反撃の狼煙
「させるかよ!!!」
打ち出された攻撃を防いだのはカルスだった。流石だ、助かった。
「坊主、よく言った。嬢ちゃんをあんな野郎に渡していいわけがねぇ…けど、あいつは強い。俺とイシスの二人がかりで勝てるかどうかってとこだ。下がってろよ」
「よそ見をしてる場合か?俺は死ねと言ったぞ? 喰らえ、デスフレア!!」
咄嗟にライトシールドを使うが、防ぎきれずに吹き飛ばされる。
「その程度の魔法で俺の攻撃は防げない。」
「くそが…っ」
「そして…お前さえ倒せばあとは簡単だな?カルスとやら」
「ぐっ…はっ」
ばたん、と音を立てて崩れ落ちるカルス。気付けば奴の手には剣が握られていた。カルスの一瞬の油断をついて刺したのだ。
「カルス…そんな……」
「イシスさん、気持ちはわかるけど…今は落ち着いた方がいい。いいか、リアを連れて離れててくれ。」
「葵…くん?まさか…」
「大丈夫、なんとかなるさ」
「でも、葵さん1人でなんて…」
「これでも転生者なんでな、負ける気はねぇ。いいから離れてろ。今のイシスさんは役に立つと思えない。」
「…分かりました、お願いします。」
言葉で突き放し、リアを連れて後ろに下がってもらう。
「おいおい、まさかお前一人で勝つつもりかよ?お前じゃ無理だ。そ」
「それを決めるのはお前じゃない。俺だ。それに、勝機ならあるぜ?」
「…なに?」
そう、俺は転生者だ。そして転生者には能力が与えられる。俺に与えられた能力、それは…
「デスフレア」
望めば、そして出来ると信じれば…全てをコピーする事が出来る。たとえ、格上の技術だろうと、未知の魔法だろうと




