目が覚めると…
次話デートです
目が覚めると病院(恐らくだが)に居た。戦闘終わり毎回治療されているな…。そもそも運動自体そんな得意ではないしな。そう考えると転生者というのは身体能力まで上がるのかな…恐ろしい。
「あ、目が覚めましたか?おはようございます葵くん。」
「…あと五分だけ」 「久しぶりに聞きましたね、それ」
クスッと笑うリアを前に、黙って飛び出してしまい、少し心配をかけてしまったかなと思う。
「無事で、良かった…。良かったです葵くん…」
「泣くことは無いだろ、転生者だからそこそこ強いし、俺意外としぶといし。」
「ちょっと前まで戦ったことがない人が何言ってるんですかっ!相手をわかってるんですか!魔族ですよ、魔族!!」
「痛い、痛いから叩かないでくれリア、悪かった俺が悪かったから」
「ほんとにもう…なんでそうやって無茶するんれすか!!」
「落ち着け呂律待ってないから…無茶したくてしてる訳じゃないから気を付けるから、な?落ち着け??」
泣きながら叩いてくるリアを宥めながら、どうしたもんかと思っていると、突然ドアが開けられた。
「目が覚めたか、坊主。体の具合はどうだ?これでも王都で1番腕が経つ病院だぜ」
「全く問題ない。というかそもそも怪我してないぞ」
「魔力の使いすぎだって深刻な病気を招くこともある。体もだるくなるしな。ま、今回はそこまで酷くないから大丈夫だろうが」
「運んでくれたのはあんたか、感謝する。」
「いいってことよ、それよりお嬢ちゃんに何かしてやりな。お嬢ちゃんが荒れに荒れて大変だったんだぞ」
「言わないで下さい!!カルスさん!!」
「そうだな。心配かけて悪いな、リア。」
「今日一日はここで大人しくしてれば、無事に退院出来るぞ。」
「分かった。…剣、悪いな。壊しちゃって」
「剣1本で魔族どうにかなったんだから安いもんだ、気にすんな。」
「そう言って貰えると助かる。」
ゆっくりな、と言う言葉と共にカルスさんが退室する。
「ほんとに良かったです…じゃあ私も行きますから、ゆっくり休んで下さい」
「り、リア!」
ここは、王都に来る前から考えていたことを伝えるチャンスだ。
「リアさえ良ければ…居てくれないか?それから…良かったらなんだけど…俺と、王都を2人で回らないか…?」
この世界に来てから、ずっとリアにはお世話になりっぱなしだし、なにかお礼がしたかった。そのために実は森に残っていた魔獣を狩り、お金を貯めていた。まぁ、ここでデートと言えないのが残念な所であるが。
「両方、喜んでっ!!」
「良かった……」
その夜俺とリアは、くだらないことを話しながら、気が付いたら朝になっていた。
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