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転生者は巫女と共に踊る  作者: マスター
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帰還・黒翼の魔族

お久しぶりでございます。長らく更新が止まって申し訳ありませんでした。

短いのは許してください…

今日で王都にきて2週間が経過した。2週間の間、主に図書館で調べ物をしたり、王都でしか手に入らない食材を買ったり、少し珍しい品を買ったりした。


「お世話になりました、ありがとうございました」


「あんまり長く王都にいる訳にも行かんだろうしな。何かあったら頼ってこいよ、坊主」


「リア、体に気を付けるのですよ」


「はい、イリスさん。ありがとうございました」


「おっと、最後にこれだ。」


「ん?…っと、これは…」


「身分証だ、お嬢ちゃんと坊主の二人分。これでいつでも王都に来られる。」


「ああ、何から何までありがとう。」



「王都、楽しかったですね。葵くん。」


「ああ…ただ、王都を見せたかっただけらしいし。オマケにこんないい鞄を貰ったしな。」


「凄いですよね、その鞄。なんでも物が、ほぼ上限なく入ってしまうなんて…」


そう、この鞄は収納鞄と言われているもので、騎士団長様が連れていってくれた市場に売っていた。買える範囲だったので試しにと思って買ってみたのだが、めちゃくちゃ便利だ。流石異世界。


「まあ、ここからは帰るだけだしな。ゆっくり帰ろうぜ。」


「はい、今日は行きに使った野営地のひとつまで行って、早めに野営しましょう」


そう言いながら、王都での出来事を話す俺達。帰ったら何しようかな……




時は同じく、魔族陣営側。



「だいぶ力を取り戻したのね、気分はどーお?」


「最悪だ。ガキに切り飛ばされた翼は戻らねぇし、傷は癒えてもこのイライラが消えることはねぇ。」


「黒翼の魔族、最後の生き残りが、種族の特徴たる翼の片翼を切り飛ばされて帰ってくるなんて…本当にその子人間?」


「間違いなく人間だろうよ、ただ規格外の力を持った化け物なだけで。いや、力より恐ろしいのはその頭の回転の速さ…魔法をあんな風に使うなんざ見たことも聞いたこともねぇ。」


「それで、これからどうするのかしら、レイブン?」


「んな事はァ決まってんだろうが。あのガキを殺す。魔王復活はその後だ。」


それだけ告げて、レイブンと呼ばれた黒翼の魔族は立ち去っていく。


「黒翼の魔族…翼が強力な魔族が、片翼を失った状態で…力を発揮できるのかしら。あの子はもうダメね。」


誰に言うでもなく、そう呟いたもう1人の魔族は、音もなくその場から姿を消した……

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