捜査経験に基づいて方策を練った。
今回の件は国王陛下が関心を持つ事案。
にも拘わらず解決への糸口すら見つけられない。
そこへ、これ。
多少強引かもしれないが、やるしかない。
尾行して住所を把握の上、身辺を調査する。
嫌疑が濃かったら密かに拘束。
【奴隷の首輪】を装着させ、取り調べを行う。
ジャレットは彼等の言を承諾した。
何よりも解決が急がれるのだ。
それに勝るものはない。
「私の護衛には二人を残すだけでいい。
他の四名は事件解決に専念してくれ。
何よりもそれが優先する。
・・・。
当初の予定は尾行だが、予定はあくまでも予定。
状況次第では臨機応変に動いても構わない。
血が流れるのは承知の上だ。
私が責任を負う」
尾行作戦が動く前に一人が気付いた。
「妙な連中がいますね」
対象人物を離れたところから監視している連中がいた。
三名。
素人臭は微塵もない。
「ひったくりか、強盗か」
「あるいは奴の仲間で、護衛か」
「それも含めて臨機応変で行こう」
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