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※(未)=未然形、(用)=連用形、(終)=終止形、(体)=連体形、(已)=已然形、(命)=命令形
古文】歌と申し候ふものは、このごろ花の下に/
文法】歌|と|申し|候ふ|物|は、|このごろ|花|の|下|に|
※「花の下」は「花の下連歌」の略で連語。
古文】集る好事などのあまねく/
文法】集る|好事|など|の|あまねく|
古文】思ひ候ふさまにばかりは候はず。/
文法】思ひ|候ふ|さま|に|ばかり|は|候は|ず。|
古文】心にあるを志と言ひ、言にあら/はるる
文法】心|に|ある|を|志|と|言ひ、|言|に|あらはるる|
古文】を詩歌とは、皆知りて/
文法】を|詩歌|と|は、|皆|知り|て|
古文】候へども、耳に聞き、口に楽し/み
文法】候へ|ども、|耳|に|聞き、|口|に|楽しみ|
古文】候ふばかりにて、心にをさめ候ふ/
文法】候ふ|ばかり|に|て、|心|に|をさめ|候ふ|
古文】方、暗く候ふ故に、ただ知ら/
文法】方、|暗く|候ふ|故|に、|ただ|知ら|
古文】ざると同じことに成り果て候ひにける/
文法】ざる|と|同じ|こと|に|なりはて|候ひ|に|ける|
※「同じ」の連体形には「おなじ」(語幹の連体法)と「おなじき」(連体形)の両形があるが、漢文訓読文・和漢混淆文では「おなじき」、和文では「おなじ」を用いるのが普通とされた。
古文】由、沙汰し候ふ。しかれども、我も我もと矛/先
文法】由、|沙汰し|候ふ。|しかれども、|我|も|我|も|と|矛先|
※「しかれども」は「しかれ(ラ変動詞(已))|ども(接続助詞)」から一語化した漢文訓読語なので、二語とも解せる。




