サイフス消滅?
夜の時間に見てくれている方がいるようなので、0〜1時頃に1つ、21時に1つ更新するスタイルで頑張ろうと思います。
ただ毎日投稿し続けられるかは分かりません
「あーおーいーくーん、あっさでーすよー」
「あと10分……いや5分でいい……」
「だーめーでーすー、ちゃんと!起きる!」
リアと生活していて、上記の出来事はありふれた日常である。ベッドの寝心地が良すぎるのが問題であって、決して、俺が朝が弱いとかそういうことではない。眠い。
「起きないといたずらしますよー?」
「起きた、わたし、いま、おきた」
「ふふっ、じゃあ朝ごはんにしましょう?」
そう言って部屋から出たリアに続く。の前に、寝間着を着替えておく。
俺たちは帰ってきた後、簡単な居住区の改装をした。のだが、レイブンとの戦いは思ったより響いていたらしく、街で1泊した程度では疲労回復には至っていなかったらしい。筋肉痛が酷い。体もだるい。恐らくは魔力の使いすぎだろう。
『頂きます。』
そう言って朝ごはんを食べる。今日はパンとスープのようだ。正直あまり食欲もないのだが、リアが用意してくれたものだし、心配もかけたくはないので全部食べきる。
予定では今日この後、ダンジョンがあるというサイフスの街に行くことになっている。のだが、リアに話してずらしてもらおうと思っている。疲れが残ったまま行って、取り返しがつかなくなっても嫌だし。
「な、なあリア、ちょっといい?」
「どうかしましたか、葵くん?」
「その…サイフスに行くの、1日ずらしてもらえないか?正直まだ疲れが抜けきってなくて…」
そう言って恐る恐るリアの顔をみる。どうしよう、これでダメとか言われたら…
「ちゃんと、葵くんから言ってくれましたね。待ってたんですよ?」
そう言って微笑みながら頭を撫でてくるリアさん。気持ちいい。かあいい。じゃなくて、
「バレてたんだな、意地悪なリアさんだ」
「心配してないわけないじゃないですか、でも私が聞いても葵くんは大丈夫だっていつも言うから、自分から言うのを待ってみました。」
そう言って微笑みながら手を出すリア。
「ほら、手を貸しますから、ベッドに戻りましょう?」
「…いつもごめんな、ありがとう。」
そう言ってリアの手を借りてベッドに戻る。
「寝るまで私がいますから、ゆっくり休んでください。いつもいつも、守ってくれてありがとうございます」
そう言ってリアに見守られながらゆっくり休む。後でなにかお礼しないとな…
(ああ…なにか頭に触れられてるような感覚が…)
うっすらと目を開ける。どうやら寝ている間もリアがいてくれたようだ。頭を撫でられている、と言う状況で。
「おはよう、リア」
「おはようございます、体の調子はどうですか?」
「ああ、有難うリア。お陰様で体が随分と楽だ。」
「あ、それから葵くん、お客様が来ています」
そう言ったリアの顔には陰りが見える。どうかしたのだろうか?
「客?リアの知り合いか?」
「私の知っている方ですし、葵くんも知っている方です。今回は葵くん目当て…見たいです」
「分かった、行こう。」
そうしてお客様とやらがいる場所まで移動する。ここに来る人と言えばイリスさんか団長さんぐらいのものだけど、確かどちらも忙しいんだよな…
「葵くん、元気でしたか」
そう言ってこちらを振り返る、白い服を着た女性。イリスさんだ。…心無しか、暗い雰囲気を纏っている。何かあったのだろうか
「やっぱイリスさんだったか」
「あら、ばれてましたか。」
てへっ、という効果音が聞こえるあざといポーズだ。まあ、それは置いておいて。
「それで、俺になんの用だ?」
「ああ、そうでしたそうでした。また魔族を倒したようですね。さすがです。惚れてしまいそうです」
「ああ、そんな冗談はいい。」
「あら、ばっさりね。私は不満?」
「いや?ただ、あんたの雰囲気があまり良いものじゃないからな。早く話を聞きたいだけだ。」
「意外と鋭いのね。あなた達、サイフスに行くそうね?」
「それが何か?」
まさかサイフスに魔族でも現れたのか?という疑問の目を向ける俺。だがしかし、イリスさんから告げられた言葉は、俺の想像を絶するものだった。
「サイフスの街が消滅したわ。跡形もなくね」




