帰ってきました
…舐めていた。異世界でも女の子の買い物はとてつもなく長かった。食材や火打ちなど、必要品を銀貨3枚で買った俺達は、残りのお金で服やタオルを買うことにした。
俺の服の前にリアの服を見に来たのだが…店内をリアの付き添いでずっと回っていた。正直疲れた。楽しそうなリアの顔を見れたのはよかったのだが。
「ごめんなさい、私ばかり楽しんで…」
「いや、気にしなくていいよ。楽しそうでなによりだ。俺の服も行けたし…あとはもう何も無いか?」
「そうですね…残りは銀貨1枚ですが…何か欲しいものはありますか??」
「せっかくだしご飯でも食べないか?」
と、俺が提案したのもあり、サラダを買って歩きながら食べ、ゴミを捨てて街をリアの紹介で歩いて回り、結局教会に帰ってきた頃にはすっかり暗くなっていた。
「今日は、ありがとうございました。それから…疲れてる中申し訳ないのですが…」
「どうした?気にしないで言ってくれ?」
「…ブラッドウルフはギルドでもC級魔獣です。このアザゼル王国は確かに、魔獣は他の国とは違い湧きやすいのですが…この森は通常、聖なる力が働いているので魔獣はよってきません。けれど…」
「ブラッドウルフは来た。つまり聖なる力が失われたか…そうでないなら、何かほかの…誰かの介入があった、とか」
当てずっぽうでそう発言してみたのだが…
「流石葵くんですね、その通りです。恐らく人為的にこの森に放たれた魔獣でしょう。目的はわかりませんが…ここも、もうすぐ危なくなるかもしれません。その前に…」
わお、当たっていたのか…
「葵くんだけでも逃げてくださいって言ったら怒るからな」
「………」
「逃げるなら、お前も一緒だ。1人にはしないしさせない。リア、やるなら俺もやる。解決するなら、力を貸すから。」
「ありがとう、ございます……今はまだ大丈夫ですが、森に魔獣が増えてきたら逃げることも考えておきましょう」
ならいつでも逃げられるようにしとかないとな、と笑いながらリアにいい、疲れてるであろうリアをベッドに寝かしてやる。
「葵くん…おやすみ、なさい…ずっと、傍に…」
「おやすみ、リア」
眠ったのを見届けて、俺は1人で森を調べることにした。




