第百五十一話 指導
昨日遅くまで働いてて。すみません遅くなりました(>_<)
「なんじゃありゃー!」
僕は気付いたら叫んでいた。洞窟から出て砂浜に戻ってると、空に黒くてデカい物体。暗黒竜。未来に送られたはずの暗黒竜が空を舞っていた。そしてそれは急降下して見えなくなった。くそっ。時間かけすぎた。僕の家である洞窟は4人で過ごすには手狭なので拡張して、更に昔作った家具を搬入して環境を整えた。気がついたら結構時間が経っていた。僕は無我夢中に走る。森を出て砂浜に着くと、みんながやれれていた。エリとアイは砂浜に倒れている。モモと思われるものは悲惨な事に、砂浜に頭からぶっ刺さってパンツ丸見えで二本の足が痙攣してる。
「ケッ。ザコが。これに懲りたら、主様を二度と誘惑しようとしない事ね」
妖精パンドラの声。震えているエリの顔になんか突撃してる。ドロップキックか?
「あっ。主様ーっ。聞いてくださいよ。あいつらあんまりにもだらしないから、稽古してやってたんですぅ」
妖精がキーンと一直線に飛んでくる。て言うかドラゴンは? 幻でも見たのか?
「大丈夫か? ドラゴン居たよな?」
「大丈夫、大丈夫。あいつら無駄に頑丈だから。ドラゴンですか。あれは私が変身したものです。よく出来てたでしょ。褒めて褒めて」
「そうなのか? エリたちは無事なのか?」
「大丈夫よブレス無しで手加減したから。さすがにあいつらのお目汚しな体は主様には目の毒ですからーっ」
お目汚し? 目の毒? いや、普通に見たいよ。まあけど、本当に無事なのか? アイなんてピクリともしない。
「コロスー。コロシタルー。ブッコロスー」
なんか地面から低い声が聞こえてくる。あ、モモの足からか?
「主様、見ちゃダメです。コラ、テメーいつまで死んだフリしてんだよ。埋めるぞコラ」
なんか剣呑な言葉を吐きながら、妖精はモモのとこに飛んでいく。モモの足に貼り付いたと思ったら、モモを砂浜から抜き出してグルグル回り始める。あれはジャイアントスィング。そして、モモは勢いよく海に向かって飛んでいくと大きな水飛沫をあげる。まじか。この妖精ヤバくない? もしかしたら僕はとんでもないものを呼び出してしまったのかも……
「汚物は海に流しましたっ」
妖精が僕の前に戻って来て満面な笑顔を浮かべる。ドSのサイコパスかよ。
「なっ、何やってんだよ。今のはヤバいだろ。早く助けないと」
「主様がそう言うのならしょうが無いですねー」
僕たちは急いで木陰に三人を集めると、ヒールで順番に癒していった。
「お前はもう少し攻撃力を増やさないと全くダメージが通んないわ。貧弱すぎ」
妖精が腰に手を当ててエリに言う。貧弱? エリの攻撃が通らない? パンドラが化けたドラゴンに? そりゃ冗談だろ。そしたらパンドラがドラゴン並に強い事になる。
「わかったわ。鍛える」
え、納得してる。訳分からない。
「お前は空を飛べるんだから、それを生かして攻撃をかわさないと。鈍すぎ」
次はモモにアドバイスしてる。
「はい。そうですね。もっと速くなります」
モモがしおらしい。変なものでも食べたのか?
「それと、お前。お前はいいとこ無し。それ以前に運動不足。まずは基礎体力作りからね」
「はい……」
アイが毒を吐かない。大丈夫か? いいとこ無しってなんか僕の事言われてるみたいでなんか少し悲しくなる。アイ、頑張って。
「それとそれ以前に、戦いの前に満腹になってる時点で問題外。満ち足りたらここ1番で気が緩む。戦いの前は五分腹。肝に命じなさい」
「「…………」」
エリとモモが親の敵を見るような目でパンドラを見ている。怖ぇ。
「あんたが食べさせたんじゃないの」
アイが噛みついてくる。良かったいつも通りだ。
「えっ? 何言ってるの? 私が食べさせた? 食べ物を口に入れたのはお前でしょ? ブタのように貪ったのはお前でしょ? いつ私が食べさせた? 私が食べ物掴んでお前の臭い口に突っ込んだとでも言うの? ねぇねぇ、言ってみなさいよー」
「ぐぅ」
アイが拳を握ってフルフルしてる涙目だ。不謹慎ながら可愛い。
やべぇ、空気が重い。けどなんか言ったら悪化しそうだな。エリたちはパンドラからなんか食べさせて貰って模擬戦したって事だよな。やった事から考えたら少しは仲良くなったのか?
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