街に行くみたいだった
朝起きると、隣で寝ていたはずのリアがいなかった。どこかに行ったのだろうか…
「昨日より目覚めがマシだな…寝床は大事ってわけだな。とりあえず…朝ごはんの準備か」
「もう朝ごはんの準備はしてありますよ、葵くん。光リンゴで申し訳ないですけど…」
何と朝ごはんを準備してくれていたのか、有難い。
「おはようリア、ありがとう。頂くよ」
「はい、おはようございます葵くん。一緒に食べましょう」
頂きます、そう言って光リンゴに食らいつく。美味しい。…そうだ、聞きたいことがあったんだった
「なあリア、ちょっと聞きたいんだけど…ノア、って名前に心当たりは?」
リアは食べていた光リンゴを膝に落としてしまうぐらいに驚き、口を5秒開けっ放しにした後にこういった。
「な、何で葵くんがその名前を……ノアというのは、私が仕えている神様の名前です。もしかして葵くんのコピーの力は、ノア様がさずけたもの…ですか?」
「ご名答だ、ノアとやらがくれた。神様だったとは流石に知らなかったけど。そういや転生にも関わってるらしいけど…それは聞いてもわからねぇよな」
「すみません、流石にそこまでは知らないのです…転生者に関する話は、神話程度にしか…」
申し訳なさそうに話すその姿に、こちらが耐えられない。慌ててフォローする
「いや、大丈夫だよ、リアが気にすることじゃない。それで、今日は何をするんだ?」
「そう…ですね、街に行って食材と火打ち石などの必要なものを買いに行きましょう」
「それはいいけど…お金あんの?俺お金の概念とか知らないんだが」
「銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚の単価です、お金はありますよ、魔獣を倒せば魔核というアイテムを落とします。ギルドが高く買い取ってくれますので、これを売れば大丈夫です。通常、ギルドに登録していないと売れませんが…私はここに務める物ですから、名前と顔で特別に売れます」
と、めちゃくちゃためになる説明をしてくれるリア。頼りになるなぁ……
「なるほど…じゃあ、行こうかリア。2人で街行って、いるもん買って、帰ってこよう」
「はい!出発、ですね!!」
異世界、楽しめそうだな




