リアとの距離が縮まりました
「よし、沸いたな。いい温度だ、先入ってみる?リアさん」
「これがお風呂ですか…湯船の水を使って体を洗ったあと、この湯船に浸かると… 葵さんが、先に入らなくてもいいのですか?」
女の子優先だからね、と笑いながらリアにいい、教会の中に戻る。彼女でもないし、ましてまだ好きでもない女の子の裸を見る訳にも行かないし。可愛いのは可愛いけど。
その間に俺は寝床を作ろうと、置いてあった縄と土台になりそうなものを使って黙々と仕上げていく。
と、ちょうど出来た辺りでリアが帰ってきた。なんだろう、上機嫌に見える。
「今戻りました〜。凄いですねお風呂…確かに癖になりそうです。とても気持ちのいいものですね」
「気に入ってもらえたのなら良かった、俺もはい…っ…って…」
自分の名前を呼ぶ少女に抱かれながら、意識を暗転させていく…
「あ、起きました…か?私の事、わかりますか?」
「リアさん…?あれ、俺何して…」
「疲れたんでしょうけど…流石に、びっくりしましたよ?急に倒れるなんて…何かあったら、どうしよう、って……うぅ…」
そう言いながら、安心したのか泣き始めるリア。…そうか、疲れて倒れたのか…心配かけてしまったな
「ごめん、ありがとうな、リアさん。心配かけて悪かった」
「…リアって呼んでくれたら、許してあげます」
恥ずかしそうに言うその姿にドキッとしながら
「…ありがとう、リア」
俺がそういうと、優しく微笑んでくれたのだった。
その日は二人とも疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。




