魔族との遭遇、巫女の運命
「どうやってと言われても…正面突破で?」
「馬鹿言え、魔獣どもをかなりの数置いておいたはずだ。この短時間で突破出来るわけが…」
「俺らはここに居るんだから諦めて受け入れろ、で、お前は何してんだ??神官…って雰囲気でもねぇよな?」
この男は魔獣を操れるのだろう、そんな男が神官なわけが無い。そう思って聞いてみたのだが…
「話してやるほど馬鹿じゃねぇ。だがそうだな…これから死ぬお前らに、名前ぐらいは教えてやる。我が名はカルマ、魔族にして上級。上級魔族なり!!」
魔族…上級??何言ってんだこいつ…と、ぽかーんとした顔で見ていたのだがほかの人達…特にカルスとイリスの変わりようは凄い。
「上級魔族だと…!?ふざけるな、こんな所に…!!」
「まずい…ここで戦っても勝ち目はありません。…葵さん!リア!私達を置いて、今すぐ逃げるのです!!」
必死の表情で俺たちを逃がそうとする2人。だが…敵はそこまで甘くない。
「誰一人逃がすかよ、お前らはここで死ね。いや、待てよ…そこの女、もしかして巫女か?おい、お前ら。」
「なんだ??」
「そこの白髪の女置いてくんなら、見逃してやるよ。」
「…リアをどうするつもりだ?」
「そこの巫女は器としてちょうどいい、俺の目的を果たすための…魔王復活のための器になってもらう。」
「魔王…復活??いや、それよりも…器ってことは、リアを復活させる魔王の体として使うってことか…!?」
「今の会話だけでそこまでわかんのか、頭は回るようだな。そういうことだ…魔王様を復活させるための道具になってもらう、まぁその前に…少しぐらいは、楽しませてもらうがな」
舐めるような目付き、下賎な笑い…それを浴びたリアは体を震わせる。恐怖に怯えるリアを庇うように俺は前に出て
「そうか、ならその要求は断ってやるよ。悪いがリアはやらない。リアはお前らが道具にしていいような存在じゃねぇ」
はっきりと言い切った。そして言われた魔族、カルマは…
「そうか、なら…全員まとめて、ここで死ね!!!」
攻撃してきた。




