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※(未)=未然形、(用)=連用形、(終)=終止形、(体)=連体形、(已)=已然形、(命)=命令形
古文】動く心をほかにあらはして紙に書き/
文法】動く|心|を|ほか|に|あらはし|て|紙|に|書き|
古文】候ふことは、さらに変はるところなく候ふ
文法】候ふ|こと|は、|さらに|変はる|ところ|なく|候ふ|
古文】にや。文と申し候ふもひとつことばに候ふ
文法】に|や。|文|と|申し|候ふ|も|ひとつ|ことば|に|候ふ|
※「にや」は連語。「あらむ」の省略。
古文】由は、弘法大師の御旨趣にも委しく
文法】由|は、|弘法大師|の|御|旨趣|に|も|委しく|
古文】見えて候ふにこそ。境に随ひて起こる心
文法】見え|て|候ふ|に|こそ。|境|に|随ひ|て|起こる|心|
古文】を声に出だし候ふことは、花に鳴く
文法】を|声|に|出だし|候ふ|こと|は、|花|に|鳴く|
古文】鴬、水に棲む蛙、すべて一切生/類
文法】鴬|、水|に|棲む|蛙|、すべて|一切生類|
古文】みな同じことに候へば、「生きとし
文法】みな|同じ|こと|に|候へ|ば、|「生き|と|し|
※「同じ」の連体形には「おなじ」(語幹の連体法)と「おなじき」(連体形)の両形があるが、漢文訓読文・和漢混淆文では「おなじき」、和文では「おなじ」を用いるのが普通とされた。
※「生きとし生けるもの」は連語。
古文】生けるもの、いづれか歌を詠まざり
文法】生け|る|もの、|いづれ|か|歌|を|詠ま|ざり|
※「いづれか」は連語。
古文】ける」とも言ひ、乃至草木を/
文法】ける」|と|も|言ひ、|乃至|草木|を|




