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字母】可左武止思心爾天三由部久毛奈/
翻刻】かさむと思心にて、みゆべくもな/
本文】かさむと思ふ心にて、見ゆべくもな/
古文】かさむと思ふ心にて、見ゆべくもな
字母】幾和可ゝ計越左部見衣多天末川/
翻刻】きわがかげをさへ見えたてまつ/
本文】き我が影をさへ見え奉/
古文】き我が影をさへ見え奉
字母】類者安左久八思者奴曾止以不爾/
翻刻】るは、あさくは思はぬぞといふに/
本文】るは、浅くは思はぬぞと言ふに/
古文】るは、浅くは思はぬぞと言ふに
字母】與利幾多留山井奈禮者己止久/
翻刻】よりきたる山井なれば、ことぐ/
本文】寄り来たる山の井なれば、ことぐ/
古文】寄り来たる山の井なれば、ことぐ
字母】左爾止利與世多留爾天己所侍遠/
翻刻】さにとりよせたるにてこそ侍を、/
本文】さに取り寄せたるにてこそはべるを、/
古文】さに取り寄せたるにてこそはべるを、
字母】也可天山井と以部者止天己乃左部/
翻刻】やがて山井といへばとて、この「さへ」/
本文】やがて山の井と言へばとて、この「さへ」/
古文】やがて山の井と言へばとて、この「さへ」
字母】遠山乃井乃奴之爾奈之天見者/
翻刻】を山の井のぬしになして見ば、/
本文】を山の井のぬしになして見ば、/
古文】を山の井のぬしになして見ば、
字母】満己止仁於保川可奈之王可ゝ計爾/
翻刻】まことにおぼつかなし。わがかげに/
本文】まことにおぼつかなし。我が影に/
古文】まことにおぼつかなし。我が影に
字母】奈之天三禮者於保川可奈幾事/
翻刻】なしてみれば、おぼつかなき事/
本文】なして見れば、おぼつかなきこと/
古文】なして見れば、おぼつかなきこと
字母】奈之可也宇乃事遠多爾三和可須/
翻刻】なし。かやうの事をだにみわかず/
本文】なし。かやうのことをだに見分かず/
古文】なし。かやうのことをだに見分かず




