頁024
字母】女天事越以比曾部又安良奴句越/
翻刻】めて事をいひそへ。又あらぬ句を/
※「以比曾部」の部分、時雨亭文庫本では「以比曾部奴」であることから、時雨亭文庫本に拠って補うこととする。
本文】めて事を言ひ添へ〔ぬ〕。またあらぬ句を/
古文】めて事を言ひ添へぬ。またあらぬ句を
字母】止利可部左満ゝゝ能事遠川久利出天/
翻刻】とりかへ、さまざまの事をつくり出て、/
本文】とりかへ、様々のことを作り出でて、/
古文】とりかへ、様々のことを作り出でて、
字母】披露春留多久比聞由留実任侍/
翻刻】披露するたぐひ聞ゆる。実任侍/
本文】披露するたぐひ聞こゆる。実任侍/
古文】披露するたぐひ聞こゆる。実任侍
字母】従可哥仁/
翻刻】従が哥に/
本文】従が哥に/
古文】従が歌に
字母】 乃幾乃春ゝ女乃春仁可與不己惠止/
翻刻】「のきのすゞめのすにかよふこゑ」と/
本文】「軒の雀の巣に通ふ声」と/
古文】「軒の雀の巣に通ふ声」と
字母】與見多利計留止可也己禮遠毛當/
翻刻】よみたりけるとかや。これをも當/
本文】詠みたりけるとかや。これをも當/
古文】詠みたりけるとかや。これをも当
字母】時乃躰爾被賞翫哥止天奈計之乃/
翻刻】時の躰に被賞翫哥とて、「なげしの/
※「被賞翫」は「被ル賞翫セ」、つまり「賞翫せらるる」を漢文体で表したもの。
本文】時の躰に賞翫せらるる哥とて、「なげしの/
古文】時の体に賞翫せらるる歌とて、「なげしの
字母】宇部爾春ゝ女春久部利止可也奈之天/
翻刻】うへにすゞめすくへり」とかやなして/
本文】上に雀巣くへり」とかやなして/
古文】上に雀巣くへり」とかやなして
字母】披露春留人安留與之聞由返々/
翻刻】披露する人あるよし、聞ゆ。返々/
本文】披露する人ある由、聞こゆ。返す返す/
古文】披露する人ある由、聞こゆ。返す返す
字母】似無其詮歟大可多八春ゝ女貫之毛/
翻刻】似無其詮歟。大かたは、雀、貫之も/
※「似無其詮歟」は「似タル無キニ其ノ詮歟」、つまり「其の詮無きに似たるか」を漢文体で表したもの。
本文】その詮なきに似たるか。大方は、雀、貫之も
古文】その詮なきに似たるか。大方は、雀、貫之も




