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※(未)=未然形、(用)=連用形、(終)=終止形、(体)=連体形、(已)=已然形、(命)=命令形
古文】その心を思ひやりて詠みけるとぞ。/
文法】そ|の|心|を|思ひやり|て|詠み|ける|と|ぞ。|
※「間過」は「間接過去」の略。
※「とぞ」は連語。
古文】かやうに向かはぬ人の歌は、さはさは/
文法】かやうに|向かは|ぬ|人|の|歌|は、|さはさは|
古文】とも、おもしろきやうなるはあれ/
文法】とも、|おもしろき|やうなる|は|あれ|
※「とも」は「と(接続助詞)/も(係助詞)」が一語化したもの。
古文】ど、いかにぞ優の添ひ、勢ひの/
文法】ど、|いかに|ぞ|優|の|添ひ、|勢ひ|の|
古文】深きことはなくて、古歌に変はれ/
文法】深き|こと|は|なく|て、|古歌|に|変はれ|
古文】ることなり。されば紫式部も言へる/
文法】る|こと|なり。|されば|紫式部|も|言へ|る|
古文】やうに、「いでやさまで心は得じ、口にいと歌/
文法】やう|に、|「いでや|さ|まで|心|は|得|じ、|口|に|いと|歌|
※「打推」は「打消推量」の略。
古文】の詠まるるなめり、恥づかしげの/
文法】の|詠ま|るる|な|めり、|恥づかしげ|の|
※「な」は「なる(断定の助動詞「なり」の連体形)」の撥音便「なん」の「ん」の無表記。
※「なめり」は連語。
古文】歌詠みやとは見えず。まことの/
文法】歌詠み|や|と|は|見え|ず。|まこと|の|
古文】歌詠みにこそはべらざめれ」など/
文法】歌詠み|に|こそ|はべら|ざ|めれ」|など|
※「ざ」は「ざる(打消の助動詞「ず」の連体形)」の撥音便「ざん」の「ん」の無表記。
※「ざめり」は連語。
古文】言へるにこそ。/
文法】言へ|る|に|こそ。|




